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58ミリのジェム、必見!ティラノサウルス・レックスのシンボル!前上顎骨歯のパーフェクト標本。/【di1139】
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こちらは、ティラノサウルス・レックスの前上顎骨歯です。ティラノサウルス科の恐竜の前上顎骨歯には特別な特徴がありますが、この歯化石は指標になるような、”完全なる”前上顎骨歯と申し上げて良いでしょう。
チャックのような素晴らしいセレーション。前上顎骨歯とは文字通り、上顎の前方に生えている歯化石のことです。ティラノサウルスの前上顎骨歯には他の部位にはない特徴が多数備わっています。また一体に4本しか存在しない、非常に希少な歯化石で、ティラノサウルス科の恐竜のシンボルと言って良い存在です。
まず、この平べったい箇所が存在する点にご注目ください。これは口の内側に向いていた部分です。次の写真を見てください。
上で見た箇所は写真の下側にあります。そして、その上にぷっくりと膨らんだ丸みを帯びた部分があります。こちらが口の外側に向いている部分になります。頭の中で、ティラノサウルス・レックスの顎の中を想像しながら御覧ください。
この歯化石の保存状態は”凄まじい”と言って良いでしょう。非常に玉数が少ないティラノサウルス・レックスの前上顎骨歯。存在自体が希少なのですが、それでいてパーフェクトと言って良い保存状態。
フォルムも完璧。ザ・前上顎骨歯というべき標本です。前上顎骨歯について詳しくはコラム「ティラノサウルス科のみに見られる前上顎骨歯のD型形状とは?」を御覧ください。
一般に前上顎骨歯の断面はDの形をしている、と言われることがありますが、これまで複数の前上顎骨歯を扱ってきて、個人的には必ずしもそうだとは思いません。D型であると言われるのは、前述の通り、平べったい箇所と膨らんでいる箇所があるからで、それらが作る線がDに見えるという話です。理論的にはそうなりますが、実物は根本に近いところでは、全体的に少し丸みを帯びていてD型に見えないのが普通です。ミドルセクションでカットして断面を見れば、確かにD型であるのは明らかでしょう。ただし、正確には上下につぶれたD型というべきですが・・・。
話を保存状態に戻しましょう。こちらの写真を御覧ください。ティラノサウルス・レックスの前上顎骨歯にして、ここまで素晴らしい保存状態の歯化石をご覧になったことはあるでしょうか?エナメル質、セレーションともに最上位クラスです。
この角度から見れば、平べったい面が存在することが今ひとつ分かりにくいかもしれません。慣れた人ならば、この横から見たショットで、前上顎骨歯の可能性を感じるはずです。
そして、こちらの写真を見れば、それが確信に変わるでしょう。明らかに普通の歯化石にはない、平べったい面が存在します。これは、顎先で噛み付き、引っ掛けるフックの役割を担っていたからだと考えられています。そのような背景を知れば、前上顎骨歯が短く太いのも納得がいくことでしょう。獲物の肉や骨を噛み潰すのではなく、ひっかけて手前に呼び込むための歯化石と考えられています。平べったいのは、圧力を分散させるためでしょう。前上顎骨歯はその特性上、頻繁に使われることが多かったと思われますので、折れにくいことは重要だったのでしょう。
保存状態は一言、「最高」です。
平べったい部分だけ撮影しました。上と下の稜線にチャックのようなセレーションがびっしり並んでいます。細かいことを言えば、セレーションの質も他の部位の歯化石のそれとは少し異なるように感じます。前上顎骨歯のセレーションは左右に伸びていて、前述のように「チャック」のように見えます。予備知識なく、この歯化石を見ると、奇形のように見えるかもしれません。しかし、ティラノサウルス・レックスの前上顎骨歯とはこういうものなのです。我々人間の歯も前歯と奥歯では形が異なりますね。
下側が圧力がかかる平べったい面、上側がそれを支える分厚い部分。引っかけ方向にかかる圧力に耐える構造になっていることがよく分かります。
チャックのようなセレーションと平べったい面のアップ。きっと、この歯化石でエドモントサウルスなどを狩ってきたことでしょう。
「お~~」と唸りを上げてしまう、いかにもティラノサウルス・レックスの前上顎骨歯らしいフォルム。カーブ計測で58ミリ。前述のように、引っ掛ける目的で進化した歯化石のため、長すぎると折損しかねません。扁平面で、歯にかかる圧力を分散し、ぷっくりと膨らんだ部位で圧力に耐える構造になっています。あらゆる意味でパーフェクトな標本です。
商品スペック
商品ID | di1139 |
---|---|
年代 | 中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前) |
学名 | 58ミリのジェム、必見!ティラノサウルス・レックスのシンボル!前上顎骨歯のパーフェクト標本。 |
産地 | アメリカ・ヘルクリーク累層 |
サイズ | ロングカーブ計測5.8cm 周長6cm |
商品解説 | 58ミリのジェム、必見!ティラノサウルス・レックスのシンボル!前上顎骨歯のパーフェクト標本。 |
ティラノサウルスとは?
