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隕石(meteorite)への疑問・質問を徹底解明
隕石(meteorite)への疑問・質問を徹底解明
隕石の基本的な知識については、コラム「隕石とは?」をご覧ください。
隕石は重いって本当?
本当です。地球上の石の平均的な比重は2~3であるのに対し、隕石のなかで量の多い石質隕石は3.5くらいあります。持つとずっしりとした重さを感じることでしょう。
隕石から放射能が出ているって本当?
嘘ではありませんが、ごく微量で、健康上の被害の心配はありません。隕石は宇宙空間で宇宙線を浴びます。その結果、質量数26のアルミニウムなどの放射性同位体が存在し、放射能が測定されます(わたしたちの身の回りにあるアルミニウムの質量数は27です)。
地球上に一番多いのは、石質隕石?鉄質隕石?石鉄隕石?
石質隕石です。地球上には、万個単位で、隕石が落下していると推測されています。そのうち95%が石質隕石です。石質隕石の外観は、一見、地球上の岩石と見分けがつきにくいため、発見されていない石質隕石も多く、実際の割合はもっと高いと考えられています。
石質隕石の表面に観察される「つぶつぶ」はなに?
2009年にメキシコで発見された石質隕石 La Cienega(弊社売却品)
この「つぶつぶ」はコンドルール(コンドリュール)と呼ばれ、太陽系が誕生したころの原子太陽系星雲で衝撃波で瞬間的に加熱されて形成されたものです。この粒は主に、かんらん石と輝石などのケイ酸塩鉱物で構成されています。
太陽系誕生の秘密が隠されている隕石とは?
石質隕石、そのなかでもコンドルールを多く含む球粒隕石のなかに、「炭素質球粒隕石」があります。この隕石は太陽系誕生時の情報がそのまま記録されています。1969年にメキシコのアエンデに落下したアエンデ隕石が有名です。下の写真の白い部分は、アルミニウムとカルシウムを多く含むCAIといわれるものです。このCAIは地球誕生前にできた鉱物とされ、太陽系誕生の謎を解明するキーになるかもしれないと言われています。アエンデ隕石はこれまで数トン回収され、現在もなお、発見が続いています。
1969年にメキシコのアエンデに落下したアエンデ隕石(弊社売却品)
逆にコンドルール「つぶつぶ」を持たない隕石のとくちょうは?
コンドルールを持つ球粒隕石は太陽系誕生時のものであると説明しました。では、無球粒隕石(エコンドライト)は、どういったものなのでしょうか。それは、一度小さな惑星まで成長し、ふたたび衝突などで破壊された結果、散り散りになってできたものです。これを分化(ぶんか)した隕石と言います。鉄隕石や石鉄隕石も、分化した隕石です。
つまり、ある惑星にまで成長し、その核の部分が鉄隕石に、マントルの部分が石鉄隕石に、外殻の部分が石質隕石のエコンドライトに分化した、というわけです。
月から飛んできた隕石がある?
あります。1981年にアメリカの南極観測隊が、月から飛んできた隕石を発見しました。1969年のアポロ宇宙線が持ち帰った月の岩石の試料や日本の月探査機「かぐや」の試料と比較したけっか、月から飛んできた隕石があることがわかったのです。
2007年にサハラ砂漠で発見された、月の隕石(NWA 5000・弊社売却品)
隕石探索に必要な道具とは?
隕石を探索するために必要な道具は何でしょうか? まずは、磁石と金属探知器が必要です。なぜなら、ほとんどの隕石には金属鉄が含まれているので、磁石をくっつけてみると吸着する可能性があるからです。 また、鉄隕石などが地中に埋もれている場合は、肉眼では確認できないので、金属探知器があるとよいとされています。シャベルやルーペがあるとなおよいでしょう。
隕石は見つかりにくい?
隕石は宇宙から落下してきた物質です。これまで知られている隕石のうち、約3分の2は発見隕石といわれるものです(落下後かなり経ってから見つかる隕石のこと)。落下直後、すぐに隕石を発見するほうがめずらしいといえます。数世紀もの間、見つからずにその土地に存在していることもあります。もちろん隕石ハンターや科学者が発見するケースもあるのですが、必ずしもそれだけではないようで、一般の人がたまたま発見するケースも多いようです。まわりにある石たちと明らかに違う、面白い石だなと思って拾ったら、実は隕石だったということもしばしばです。
もしも、隕石を見つけたら?
もしもあなたが隕石と思われる物体を見つけたらどう行動したらよいでしょうか?拾える大きさ・重さのものであれば、素手で触らずきれいなビニール袋などで、直接手に触れない形でとりましょう。これは宇宙空間から来た隕石が、地球の物質になるべく触れないためです。
素手で触らないほうが良いと考えられているのは、隕石に未知の成分が含まれているかもしれないためです。
また、私たちの手から隕石に雑菌がつかないようにするためでもあります。
隕石が外気に触れない形で保管できたら、その後隕石の専門家に分析してもらうため、連絡をとります。
拾えない大きさ、重さのものは、むやみに動かしたりせず、すぐに専門家へ連絡とったほうが得策です。