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化石の年代を測る手法
地層の順序から大まかに推し量る
化石の年代を特定する方法の一つとして、地層の深さを目安にする方法がある。
下記のイラストを御覧ください。
基本的に、地中深い地層のほうが、より古い年代であることが多いです。
火山灰などが降り積もり堆積物が蓄積すると、古い層は下に埋もれていきます。そのため、一般的には、最下層が最も古く、最上層が最も若いです。ただし、別の地層が貫入したり、造山運動により、層序が入れ替わることも有りえますので、あくまで目安です。
絶対的な年代を知る
地層の層序では、相対的な年代を知ることしかできません。
絶対的な年代を知るには、化石やその周辺の岩石の中にある放射性元素の量を測定します。
これを放射年代測定と言います。
カリウムーアルゴン法を例に説明します。
1955年に登場した手法で、マグマに含まれている放射性元素、カリウム40を計測します。
マグマには、カリウムが一定割合で存在します。そのうちわずか0.01%は放射性同位体のカリウム40です。
マグマである間にはその割合は変化しませんが、マグマが固まり、岩石になると、いわば新陳代謝が止まり、割合に変化が起こり始めます。
カリウム40はおよそ13億年で放射性崩壊を起こし半分になり、カルシウム40とアルゴン40に変化します。
つまり、マグマが固まり岩石になると、カリウム40は徐々に減少しはじめ、その代わりカルシウム40とアルゴン40が増え始めます。
この変化量を測定すれば、マグマが岩石になってから、現在までにどのくらいの時間が経過したか分かる、というわけです。
もっと短い年代を正確に測定するには?
カリウム40を利用した年代測定法は、半減期が13億年と非常に長いので、何億年というオーダーの年代測定には向いていますが、考古学のような、数千年という比較的短いオーダーの測定には向いていません。
その場合、炭素14年代測定法を用いることが多いです。
そもそも空気中の炭素には安定的な炭素12に加え、炭素14という放射性同位体元素がわずかに存在します。われわれ動植物は常に一定割合の炭素14を体の中に含んでいて、炭素12と炭素14の割合は一定です。
ところが、遺骸となると新陳代謝が止まり、新たに炭素12および14の取り込みが行われなくなります。そうすると、放射性元素である炭素14だけが徐々に減少していくため、この炭素14の割合を測定すれば、その動植物が活動を停止してから、どのくらいの年数が経過したのか推定できる、というわけです。
この炭素14の半減期は5730年なので、考古学資料など比較的短い期間の測定に有効に使われます。
生きている時の炭素14の量を仮に100としたとき、遺骸となって5730年後には、その半分、50になります。
さらに、その5730年後、つまり、11460年後には、その半分25になります。
ある考古学試料の炭素14を測定したところ、平均的な値の1/4以下になっていれば、およそ1万年以上経過していると推定できるというわけです。
1/1024以下になっていたとしたら、57300年(5730年の10回分)が経過していることになりますが、量があまりにも少ないので、正確な年代を見積もることが難しくなります。
したがって、炭素14年代測定法では、遺骸となって10万年以上経過している生物の化石については、用いることができません。