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- 史上最大のムカデ、アースロプレウラ(Arthropleura)とは?
現世最大のムカデはどのくらい大きい?
皆さんはムカデをご存知だろうか。日本語で百足と書くように、多数の足が備わった、およそ10センチ前後の節足動物である。
最大のムカデはどのくらいに成長するかご存知だろうか。
ブラジルやペルーなどの南米の密林に棲息している、ペルビアンジャイアントオオムカデは体長30-40センチに達するというのだから、驚きである。肉食で昆虫はもちろん、鳥やネズミ、ときに小型の蛇まで襲うという。なんとも恐ろしい生物だ。
史上最大の節足動物をご存知だろうか?
では、史上最大、つまり、絶滅した生物を含めて、もっとも大きなムカデの名前をご存知だろうか。
今から3億年以上前の石炭紀に実在した節足動物、アースロプレウラ(Arthropleura)である。
驚くべきことに体長は2メートル以上、幅は50センチ近くにもなったと化石から推定されている。
もし、アースロプレウラが現代に蘇ったら・・・
この絶滅巨大ムカデ、アースロプレウラがもし、現代に蘇ったら、というテーマでCGを作成してみたので、一緒に見ていこう。
もし、遊歩道を散歩していて、こんな生物に出くわしたら、どうだろうか。
人間よりも大きなムカデが無数の足を器用に動かしながら、こちらに向かってきたら・・・・。
考えるだけで寒気がするのではないだろうか。
公園にも現れてしまった・・・
次に、くるっとUターンして、公園まで戻ると、こんな光景に出くわす可能性もある。うかうか公園で遊んでいられない。
ひょいと頭部を持ち上げて、こちらを向かれたら、全力で帰宅するほかない。
逃げ帰ったマンションのエントランスでも・・・
逃げ帰ったマンションのエントランスで、再びアースロプレウラがお出迎え。ダストボックスの上にもいる。2メートル50センチもの巨体となると、犬、猫、人間、たいていの生物よりも大きい。
愛嬌があるような気もするが・・・
やけ気味にちょっと近づいてみることにする。
愛嬌があるような気もするが、撫でる勇気などあるはずがない。
30ー40センチの現代最大のペルビアンジャイアントオオムカデでさえ、比較にならない大きさなのがお分かりいただけただろうか。
実はムカデではなくヤスデ。しかも草食。
一つ救いなのが、このアースロプレウラは植物食生物だと考えられている点である。現代に蘇ったとしても、おそらくは人間が捕食されることはなかろう。
そして、もう一つ重要なことは、アースロプレウラはムカデではなく、ヤスデの仲間であるということ。同じ多足類ではあるが、ムカデが肉食なのに対して、ヤスデは腐植植生で、かつ毒のある顎を持っていない。人間にとっては無害な生き物なのだ。少しは安心していただけただろうか。