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ムオニナルスタ(Muonionalusta)鉄隕石スライス標本 - 約100万年前にスウェーデンで落下した、ウィドマンシュテッテン構造が美しい逸品/【ot3828】
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ムオニナルスタ(Muonionalusta)鉄隕石スライス標本 - 約100万年前にスウェーデンで落下した、ウィドマンシュテッテン構造が美しい逸品/【ot3828】
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こちらは、スウェーデン国境近くで採集された鉄隕石、ムオニオナルスタです。ムオニオナルスタという名前は、この隕石が最初に発見された場所である、スウェーデンとフィンランドの国境付近に流れるムオニオ川に由来しています。この隕石は、約100万年前に地球に衝突した非常に古いものであることが分かっています。地球に落下してからは何度も氷河期を経ており、最初に発見された際も、氷河の中から見つかりました。
こちらの標本は表面を丁寧に研磨してあり、ウィドマンシュテッテン構造が見られます。この独特の構造は、鉄隕石の結晶中に見られ、非常にゆっくりと冷却された結果だと考えられています。通常、鉄が冷却されると、このような大きな結晶にはならず、細粒になります。詳しくはコラム「ウィドマンシュテッテン構造とはなにか?」を御覧ください。
ムオニオナルスタ隕石には、ステショバイトと呼ばれる高圧によって変質した石英の一種が含まれていることが確認されています。これは隕石が何らかの大きな衝突を経験したことを示唆しており、2010年の研究ではその衝突が数億年前に起こった可能性があるとされています。これらのことから、ムオニオナルスタ隕石はかつて大きな天体の中心部に存在していたが、何らかの衝突によって宇宙空間に放り出され、奇跡的な確率で地球に落下したと推察されます。
見事なウィドマンシュテッテン構造は、ゆっくりと冷却されることによって形成される大結晶が特徴です。鉄隕石、特にニッケルを一定程度含む標本で見られる傾向にあります。ウィドマンシュテッテン構造は、鉄とニッケルの合金であるテーナイトとカマサイトから成り立っています。隕石を切断し、研磨した後に酸を加える(※)と、ニッケル含有量が多いテーナイトは酸の影響を受けにくく、鉄が多いカマサイトが浮き上がります。テーナイトは金属光沢を持ち、明るい銀白色を呈し、カマサイトは鉄が主成分であるため酸によって変質し、黒く見えます。※「酸エッチング(acid etching)」とは、金属や鉱物、隕石などの表面に酸を塗り、特定の構造や組成を視覚的に浮かび上がらせる手法です。鉄が多いほど酸に強く反応し、両者の境界線がより明瞭に現れます。
一般的に、地上では低圧環境にあるため、鉄が高温になった後、ゆっくりと冷却されることはなく、このようなウィドマンシュテッテン構造は形成されません。この構造は、天体内部の過酷な条件下、例えば隕石が惑星や小惑星の内部で冷却される過程で見られるものです。
厚みは約3ミリほどあります。
左右59ミリほどあります。
100円玉との比較。見事なウィドマンシュテッテン構造が現れたスウェーデン産の、約100万年前に落下した鉄隕石、ムオニオナルスタのスライス標本です。
商品スペック
商品ID | ot3828 |
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学名 | ムオニナルスタ(Muonionalusta)鉄隕石スライス標本 - 約100万年前にスウェーデンで落下した、ウィドマンシュテッテン構造が美しい逸品 |
産地 | Sweden |
サイズ | 5.9cm×3.1cm×厚0.3cm 48g |
商品解説 | ムオニオナルスタ(Muonionalusta)鉄隕石スライス標本 - 約100万年前にスウェーデンで落下した、ウィドマンシュテッテン構造が美しい逸品 |
隕石とは?
隕石(meteorite)はギリシャ語のmeteoron(空中のもの、天上のもの)に由来します。
また、隕石の「隕」は「高いところ(空)から 落ちてくる」という意味で 「隕石=高いところから落ちてくる石」です。
では隕石は何処からやってくるのでしょう?
