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2017/8/25 | サイトをリニューアルしました。 |
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琥珀とは?
琥珀とは?
琥珀とは、古代の木の樹脂(じゅし)が固まって化石となったものです。
樹脂は樹液(じゅえき)が木の外に出たときに固まったものです。この樹液は、木の皮が裂けたりして中身がむきだしになった際に、木を守ろうとしてネバネバとした液体となって出てきます。
液体がネバネバ状なのは、木の中に病気の元になる物質をいれないようにしたり、虫たちが中に入ってくるのを防いだりするためです。ちょうど、みなさんが擦り傷を作ったときに、傷口に軟膏をぬったり、消毒液をかけて皮膚の健康を守るのと似ていますね。
まとめると、次の通りです。
樹液が樹皮からにじみ出て、硬くなったものが樹脂です。木の皮が裂けたり、枝が折れたりして出てきた樹脂が、地面に落ちます。土にだんだん樹脂がたまっていき、ある地層の中で数百万年、数千万年の間にじっくり化石化すると琥珀になるというわけです。
本物とニセモノの見分け方
その1:アルコールテスト
アルコールをつけてみること。ネバネバすれば、それはコーパル(若い琥珀)です。
その2:飽和食塩水テスト
飽和食塩水に浮く琥珀 実験:化石セブン
2つ目は、飽和食塩水を作って、浮くかどうか試してみること。琥珀、コーパル、スチレン樹脂でできたものは浮きますが、ガラスやプラスチック、セルロイド、カゼイン、フェノール樹脂等でできたものは沈みます。
その3:熱した鉄針
熱した針金で琥珀を突いて匂いを嗅ぐ
3つ目は熱した針金を標本に当ててみること。琥珀なら刺すような強い樹脂のにおいがします。 コーパルなら少し甘酸っぱい樹脂のにおいがします。一方、人工的なものからできたものはプラスチックのような刺激的なにおいがします。
その4:傷をつける
最後に、少し原始的な方法ですが、傷をつけてみることです。ガラス製なら傷がつきません。ガラスは硬い物質だからです。他の物質なら傷がつきます
ハエの触角で何が分かる?
実験により本物と鑑定された琥珀
ハエの触覚の長さで、琥珀かコーパルか、見分けることができる。
琥珀とよく間違えやすいものとしてコーパルがあります。コーパルもれっきとした化石なのですが、二者の違いは、比較的年が若いものがコーパルで、完全に化石化したものが琥珀です。
これらを見分けることは大変難しいとされていますが、見分ける方法はいくつかあります。
もし中に昆虫が入っていたら、しかもハエが入っていたらとてもラッキーです。 なぜならハエの触角によって琥珀かコーパルか見分けられる可能性があるからです。
琥珀の中には、長い触角をもったハエが多く見られるのですが、短い触角はまれにしか見られません。逆に、短い触角のハエはコーパルからよく発見されます。
琥珀の産地
約85%の琥珀は、ポーランドとロシアから産出
宝石や化石として商業的に利用できる産地はある程度限られてきます。最も有名な産地はバルト海沿岸とドミニカ共和国、そしてポーランドやロシアです。
世界の約85%の琥珀は、ポーランドのグダンスク沿岸とロシアのカリーニングラード州地域から産出しているといわれています。
他にはミャンマーやメキシコ、カナダ、メキシコ、日本等も琥珀の産地です。
ドミニカ産琥珀の特徴
実験により本物と鑑定された琥珀
映画ジュラシック・パークで話題になったドミニカ産琥珀
ドミニカ産琥珀は、ほとんどのものが透明で、さまざまな色があります。黄色やオレンジ色に近い色が多く、緑や青色を帯びているものも中にはあります。その美しさから宝石として加工されることも多く、虫入りの琥珀も人気があります。
なぜなら、ドミニカの地は熱帯のサバナ気候に属しているのでさまざまな種が繁栄しやすいと考えられるからです。ただし、中に入っている昆虫で現在わかっている種類に関しては、バルティック産のほうが多く、約5000種の昆虫が同定できています。
これに対し、ドミニカ産の昆虫はまだ100種くらいしか同定されていません。この理由は、ドミニカ産琥珀の研究がたった数十年前から始まったばかりだからです。今後、研究が進むと、虫の種類ももっと明らかになっていくことでしょう。
映画ジュラシック・パークで恐竜の血を吸った蚊を内包した琥珀から、恐竜のDNAを取り出す、というストーリーが描かれ、話題になりました。実は、このお話には科学的根拠はありません。ドミニカ産琥珀はおよそ三千万年前の木の樹脂のため、その頃には、残念ながら恐竜はもう絶滅していました。
ドミニカ産琥珀を発見したあの有名人
探検家、クリストファー・コロンブス
コロンブスが発見! ドミニカ産琥珀
カリブ海に浮かぶ西インド諸島の中に、グレート・アンチル諸島という島々があります。この中の1つにエスパニョーラ島という、世界の島の中で23番目に大きい島があります。この島の2/3の面積がドミニカ共和国です。ドミニカ共和国はヨーロッパのバルティック琥珀とならび、世界でも有数の琥珀産地です。
ドミニカの琥珀を最初に発見した人物をご存知でしょうか?
