- 化石販売の化石セブン
- 恐竜化石に関するコラム
- ティラノサウルス
- ティラノサウルス科のみに見られる前上顎骨歯のD型形状とは?
ティラノサウルス科のみに見られる前上顎骨歯のD型形状とは?
ティラノサウルス科の恐竜(例:ティラノサウルス、タルボサウルス、アルバートサウルスなど)は、上あごの最前部に4本だけ、特別な形をした歯を持っていました。 これらの歯の断面がアルファベットの「D」のような形をしていることから、「D型前上顎骨歯(ぜんじょうがくこつし)」と呼ばれています。
この4本の歯は、他の上顎の歯とは異なり、断面がDの字形をしているのが特徴です。 ティラノサウルス科の恐竜は、獲物に噛み付いて振り回すような非常に激しい狩りを行っていたと考えられており、その際の強い負荷に耐えるために、特別に強度の高い歯の形が求められました。
その結果、上顎の前歯をD字断面にすることで、前後方向の圧力に強い構造になり、獲物に対して「点」ではなく「面」で引っ掛けるように噛み付くことができたと考えられます。また、歯が折れにくくなった効果もあったと思われます。
このD型前上顎骨歯は、ティラノサウルス科の恐竜1体に、わずか4本しかないとされ、コレクターの間では市場にほとんど出回らない非常に希少な化石として知られています。