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化石からアンモナイトとオウムガイを見分ける方法
アンモナイトとオウムガイの違いを化石から見分けることができますか?
その前には、両者を簡単に比較してみましょう。
アンモナイト | オウムガイ | |
---|---|---|
現世に棲息するか | すでに絶滅している。 | 現世にも存在していることから「生きた化石」と称されることも。 |
時代 | 古型を含めれば、古生代から中生代末期まで。 | 古生代から現世まで。 |
大きさ | 数センチから2メートルのものまで存在した。 | 大きくても30cm前後。現世のオウムガイは15cm程度。 |
生息域 | 世界中の海に棲息していた。浅海に棲むものもいれば、深海に棲むものもいた。1000mを超える深海では、殻が耐えられなかった可能性あり。 | 現世では、南太平洋からインド洋の熱帯域の深海300m付近に棲息している。 |
寿命 | 不明。 | 自然界では20年以上生きるのではないか、という説あり。 |
種類 | 1万種類を超える種が存在していた。 | 現世のオウムガイは5種類。絶滅したものも含めれば、より多数。 |
分類 | 界 : 動物界 Animalia 門 : 軟体動物門 Mollusca 綱 : 頭足綱 Cephalopoda 亜綱 : アンモナイト亜綱 |
界 : 動物界 Animalia 門 : 軟体動物門 Mollusca 綱 : 頭足綱 Cephalopoda 亜綱 : オウムガイ亜綱 |
※アンモナイトとオウムガイは、頭足類です。つまり、貝の仲間ではなく、イカやタコと近いグループになります。
アンモナイトの想像図
オウムガイの写真
では、本題、化石から、どのように、アンモナイトとオウムガイを見分ければ良いのでしょうか。
アンモナイトとオウムガイの見分け方その1、隔壁の方向に注目する
アンモナイト、オウムガイともに、殻の内部に複数の部屋(房)が存在します。その房を仕切る壁を隔壁(かくへき)と言います。その隔壁の方向に注目すると、その化石標本がアンモナイトかオウムガイかを簡単に見分けることができます。
弊社販売標本
上の図を見ると一目瞭然です。
注目ポイント1:殻の内部を仕切る隔壁の方向
- アンモナイトは、出口に対して膨らんでいる
- オウムガイは出口に対して凹んでいる
※ただし、例外もあります。
アンモナイトとオウムガイの見分け方その2、連室細管の位置に注目する
頭足類の仲間には、連室細管(れんしつさいかん)という構造を持つものがいます。連室細管とは、複数の殻の内部を貫いて通る細い管で、殻の内部にガスや海水を出し入れするのに役立っていると考えられています。
その連室細管の通る位置が、アンモナイトとオウムガイで大きな違いがあります。こちらも、例外がありますが、多くの場合、アンモナイトとオウムガイを見分ける上で助けになります。
下記をご覧下さい。
弊社販売標本
ご覧のように、アンモナイトとオウムガイでは、連室細管が走っている箇所が異なります。
注目ポイント2:殻の内部を走る連室細管の位置
- オウムガイはほぼ房の中央を走っています
- アンモナイトは房の外側を走っています。アンモナイトの連室細管は化石のクリーニングの仕方によっては確認できないこともしばしばあります。
※アンモナイトの連室細管は確認できないことが多々あるので、中央に連室細管があるかどうかを確認しましょう。存在すれば、少なくともオウムガイであることが分かります。