白亜紀の暴君、最強の恐竜、ティラノサウルスの知られざる秘密
1990年に発見された通称スーが最大の化石骨格で体長13m、推定体重は6tです。これはアフリカ象の中でもスーパーヘビー級の固体と同等かそれ以上の体重です。
異様に大きく、巨大な頭部骨格
最強の恐竜といわれるティラノサウルスは、体から比べても相当に頭部骨格が大きいことが分かっています。太くて長い歯、頑丈で大きなアゴを使い、獲物の肉を食いちぎり、噛み砕くように進化したのでしょう。これは他の獣脚類であるスピノサウルス、アロサウルス、アルバートサウルス、ディロング、タルボサウルス等と比べても、言えることです。
異様に小さい前肢
体はがっちりと巨大で、それにふさわしい後肢とかぎ爪を持っていましたが、それに比べて前肢は極端に小さいことで有名です。前肢は基本的に仮に使用していなかったのかもしれません。前肢の用途についてはさまざまな説があります。面白い説としては起き上がるときに補助的に使用した、というものがあります。
巨体を支える合理的な肢先の構造
1m近く巨大な足の甲から爪にかけての構造は非常に合理的に出来ており、6tにも及ぶ現生の巨像をはるかに超える体重をしっかりと受け止めることができました。研究者によれば、この肢の甲に構造には体重を支える特別な構造をしていたことが分かっています。
巨大な後肢は、他の獣脚類の中でも最も比率が大きいことが分かっています。巨大な頭と巨大な肢で特徴付けられるのがティラノサウルスであるといえます。
ティラノサウルスの眼
ティラノサウルスの眼は現生の肉食動物のライオンやトラと同様、前方を見据える形についていました。これはティラノサウルスは外敵が少ないハンターであったことをあらわしています。草食動物のように常に周りからの攻撃に配慮する必要がある動物の眼は左右が離れて付いています。
ティラノサウルスの嗅覚
ティラノサウルスの嗅覚は非常に発達していたと考えられています。わずかな血のにおいも見逃さなないハンターの鼻です。
画像「tyrannosaurus」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』。URL:http://ja.wikipedia.org
シカゴのフィールド博物館
ティラノサウルスの歯
ティラノサウルスの歯は非常に太く長いのが特徴です。他の獣脚類に比べてもその特徴は明確で、切り裂くというよりは噛み砕くのに適していました。歯根(歯額の中に埋まっている部分)も非常に長かったという事実がよりこの特性を裏付けています。歯茎より上、つまり見えている部分が7-8cmにも関わらず、歯茎に埋まっている部分が22-23cmという化石が実際に発見されています。
ティラノサウルスには羽毛があった?
一部の研究者によれば、ティラノサウルスは羽毛で覆われていた、という説があります。寒暖の激しい期間を乗り切るために、体を温めるために羽を持っていたというのです。また、他の説では子供のころに羽毛があったとしても、大人になれば体温が高くなることが考えられ、完全になくなっていたのではないか、というものがあります。そもそも、この羽毛論の発端は、同じ獣脚類であるコエロフィシスやディロングの羽毛の痕跡付き化石が発見されたことにあります。コエロフィシスやディロング(ファイナルファンタジーのチョコボにそっくり)はかなり小さい恐竜であることから体温を失いやすく、羽毛をまとっていたのかもしれません。そうであれば少なくともティラノサウルスの子供には羽毛が存在した可能性はあります。
ティラノサウルスの寿命は何歳?
