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- 2大遊覧飛行とジョムソン・ポカラ10 日間 (化石との出会い) 文:野々村誠
- 1月27日(木)(8日目)
平成 23 年1 月20 日 ~ 平成23 年1 月29 日 文:野々村 誠
1 月27 日(木)(8 日目)
今日は、ネパールでの最後のイベントである空からエベレストの山々を眺め、遊覧観光する。そのため、朝7時にはホテルを出発したが、今回は、天候に恵まれ、空港で待たされることもなく、7時45 分にAGNI AIR の小型飛行機は我々全員を乗せて出発した。
しばらくしてエベレスト連峰が左手に見えてくると、皆、子供のようにはしゃぎ、その景色を眺め、カメラやビデオで撮っていた。約20 分後、左手に大きな三角形の山が見えてきた。アテンダントが乗客を順番に操縦席に案内し、そこから写真を撮らせてくれた。
遊覧飛行(エベレストが見える)1
遊覧飛行(エベレストが見える)2
遊覧飛行(エベレストが見える)3
遊覧飛行(エベレストが見える)4
白く雪に覆われた山々が見え、バシャバシャとカメラのシャッターを押しているのであるが、うまく撮れているかはわからない。あとで確認すると焦点が合っていない写真が多い。乗客全員が撮り終わるまでエベレスト周辺を旋回し、帰途についた。乗客の興奮も収まったころ、アテンダントは、「空からみたエベレスト」という本を売りに来た。英語版であるがDVD も付いていたので購入した。20 ドルである。飛行機を降りると、機長がにっこり微笑んでこの本にサインをしてくれた。サービスも良いようである。
遊覧飛行後は、カトマンドゥ市内の観光に行った。「クマリハウス」、「スワヤンブナート」、「ハヌマンドゥカ」、「ダンパール広場」、「ダンパール寺院」などを観光した。
カトマンドゥ市内は、自動車、オートバイで混雑しており、大気汚染もひどい状況である。オートバイの運転手は、マスクをして運転している。又、川には、多量のゴミが捨てられていた。 私見ではあるが、川にゴミを捨てるという習慣は、多分、シンドゥ教で火葬した灰を川に流すという習慣と合い通じるものがあるのではないかと思う。
カトマンドゥ市内(交通渋滞)
カトマンドゥ市内(交通渋滞)
クマリハウスは、5~6 歳の少女が選ばれ、生き仏として使えている館である。しかし、少女が生理を迎えるとクマリハウスを出るそうである。この少女は、普段顔を見せないが、日本人が行くとお賽銭が入ると見え、寺の警備員がこれから写真撮影は禁止ですと言うと、その生き仏がしずしずと窓から顔を見せた。1~2分位して戻って行った。寺から出ると、おばあさんの売り子がそのクマリの写真を売っていた。うまくできている。
クマリは中央の窓から顔を出す
クマリ館の入口
スワヤンブナートは、カトマンドゥ市内から少し離れた丘の中腹にあった。バスを降りて寺院に向かう坂を登っていくと丘の頂上付近に尖塔を持つ目玉模様の建物が目に入った。周りには、黒ずんだ石塔がとり囲んでいた。お土産屋さんの数も多い。 スワヤンブナートの土産物屋さんで、化石を眺めていると、店内にまだ色々な種類の化石が沢山あるので見ていかないかと誘ってくる。中が金色のアンモナイト1個(後で黄鉄鉱と判明)と形の細長く関節模様の化石2個を1000 ルピーで購入した。(なお、この関節模様の化石は、後日、オルソセラスであることが判明した。)
ネパール最古のスワヤンブナート寺院1
ネパール最古のスワヤンブナート寺院2
また、ダンパール広場の土産物屋さんを覗いていると、どうしても化石が目に入ってしまう。それを店主に察せられ、勧めてくる。今回の化石は、大きくて石の中にアンモナイトが入っている立派なもので、店主は、5000 ルピーと言っていた。集合場所まで交渉に来て、いらないといってもどんどん値段を下げてくる。あまりよい土産がないので、結局大小2個の化石を700 ルピーで買わされた。自分でも呆れる。
ダンパール広場の露天商 (化石を押し売されてしまった)
昼食は、エベレストホテルから近いカトマンドゥ市内が見渡せる、ホテル・サンセットビュー内にある「ヒマラヤソバ処」でソバ料理をいただいた。ヒンドゥ教の聖地であるパシュパティナート寺院を訪ねた。パシュパティナート寺院は、市内のトリヴァン国際空港の端に位置し、またパグマティー川のそばに位置している。この川のほとりには、死者を葬る焼き場があり、訪れたときにも数カ所で火葬が行われていた。火葬が終わると係員はまだ燃えている灰と一緒に骨を川に落としていた。そのため、川の両岸は、黒ずんだ土や灰で覆われていた。
今は、乾季なので、灰や骨は、ここに留まっているが、雨季になり、大雨が降ると、これらの灰や骨が下流のガンジス川に流れていくのだという。こうして死者は、ヒンドゥ教の教えによるガンジス川に帰ってくのだそうである。対岸では、多くのネパール人が石段に腰掛けて、この状況を無言で見つめている。
これらの光景を見て、我々は、日本の火葬とは異なった風習に言葉が出なかった。しかし、この寺院では、産湯や沐浴につかり、死後はここで火焼し、パグマティー川に落とされることは、金持ちしかできず、焼く場所も地位や資産によって決まるのだという。ほっとしたのは、老婆が腰を屈めながらゴミ拾いをしていたことである(感謝)。
この帰り道、参道の両側にも化石を売っている露天商があり、つい覗き込むものだから、押し売りが来る。アンモナイトはもうあると言うと今度は魚の化石を勧めてくる。興味はあったが、値段がわからないのとお姉様が「また買うの」といった目で見るものだから断ったが、バスの乗り場までついて来る。今回はうまくパスできた。
パシュパティナート寺院の火葬場
パグマティー川
この後、チベット仏教の聖地であるボウダナートストパ寺院を訪れた。ここも目玉寺であるが、スワヤンブナートよりも大きい。寺の表面は、よくネパール仏教の紹介に出てくる目玉を表現した寺院で、寺院の尖塔から万国旗がなびいていた。途中から、寺の屋上に登ることができ、ここを歩いて一周できる。ちょうど夕陽が沈むところで、落ち着いた光景が広がっていた。
夕食は、ネパール民族舞踊のディナーショーを見物しながらネパール料理を食した。夜、ホテル内のバーで酒を飲み、ネパール最後の夜を楽しんだ。
ウダナートストパ寺院
ネパール民族舞踊