端的にいえば、隕石は地球以外の天体のかけらなので宇宙空間から落ちてきますが、映画にもなったあの「はやぶさ」(宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機 )が小惑星「イトカワ」で採取した微粒子を調べた結果、隕石の起源が小惑星であることが判明しました。
小惑星は、多くが火星と木星の軌道の間にあって太陽のまわりを公転しているたくさんの小さな天体です。この小さな天体は45?46億年前の太陽系の誕生時に残った岩の残骸とされています。その為、小惑星を起源とする隕石は、惑星の誕生や進化などの貴重な情報源といわれています。
隕石は主に金属鉄(Fe)と珪酸塩鉱物からなり、 その比率で大きく3つに分類されます。
- 石質隕石(stony meteorite)全隕石の約90%にあたる。主要鉱物は「かんらん石(olivine)」「輝石(pyroxene)」「ニッケルと鉄の合金」で、「かんらん石」と「輝石」は地球の岩石にもみられる鉱物ですが、「ニッケルと鉄の合金」は地球の岩石にはみられない鉱物です。
- 鉄隕石(iron meteorite) 全員石の約5%にあたるのが鉄隕石(iron meteorite)で別名、隕鉄ともよばれています。主成分はニッケルと鉄の合金で、結晶構造の異なるカマサイトとテーナイトという鉱物を含みます。構造的分類では、ニッケルの含有量よりの3種類に分けられます。
- 石鉄隕石(stony-iron meteorite) 全隕石の約1%とたいへん少なく貴重な石鉄隕石(stony-iron meteorite)は、ほぼ同じ量の鉄ーニッケルの合金と珪酸塩鉱物からなり主にパラサイト(pallasite)とメソシデライト(mesosiderite)に分類されます。
石質隕石(stony meteorite)
その1つが、全隕石の約90%にあたる石質隕石(stony meteorite)です。 石質隕石の主要鉱物は「かんらん石(olivine)」「輝石(pyroxene)」「ニッケルと鉄の合金」で、「かんらん石」と「輝石」は地球の岩石にもみられる鉱物ですが、「ニッケルと鉄の合金」は地球の岩石にはみられない鉱物です。
この「ニッケルと鉄の合金」は、内部に金属の粒があるため磁石にくっつきます。
石質隕石は、丸い小さな粒(コンドリュール)を含む「コンドライト」と含まない「エイコンドライト」に分類されるのですが、「エイコンドライト」は「ニッケルと鉄の合金」の割合は少なく含まないものもあり、磁石にくっつかないものもあるようです。
丸い小さな粒のコンドリュール(chondrule)はギリシャ語の『粒』を意味するコンドロス(chondoros)に由来し、太陽系形成時に溶融状態で宇宙空間を漂いながら固まった球状の粒子で、かんらん石と輝石を主成分としています。このコンドリュールを含むコンドライトは太陽系の形成を調べる上でとても重要な隕石になります。
エイコンドライトは、一度融けて分化した天体の石質のみが残ったもので『分化した隕石』や『惑星の地殻』とよばれ、地球の火山岩で最も多い玄武岩に組織や構造などが似ているといわれています。
鉄隕石(iron meteorite)
全員石の約5%にあたるのが鉄隕石(iron meteorite)で別名、隕鉄ともよばれています。主成分はニッケルと鉄の合金で、結晶構造の異なるカマサイトとテーナイトという鉱物を含みます。構造的分類では、ニッケルの含有量よりの3種類に分けられます。
「ヘキサヘドライト(hexahedrite)」「オクタヘドライト(octahedrite)」「アタキサイト(ataxite)」です。
鉄隕石のなかで最も一般的なのが「オクタヘドライト」です。ニッケルの含有量が6.5?13%で、とても長い時間(約100万年)かけて冷却されて出来た特徴的な模様のウィドマンシュテッテン構造がみられます。※ウィドマンシュテッテン構造はエッチング処理をしないとみれません。)
