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生痕化石
生痕化石とは、生物の体そのものではなく、生物が活動した痕跡、たとえば足跡や摂食の跡、糞などが化石として発見される場合がある。これを生痕化石という。
生物本体の化石に比べると、地味であり、面白みもないように思われるが、化石本体がその形を伝える一方で、活動の様子を復元するのが困難なのに対して、生痕化石はそれを補うものである。形態だけでは理解困難な構造が、生痕化石との比較でその役割が明らかになる場合もままある。
たとえば、恐竜がどのような活動をしていたかについては多くの論がある。かつては大型恐竜は体重を支えるために半水中生活であったとの説があったが、陸上を活発に活動したと判断できる足跡化石の発見は、大きな影響を与えた。
また、生物体の化石は、そこにその生物がいた証拠とは必ずしも見なせない。死んで運ばれてきたものが化石になる場合は珍しくないからである。しかし、生痕化石は、確実にその生物がそこで活動していたことの証拠となる。ただし、現在ではプレートの移動が知られているから、生痕化石の発見場所が過去にもその地点であったとは言い切れない。
代表的な生痕化石としては以下のようなものがある。
巣穴:
特に砂や泥の海底に巣穴を掘って生活している、ゴカイやカニ、アナジャコなどの底性動物の巣穴は、多数が集まって発見されることがある。
這い跡:海底の静かな泥表面を動物がはい回った跡が化石として出るもの。ゴカイのような動物ならば、のっぺりとした溝のような跡が残るが、三葉虫の這い跡は、腹面左右に並ぶ足が泥表面を掻いた跡が残る。他に、泥に潜って触手を外に伸ばした跡が残る例もある。
足跡:
足を使って歩く動物の足跡である。恐竜の足跡が有名。ウミサソリが水中から陸に出た足跡、というのもあり、動物の上陸の瞬間などといわれる。
糞化石:
糞が化石として出るもの。食性を直接に知る手がかりになる。
一部引用 「生痕化石」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。URL: http://ja.wikipedia.org