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秋吉台科学博物館
フズリナ化石
フズリナ化石は秋吉石灰岩の出来た時代を決める示準化石として最も重要なものです。研究ももっとも進んだ化石で、秋吉台からだけでも150種以上のものが報告されています。
定方向の進化の道筋がはっきりしていて、系統図も作られています。一般的な傾向として、小さい種から大きな種へと、単純な構造した種から複雑な殻を持つ種へと進化して行きます。単細胞の原生動物で、下等な動物ですが、単細胞とは思えないような複雑な殻を作ります。
フズリナは古生代の終わりとともに、絶滅し地球上からいなくなりました。
古生代の石炭紀中期に小型有孔虫の中から進化し、爆発的にふえ、世界中から産出します。そして二畳紀の終わりには絶滅しましたので、約1億年間生存したことになります。この間に約100属3600種もの種類のフズリナが出現します。
このように短期間の間にたくさんの種類のフズリナに進化し、世界中から同じものが出てくるので、地層の比較を細かく行うことが出来ます。生物の進化を利用して決める化石帯の比較研究には、フズリナ化石はもっとも適しているのです。同時に、フズリナ化石は大変複雑な殻を持っていますので、分類して進化の道筋を研究する上からもたいへん優れた化石です。フズリナは有孔虫の仲間で、原生動物に属する動物です。形は円盤形、亜球型、球型、短紡錘型、長紡錘型、円筒型へと変化し進化します。
フズリナ類は外洋性の暖かい浅い海に棲み、低生であったと考えられています。幼虫期の状態から一時期には浮遊生活をしたはずです。
秋吉台ではサンゴやこけ虫と一緒に密集して産出する事はありませんので、別の場所で生存していたはずです。サンゴ礁の内側の礁湖と呼ばれる波の静かな部分で生活して、死ぬとたくさんのフズリナが海岸縁に寄せ集まり、フズリナ石灰岩を作りました。
サンゴ化石
サンゴはなんといってもサンゴ礁の主役です。秋吉台の出来た時代のサンゴはすべて四放サンゴの仲間。現在のサンゴは六放サンゴの仲間。四放サンゴは古生代の終わりの生物の大量絶滅で絶滅する。現在の六放サンゴは中生代に入って出現した。
サンゴには単体のものと群体のものがあり、個体と群体はいろいろな形のものが知られる。四放サンゴは比較的大型の個体のものが多く、太古のサンゴ礁を彩っていたはず。秋吉台からはまだ50種類以下しか報告されていないが、たくさんの新種があることが分かっている。秋吉台のように大洋のまっただ中で出来たサンゴ礁は外国ではほとんどないことから、秋吉のサンゴは秋吉固有のものが多くいたと考えられるからである。こけ虫化石
こけ虫
こけ虫は1mmぐらいのたいへ小さい虫ですが、それがたくさん集まって群体になり、環境に適応していろいろな形に変化し、たいへん大きな群落を形成したことが博物館の調査で分かりました。
こんな生物礁はこけ虫礁と呼ばれています。こけ虫はひとつの種の生存期間が長いものが大半ですので、フズリナ化石やサンゴ化石のように時代を決める示準化石にはなりません。しかし、環境に敏感に反応して形を変えるために、環境を知る示相化石としたはたいへん重要です。腕足類・巻貝・二枚貝
腕足類 今の海にいる二枚貝とよく似ていますが、二枚に殻の大きさが異なり、全然違うグループになります。古生代には腕足類はたくさんいましたが、二枚貝は希でした。巻貝 巻貝は現在のものとほとんど同じですが、現在ほど多くはいなかったし、比較的小型のものが多かったようでチャネルのような特殊な環境にだけいたようです。
二枚貝
二枚貝は現在、海にたくさんいる巻貝とともに大繁栄をしていますが、古生代にはほんの僅かにいただけで、化石を見つけることは困難です。腕足類と区別することもたいへんです。古生代のものは単殻類に属するものがほとんどです。アンモナイト・三葉虫
アンモナイトと三葉虫は化石の中の化石で有名。