前述の巨大化石、「ス-」を調べると、年齢は28歳であることが分かりました(骨の状態で判断が可能)。また、化石を詳しく調べると、かなり痛んだ骨であることが分かり、寿命が近いのではないかと考えられました。従いまして、ティラノサウルスの寿命は30歳前後だと推測されています。ティラノサウルスは20歳くらいまで成長し、その後、徐々に老化していきました。5歳以下の若いティラノサウルスは必ずしも最強とは言えなかったようです。
ティラノサウルスは脚が速い?遅い?
ティラノサウルスはどのくらいの速度で走ることが出来たのでしょうか。一部の研究者は時速60kmで走ることができたと主張しましたが、現在では、骨や体のバランスなどから時速30kmにも満たない速度だったと考えられています。この点からトリケラトプス。エドモントサウルスのような比較的鈍足の草食恐竜を身を潜めて待ち伏せして狩をしたのではないかと考えられます(実際にトリケラトプスの化石からティラノサウルスの噛み跡が発見されています)。またワニなども狩りの対象になったと考えられています。
ティラノサウルスの狩りは単独行動?それとも集団行動?
ティラノサウルスと同じ北米の大型獣脚類のアルバートサウルスが大人と子供の化石が同箇所で発見されたことから、獣脚類といえど、集団で狩りをしていたことが明らかになりました。このことから、ティラノサウルスもその可能性があるのではないか、と考えられています。
死肉もあさった?
ティラノサウルスの嗅覚は非常に敏感であることから、死体のにおいをかぎつけることは容易であったと考えられます。その為、死肉をあさることも決して珍しくなかったでしょう。
ティラノサウルスの起源はアジアにある
恐竜コレクターの永遠のアイドル、ティラノサウルスにも同じタイプの仲間が世界各地に沢山いました。ここで簡単に紹介しましょう。
我々日本人にとってうれしい?事実
ティラノサウルス類は実はアジアから生まれました。ティラノサウルスの仲間は中生代の白亜紀になってアジアに現れました。この頃のティラノサウルスの祖先は非常に小さく、体長3mにも満たないものでした。彼らが当時、アジアとつながっていた北米へと渡り白亜紀後期にあの超巨大獣脚類のティラノサウルスが現れることになったのは意外と知られていません。さて、そのアジアで生まれた祖先をご紹介します。
シャンシャノサウルス 体長 3m 白亜紀後期 中国
さてなぜシャンシャノサウルスはティラノサウルスの仲間と判明したのでしょうか。それは、ティラノサウルス類に共通の特徴が存在したからです。
ティラノサウルス類共通の特徴
頭部骨格の眼の後ろの部分がBの字をしている左右の鼻の骨が結合し、強固になっている
この特徴を持った恐竜が世界各地で見つかり、ティラノサウルスの仲間であると考えられています。当時世界はアフリカを除いて陸続きであったことから、アジアから北米に大きく移動していきました。移動するたびに体を大きく、白亜紀後期それも隕石衝突の直前に最も巨大化します。それが皆さんがよく知るティラノサウルス・レックスなのです。
モンゴルアリオラムス 体長 5m
タルボサウルス 体長 9m
アレクトロサウルス 体長 5m
北米 アウブリソドン体長 3m
ダスプレトサウルス 体長10m
アルバートサウルス 10m
ゴルゴサウルス 9m
実は日本にもティラノサウルスの仲間がいたといわれています。つまり、前述の特徴をもった恐竜の化石が発見されました。石川県白山市でただ1本の歯が発見されています。
ティラノサウルスとスピノサウルス、いったいどっちが強いのか?
ティラノサウルス科最強の証、D型歯の秘密
ティラノサウルスの頭部はどれくらい大きかったの?
人間の男性と比較!あなたは大きいと感じますか?それとも・・・。