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人智を超えた途方も無く長い旅を経て貴方のもとに・・・。なんと945グラムに達する、ヘビー級鉄隕石、カンポ・デル・シエロ(Campo del Cielo)の塊/【ot2761】
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こちらは945グラムに達する、非常に大きな鉄隕石、カンポ・デル・シエロです。発表するといつも多数のお問い合わせをいただく、人気のアイテムです。独特の深い穴をいくつも有した状態の良い標本です。1kg近いヘビー級の個体でしか味わえない、驚くべき重量感。見た目は石ですが、持った手にかかる圧力は金属そのものです。それもそのはず、石の平均的な比重は3強なのに対して鉄は8弱。鉄隕石をはじめて手に持った「あの瞬間」はオーナーの特権と言えます。
カンポ・デル・シエロは代表的な鉄隕石の一つです。隕石は鉄の含有量に応じて、3つに大別されます。鉄が多い方から鉄隕石(隕鉄)、石鉄隕石、石質隕石となります。その組成の違いはその隕石の起源と強い関連がありますが、その話は後ほど。さて、カンポ・デル・シエロは16世紀にはその存在を現地の人々に知られていたようです。というのも現地には100m近い巨大なクレーターが存在しているだけでなく、伝承として、落下の様子が伝えられているのです。およそ5000年前に落下したと推定されており、その姿を当時の人々が目撃した可能性も否定できません。100メートル近いクレーターを作るほどの隕石であれば、人々の生活に大きな影響を与えたことでしょう。その衝撃的な出来事を伝承として伝え続けてきたのかもしれませんね。
光があたるとご覧のように金属光沢が現れます。そのほとんどが鉄などの金属でできています。
このように独特の凹凸を多数有しています。大型の鉄隕石ほど、こういった穴をはっきりと確認することができます。成分の微妙に違いにより、融点が低いほうから優先的に溶けた結果と考えられます。隕石が地球の大気圏に突入すると、前方の押しつぶされた空気中の分子が衝突することで大変な熱が生じます。
隕石の存在は一般に認知されるようになったのは、ごく最近のことなのです。現在からおよそ200年前までは「隕石は宇宙から落下したものです」と論を張れば奇人・変人と思われたことでしょう。ドイツの科学者、グラド二が1974年に「流れ星の正体は宇宙から飛来した石が大気圏に突入して燃えている姿だ。それが地表に落下したものこそが隕石なのだ」と明らかにして、はじめて、隕石の存在が一般に知られるようになったのです。翻ってカンポ・デル・シエロは、16世紀には伝承ではあるもの、現地の人々によって火球として認識されていたのは興味深いですね。エビデンスとして確立される前に、すでに現存していた事実を科学を以て追認したに過ぎなかったとも言えます。有史が始まった頃の出来事が、人々の言葉を通じて伝えられてきたことに感動さえ覚えます。
まさに伝説的な隕石であるカンポ・デル・シエロですが、いったいどこから飛来してきたと思いますか。カンポ・デル・シエロに限りませんが、隕石の多くは火星と木星の中間軌道上にある小惑星ベルトから飛来したと考えられています。ベルトというぐらい、無数の小惑星が存在します。小惑星同士の衝突によってえぐり出された一部が重力を脱し、より大きな軌道に乗り、繰り返し周回していたなか地球に衝突した、いや隕石の進行方向にたまたま地球があったというべきでしょうか。まさに天文学的な確率で地球と出会ったのです。この隕石の周回軌道は一つではなく、様々なラインが存在します。
小惑星ベルトから飛来して地球に到達するまで、どのくらいの時間が経過していたか知りたいところですね。カンポ・デル・シエロについてははっきりと分かっていませんが、少なくとも人の一生では計測できない、途方も無いタイムスケールであることは間違いありません。恐竜の絶滅の誘因とされる、ユカタン半島に落下したあの巨大な隕石は、およそ1億年の時を経て、地球に到達したことが分かっています。私はこの事実を知った時、しばらく呆然としてしまいました。地球の年齢は46億年とされますが、直近1億年で恐竜が絶滅し哺乳類が台頭し多様に進化し、類人猿が誕生しました。1億年というのは信じられないほど長い時間です。およそ1億6000万年前(ジュラ紀)に小惑星ベルトから抜けた直径10kmに及ぶ巨大な隕石がジュラ紀の一部と白亜紀のすべての期間を通じて宇宙空間を浮遊し、6600万年前に地球に激突したのです。詳しくはコラム「恐竜はなぜ絶滅したのか?」を御覧ください。
深い凹部を撮影。優先的に融解した部分です。
鉄隕石は小惑星の中心部に起源を持つとされます。ある程度のサイズを持つ天体は中央により重たい物質が集まっています。地球では地殻(比重3g/cm2)、マントル(3.3g/cm2)、中心核(11g/cm2)となっています。仮にかつてカンポ・デル・シエロがその一部だった天体も似たような構造と組成であったとすれば、中心核付近の一部だったと考えるのが妥当というわけです。