ヘキサヘドライトはニッケル含有量が4.5?6.5%でノイマラインという細い平行線がみられます。アタキサイトはニッケル含有量が13%以上で明確な内部構造をもたない隕石といわれています。60tもある世界最大のナミビアのボバ隕石が、このアタキサイトです。
これまでに発見された巨大隕石は全てこの鉄隕石で、どの隕石よりも大きく重く、また丈夫で風化や破砕に強い隕石です。地球の核の成分と似ているため他の星の核が壊れた破片と考えられています。
約5000年前、空から落ちて来た鉄隕石を発見した古代エジプト人は鉄は宇宙からくると考えていたようです。そして農機具を作る材料などに加工して利用していたと思われます。
石鉄隕石(stony-iron meteorite)
全隕石の約1%とたいへん少なく貴重な石鉄隕石(stony-iron meteorite)は、ほぼ同じ量の鉄ーニッケルの合金と珪酸塩鉱物からなり主にパラサイト(pallasite)とメソシデライト(mesosiderite)に分類されます。
パラサイトは、かんらん石(珪酸塩鉱物)と鉄ーニッケルの合金からなります。1772年、ドイツの博物学者ペーター・ジーモン・パラス(Peter Simon Pallas)が珍しい石(当時は隕石とは知られていなかった石=パラサイト)を採取しました。その後、同じ組成構造の岩石がみつかり始め、その石はパラスの名前をとってパラサイトと名付けられました。
メソシデライトは、輝石・斜長石など異なる鉱物(珪酸塩鉱物)と鉄ーニッケルの合金からなり、語源は、古代ギリシャ語の「中間」を意味するmesoに「隕鉄」を意味するsideriteにつけられたものです。
石鉄隕石は、太陽形成後にできた惑星が衝突などで破壊されたものと考えられています。
流れ星と隕石
空から降ってくる流れ星と隕石の違い、分かりますか?流れ星、正式には「流星」といいます。
流星は、宇宙の小さなチリが大気の摩擦によって燃えたものです。この小さなチリは主に彗星から生まれたものです。
この流星のなかで最も明るいものを「火球」といいます。そして、この火球の中で大気中で燃えきらず地上に落ちていくのが「隕石」です。
簡単にいえば、流星は彗星を起源としていて、隕石は小惑星を起源としています。
(※でも中に小惑星を起源とした流星があるともいわれています)
テクタイト(tektite)
テクタイトは隕石の衝突いよって作られる天然ガラスで語源はギリシャ語の「溶けた」を意味するketosからきています。
成分は地球の岩石と同じで隕石ではありません。 形状は円形や卵形など様々で色も黄白色から黒色までと様々です。 隕石が燃えながら大気中に突入してくると、衝突したところは一気に高温となり近くにあった岩石などが溶け飛び散ります。飛んでる間に溶けた岩石などが冷え、ガラス質になって固まり再び地上に落ちたものがテクタイトと考えられています。テクタイトは衝突クレーターの位置に関連して広く分布しています。
クレーター(crater)
クレーターは、円形の凹んだ地形でギリシャ語のボウル、椀、コップなどを意味するkraterに由来し
1609年、ガリレオ・ガリレイが月面の多数の凹みを発見し名付けました。確認されている最初のクレーターはアメリカのアリゾナ砂漠にある「メテオクレーター」です。
「バリンジャー・クレーター」や「バリンジャー隕石孔」などとも呼ばれています。
直径約1.2?1.5㎞、深さ約170mの大きさのクレーターで、約5万年前に30万t以上の隕石が時速約72万kmで衝突して出来た跡です。この様な隕石の衝突が確認された場所は大きなものだけでも世界中に160ヶ所以上もあるといわれています。日本で初めて確認された唯一の隕石クレーターは「御池山(おいけやま)クレーター」です。長野県の南アルプス南部の御池山付近に位置しています。
約2?3万年前に直径約45mの隕石が衝突したと推測され、大きさは直径約900mで現在残っているのは全体の40%です。
米国アリゾナ州のRoute66付近の隕石クレーター