アンモナイトは古生代のものはゴニアタイトの仲間。中生代にもっとも栄え、恐竜とともに絶滅。気房を持っていたので、水中を自由に動き回ることも出来たものもいたし、ほぼ低生のものもいたと推定されている。生きた化石として有名なオウム貝に近いとされる。
古生代の終わりに絶滅した三葉虫は、カブトガニによくにた動物で、泥を食べ泥の中で生活するものが多いとされていたので、秋吉台からはでないと考えられていたが、密集して産出するところもあることが分かった。海ゆり・コノドント
海ゆりはユリの花のように海底に根をはった植物のような動物で、棘皮動物に属す。
個体はたくさんの石版からなり、死後はバラバラになりやすい。現在の海にもいるが有柄グループは深海底のみにいる。
秋吉台ではサンゴ礁の前礁部のたいへん波の強いところを好んだとされる。特に石炭紀の石灰岩には密集して産し、海ゆり石灰岩と呼ばれる。
コノドントは1mm前後の大きさで複雑でいろいろな形をしたリン酸カルシュウムからできた歯のようの化石。
ある動物の(絶滅種)一器官を集合体として作っていたとされる。
酢酸で石灰岩を溶かし、残砂の中から顕微鏡でさがす。形の基本型はスプーン型と複歯型とツノ型である。中生代の中ごろの地層まで産出する。時代を決める示準化石としてたいへん貴重で、秋吉台最古の化石はこのコノドント化石から時代が決定されている。
石灰藻類・その他・岩相
石灰藻類は秋吉古サンゴ礁に一番たくさんいた生物で、サンゴ礁の食糧連鎖の一番底辺を支えていたとされる。たくさんの種類がいたことが考えられるが、続性作用の石灰化の課程で組織が不鮮明になることが多く、研究できないものも多い。大半は石灰泥の元になったと考えられている。
石灰泥はサンゴ礁の中央部の波の静かな所で堆積していったとされる。
石灰岩の面つきは岩相と言われ、堆積環境に対応した岩相が形成される。石灰岩を岩相から分類した研究は、フォーク(1959)のものが有名で、広く利用されています。波の強いところでは、化石などの粒子の間には透明方解石が沈殿しセメンとされます。しかし、波の静かなところでは石灰泥がだんだんおおくなり、最後のたいへん静かなところでは泥がほとんどを示めます。透明方解石と石灰泥が占める割合と、生物化石遺骸やその破片の粒子の占める割合などを加味し、分類した体系です。
サンゴ礁のどの部分にある種のタイプの石灰岩が出来るというように決めて行くこともできます。秋吉台のサンゴ礁の研究は、元秋吉台科学博物館長の太田正道博士により行われました。博士により秋吉台のサンゴ礁は、中期石炭紀には環礁と呼ばれるサンゴ礁になっていたことが証明されています。環礁は現在、大洋のど真ん中に出来る丸い形をしたもので、サンゴ礁の中でももっとも形の奇麗なサンゴ礁で、完成度の高いサンゴ礁と考えられています。ストロマトライト・ケーテテス
両方の化石ともサンゴ礁の波の一番強いリーフエッジを作り、サンゴ礁を大洋の荒波から守る働きをして、造礁生物としてはもっとも重要であった。ストロマトライトはたいへん有名な化石で、シアノバクテリアなどが残した生活遺物で、化石の骨格そのものではない。シアノバクテリアの仲間は、この地球に最初に出現した生物であるとともに、光合成の機能を持った最初の生物で、酸素を作る極めて重要な働きをする。ストロマトライトの化石は原生代の古い石灰岩の中にもたくさん含まれる。
ストロマトライトは現在、オーストラリアのハリメンプールなど塩分濃度の極めて高い特殊な環境下で、わずかに残っているだけである。原生代の世界中の地層の中にはたくさんあり、原始地球の二酸化炭素を石灰岩に変え空気を作ったとされる。環境により形を変えたようで、マット状のものからドーム状のものまで知られる。
ケーテテスは現在海綿類の仲間とされる説が有力だが、ちょっと前まで床板サンゴの仲間と考えられていた。今も分類上位置がはっきりしているとは言いがたい。古生代の終わりにすべて絶滅している。秋吉台では中部石炭紀のみに多産する。形は環境により大きく変化する。種はたいへん少ないとされる。
インフォメーション
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