およそ10センチ近い極めて立派な鉄隕石です。指でつまもうとしてはいけません。あなたのピンチ力がクライマーレベルでも苦戦するほど重さです。
100円玉との比較。とてつもない長旅の末、宇宙から飛来した鉄の塊、そしてロマンの塊でもあります。人智では推し量れない悠久の時間に思いを馳せてみませんか。
カンポ・デル・シエロの起源を図解で解説しています。小惑星ベルトにあるとある天体の中心核に起源を持つとされます。※一般にある程度の大きさ(重さ)を持つ天体は、中心部に鉄などの重たい物質が集まります。そのほとんどが鉄で構成されているカンポ・デル・シエロの起源も中心核にあったと考えられるのです。
商品スペック
商品ID | ot2761 |
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学名 | 人智を超えた途方も無く長い旅を経て貴方のもとに・・・。なんと945グラムに達する、ヘビー級鉄隕石、カンポ・デル・シエロ(Campo del Cielo)の塊 |
産地 | Argentina |
サイズ | 9.7cm×7.5cm×5cm 945g |
商品解説 | 人智を超えた途方も無く長い旅を経て貴方のもとに・・・。なんと945グラムに達する、ヘビー級鉄隕石、カンポ・デル・シエロ(Campo del Cielo)の塊 |
隕石とは?
隕石(meteorite)はギリシャ語のmeteoron(空中のもの、天上のもの)に由来します。
また、隕石の「隕」は「高いところ(空)から 落ちてくる」という意味で 「隕石=高いところから落ちてくる石」です。
では隕石は何処からやってくるのでしょう?
端的にいえば、隕石は地球以外の天体のかけらなので宇宙空間から落ちてきますが、映画にもなったあの「はやぶさ」(宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機 )が小惑星「イトカワ」で採取した微粒子を調べた結果、隕石の起源が小惑星であることが判明しました。
小惑星は、多くが火星と木星の軌道の間にあって太陽のまわりを公転しているたくさんの小さな天体です。この小さな天体は45?46億年前の太陽系の誕生時に残った岩の残骸とされています。その為、小惑星を起源とする隕石は、惑星の誕生や進化などの貴重な情報源といわれています。
隕石は主に金属鉄(Fe)と珪酸塩鉱物からなり、 その比率で大きく3つに分類されます。
- 石質隕石(stony meteorite)全隕石の約90%にあたる。主要鉱物は「かんらん石(olivine)」「輝石(pyroxene)」「ニッケルと鉄の合金」で、「かんらん石」と「輝石」は地球の岩石にもみられる鉱物ですが、「ニッケルと鉄の合金」は地球の岩石にはみられない鉱物です。
- 鉄隕石(iron meteorite) 全員石の約5%にあたるのが鉄隕石(iron meteorite)で別名、隕鉄ともよばれています。主成分はニッケルと鉄の合金で、結晶構造の異なるカマサイトとテーナイトという鉱物を含みます。構造的分類では、ニッケルの含有量よりの3種類に分けられます。
- 石鉄隕石(stony-iron meteorite) 全隕石の約1%とたいへん少なく貴重な石鉄隕石(stony-iron meteorite)は、ほぼ同じ量の鉄ーニッケルの合金と珪酸塩鉱物からなり主にパラサイト(pallasite)とメソシデライト(mesosiderite)に分類されます。
石質隕石(stony meteorite)
その1つが、全隕石の約90%にあたる石質隕石(stony meteorite)です。 石質隕石の主要鉱物は「かんらん石(olivine)」「輝石(pyroxene)」「ニッケルと鉄の合金」で、「かんらん石」と「輝石」は地球の岩石にもみられる鉱物ですが、「ニッケルと鉄の合金」は地球の岩石にはみられない鉱物です。
この「ニッケルと鉄の合金」は、内部に金属の粒があるため磁石にくっつきます。
石質隕石は、丸い小さな粒(コンドリュール)を含む「コンドライト」と含まない「エイコンドライト」に分類されるのですが、「エイコンドライト」は「ニッケルと鉄の合金」の割合は少なく含まないものもあり、磁石にくっつかないものもあるようです。
丸い小さな粒のコンドリュール(chondrule)はギリシャ語の『粒』を意味するコンドロス(chondoros)に由来し、太陽系形成時に溶融状態で宇宙空間を漂いながら固まった球状の粒子で、かんらん石と輝石を主成分としています。このコンドリュールを含むコンドライトは太陽系の形成を調べる上でとても重要な隕石になります。