それは、クリストファー・コロンブスです。コロンブスといえばあの大航海時代の探検家で、 はじめてアメリカ大陸を発見した人物として有名です。
彼がこの島に降り立ったのは、今から500年以上前の1492年です。それから月日は流れ、ドミニカ産の琥珀が世界的に注目を浴びるようになったのは、1960年頃のことでした。
古い琥珀が見つかるイギリス地方
非常に古い琥珀が採集されるイングランド・ワイト島
1億3000万年も昔の昆虫が内包された琥珀も。
ワイト島という名前の島をごぞんじでしょうか。ワイト島はイギリス本土(グレートブリテン島)から狭い海峡を隔てた南方に位置する島です。
この島は白亜紀前期の最も古い虫入り琥珀が産出することで有名です。何と1億3000万年も前の虫が琥珀のなかに存在するのです。
ワイト島の琥珀はどちらかというと褐色で、黄色い透明なうず模様があるものが見られます。この島の琥珀からは、昆虫や黄鉄鉱、また植物の一部が多くみつかります。
これより古いとなると、イギリスの本土、南東部に位置するイースト・サセックスのヘイスティングという地が有名です。
ここからは、約1億4000万年前の琥珀が見つかっています。こちらは昆虫は内包されていません。
琥珀は何色?
典型的な琥珀の色
イエローとオレンジの中間色
琥珀の色はさまざまですが、透明で黄褐色の色が多く見られます。琥珀の中にはオレンジがかったもの、緑色のもの、透き通っていないものなど、産地によってさまざまです。
純色でいう琥珀色とは、イエローとオレンジの中間色をさしています。ちょうど琥珀糖のような、透き通った黄色がかった色が琥珀の代表的な色です。
琥珀の構造は、炭素が79%、酸素が11%、水素が10%、そして硫黄を少し含んでいます。
琥珀になるまでにかかる時間
長い年月をかけて形成された琥珀
少なくとも数百万年の時を必要とします。
樹脂が美しい琥珀になるまでには一体どのくらいの時間がかかるのでしょうか?
さまざまな研究者の意見が分かれるところですが、およそ数百万年から数千万年の長い月日をかけて形成されると考えられています。
半化石状態、琥珀一歩手前のコーパルでは、もう少し短い期間で形成されます。最近では、樹脂が琥珀となるまでには時間の長さ以外に、地層の堆積物がどういう成分であったか、温度や圧力などの兼ね合いなどがとても重要だということがわかってきました。
琥珀の名前いろいろ
確かに琥珀の色は虎柄に近い。
琥珀は虎の魂の化身?
琥珀の漢字に充てられている「琥」という文字に虎という字が入っているのは、見た目が虎の柄と似ているからです。
中国では、虎が死んだ後、魂が石になって琥珀となると考えられてきたのです。琥珀は英語名で「アンバー(Amber)」といいます。
これは、古代アラビア語の「アンバール」から由来するもので、「海にただようもの」という意味があります。
実際、琥珀の比重は1.04~1.10で、比重1.0の水と比べると少しだけ重いのですが、琥珀の中には気胞を含むものもあるので、その場合は水中に漂います。
琥珀から虫が見つかるのはなぜ?
琥珀に内包された昆虫
琥珀はその時代の環境を封じ込めたタイムカプセル
琥珀は、樹の樹脂が固まって化石化したものです。しばしば、琥珀の中から、昆虫や植物が見つかるのは、樹脂が土の上に流れ落ちる際に、虫やその他の生き物たちが一緒に取り込まれてそのまま化石となるからです。
琥珀の中に閉じ込められた虫たちは、非常によい状態で保存されるので、触覚や羽などが生きた当時のまま見ることができるものもあります。
昆虫や植物が入った琥珀は、まさにその時代の環境を封じ込めたタイムカプセルのようなものです。
虫入り琥珀は世界中のコレクターからも人気が高く、かなりの高値で取引されます。
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