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魚はいかにして進化してきたか?
弱者の生存競争
初めての魚 アランダスピス
初めての魚は約4億6000万年前、古生代オルドビス紀中期に誕生しました。頭は硬質で覆われており、鰭と顎はありませんでした。アランダスピスと名づけられたこの魚は体長15cm程度、顎はまだ無く藻類やプランクトンを泥ごと捕食しており早く泳ぐ事が出来なかったため当時の生態系の頂点、体長5mを超える巨体を持つオウムガイから逃げるように生活していました。
地殻変動による生存競争の激化
大地の衝突で山脈が作られ、海は少しづつ狭くなっていきます。 約4億2000万年前、逃げ場を失った魚達の中でも、外敵から身を守るための棘のような固い骨を持った硬骨魚類達は新天地を求め山脈が作り出した大河の河口、浅い汽水域に逃げ込みます。ここから魚達の急速な進化が始まったのです。
淡水域に進出するために
海水と淡水の一番の違いは浸透圧です。魚達は解決のために身体を守る固い鱗と、血中の塩分を排出するための腎臓を獲得しました。プテラスピスは淡水に進出した最初の魚であると考えられています。 川を上るための流線型体型、尾や鰭のような物が現れています。
劇的な進化を続ける魚たち
魚達は更に進化を続けます。約4億1000万年前に登場したケイロレピスは脊椎を持つ初めての生物です。外敵から身を守るために獲得した骨は脊椎になりました。流れに逆らう筋力を支え、淡水域で不足するミネラルを貯蔵するために必要だったのです。約3億8500万年前にはユーステノプテロンが登場します。 海よりも酸素濃度の低い淡水域での生活に適応し、潮の満ち引きでの水位変化の中で生活するために肺を獲得、水生植物を掻き分けるために骨の入った大きな鰭を持っています。
初めての一歩
約3億6250万年前、ついに浅瀬の生活から重力を乗り越えるための骨格を持ち、ヒレを足にまで進化させた種が誕生しました。イクチオステガです。乾燥を防ぐためオオサンショウウオのような皮膚を持ち初めての一歩を踏み出したのです。魚達は外敵だらけの海から安全な新天地を目指し、未開の地での繁栄と大きな進化を経て、ついに陸地進出を果たしました。
残った魚達は
陸に上がったイクチオステガとは別に、水中での生活を選択した魚達もいます。硬骨魚類と呼ばれるグループは肺を浮き袋に作り変え、現代の魚の先祖となりました。淡水に残った種、マス類のように川と海を行き来する種、そして多くの魚達は海に戻り現代に至るまで繁栄を続けます。
魚達の進化の歴史は強くある事だけが進化ではなく、賢い生き方を選択した末の大成という映画のような歴史だったのです。
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