エイコンドライトは、一度融けて分化した天体の石質のみが残ったもので『分化した隕石』や『惑星の地殻』とよばれ、地球の火山岩で最も多い玄武岩に組織や構造などが似ているといわれています。
鉄隕石(iron meteorite)
全員石の約5%にあたるのが鉄隕石(iron meteorite)で別名、隕鉄ともよばれています。主成分はニッケルと鉄の合金で、結晶構造の異なるカマサイトとテーナイトという鉱物を含みます。構造的分類では、ニッケルの含有量よりの3種類に分けられます。
「ヘキサヘドライト(hexahedrite)」「オクタヘドライト(octahedrite)」「アタキサイト(ataxite)」です。
鉄隕石のなかで最も一般的なのが「オクタヘドライト」です。ニッケルの含有量が6.5?13%で、とても長い時間(約100万年)かけて冷却されて出来た特徴的な模様のウィドマンシュテッテン構造がみられます。※ウィドマンシュテッテン構造はエッチング処理をしないとみれません。)
ヘキサヘドライトはニッケル含有量が4.5?6.5%でノイマラインという細い平行線がみられます。アタキサイトはニッケル含有量が13%以上で明確な内部構造をもたない隕石といわれています。60tもある世界最大のナミビアのボバ隕石が、このアタキサイトです。
これまでに発見された巨大隕石は全てこの鉄隕石で、どの隕石よりも大きく重く、また丈夫で風化や破砕に強い隕石です。地球の核の成分と似ているため他の星の核が壊れた破片と考えられています。
約5000年前、空から落ちて来た鉄隕石を発見した古代エジプト人は鉄は宇宙からくると考えていたようです。そして農機具を作る材料などに加工して利用していたと思われます。
石鉄隕石(stony-iron meteorite)
全隕石の約1%とたいへん少なく貴重な石鉄隕石(stony-iron meteorite)は、ほぼ同じ量の鉄ーニッケルの合金と珪酸塩鉱物からなり主にパラサイト(pallasite)とメソシデライト(mesosiderite)に分類されます。
パラサイトは、かんらん石(珪酸塩鉱物)と鉄ーニッケルの合金からなります。1772年、ドイツの博物学者ペーター・ジーモン・パラス(Peter Simon Pallas)が珍しい石(当時は隕石とは知られていなかった石=パラサイト)を採取しました。その後、同じ組成構造の岩石がみつかり始め、その石はパラスの名前をとってパラサイトと名付けられました。
メソシデライトは、輝石・斜長石など異なる鉱物(珪酸塩鉱物)と鉄ーニッケルの合金からなり、語源は、古代ギリシャ語の「中間」を意味するmesoに「隕鉄」を意味するsideriteにつけられたものです。
石鉄隕石は、太陽形成後にできた惑星が衝突などで破壊されたものと考えられています。
流れ星と隕石
空から降ってくる流れ星と隕石の違い、分かりますか?流れ星、正式には「流星」といいます。
流星は、宇宙の小さなチリが大気の摩擦によって燃えたものです。この小さなチリは主に彗星から生まれたものです。
この流星のなかで最も明るいものを「火球」といいます。そして、この火球の中で大気中で燃えきらず地上に落ちていくのが「隕石」です。
簡単にいえば、流星は彗星を起源としていて、隕石は小惑星を起源としています。
(※でも中に小惑星を起源とした流星があるともいわれています)
テクタイト(tektite)
テクタイトは隕石の衝突いよって作られる天然ガラスで語源はギリシャ語の「溶けた」を意味するketosからきています。
成分は地球の岩石と同じで隕石ではありません。 形状は円形や卵形など様々で色も黄白色から黒色までと様々です。 隕石が燃えながら大気中に突入してくると、衝突したところは一気に高温となり近くにあった岩石などが溶け飛び散ります。飛んでる間に溶けた岩石などが冷え、ガラス質になって固まり再び地上に落ちたものがテクタイトと考えられています。テクタイトは衝突クレーターの位置に関連して広く分布しています。
クレーター(crater)
クレーターは、円形の凹んだ地形でギリシャ語のボウル、椀、コップなどを意味するkraterに由来し
1609年、ガリレオ・ガリレイが月面の多数の凹みを発見し名付けました。確認されている最初のクレーターはアメリカのアリゾナ砂漠にある「メテオクレーター」です。
「バリンジャー・クレーター」や「バリンジャー隕石孔」などとも呼ばれています。
直径約1.2?1.5㎞、深さ約170mの大きさのクレーターで、約5万年前に30万t以上の隕石が時速約72万kmで衝突して出来た跡です。この様な隕石の衝突が確認された場所は大きなものだけでも世界中に160ヶ所以上もあるといわれています。日本で初めて確認された唯一の隕石クレーターは「御池山(おいけやま)クレーター」です。長野県の南アルプス南部の御池山付近に位置しています。
約2?3万年前に直径約45mの隕石が衝突したと推測され、大きさは直径約900mで現在残っているのは全体の40%です。
米国アリゾナ州のRoute66付近の隕石クレーター