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カンブリア紀の一風変わった生物、三葉虫であって三葉虫ではない?異質の存在、ペロノプシス(Peronopsis interstrictus)の上質化石/【tr990】
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こちらは人気を博しております、古生代カンブリア紀の三葉虫、ペロノプシスの化石です。輪郭が明瞭でその姿がよく分かる標本です。
母岩のやや右側に本体が居ます。
ご覧のように母岩をつまんだ指と本体を比較すると、その小ささが分かります。ペロノプシスは極めて小さな三葉虫で、成体でも1センチに達するものはほとんどありません。大半は1センチ未満で、5ミリ程度の個体も多く見られます。古生代カンブリア紀の三葉虫のなかには、数十センチを超えるものも居るなか、ペロノプシスの小ささは際立っていると言えます。
ペロノプシスの異質さは大きさにとどまりません。三葉虫のシンボル的部位である眼を持たないのです。三葉虫は眼を生物史のとても早い時期に獲得した生物です。レンズを多数備えた複眼をご覧担ったことがある方も多いと思います。ペロノプシスのその眼を持っていないのです。
こちらは裏面です。カンブリア紀の上質な三葉虫を産出する米国ユタ州ウィーラー層から採集された標本です。
さて、もう一度全形をご覧いただきましょう。どこにも眼がありませんね。また、三葉虫といえば頭鞍部と尾板の間をつなぐ体節を複数持つことで知られています。ところが、どうでしょうか、このペロノプシスの体節は2,3しかなく、それもとても小さく曖昧なものです。三葉虫の典型的な特徴はことごとく持っていないのが、このペロノプシスなのです。ゆえに三葉虫として分類するべきではない、と考える専門家もいるようです。カンブリア紀には現世の生物とは似ても似つかない生物が存在していましたが、ペロノプシスはまさにその一つです。
こちらは側面。
本標本は本体計測で7ミリほど。ペロノプシスとしてはアベレージサイズです。
直径22から23ミリの100円玉との比較。
商品スペック
商品ID | tr990 |
---|---|
年代 | 古生代カンブリア紀(5億4200万 -- 5億500万年前) |
学名 | カンブリア紀の一風変わった生物、三葉虫であって三葉虫ではない?異質の存在、ペロノプシス(Peronopsis interstrictus)の上質化石 |
産地 | Wheeler Formation, Millard County, Utah, U.S.A. |
サイズ | 本体0.7cm 母岩含め全体6.3cm×5.8cm×厚1cm |
商品解説 | カンブリア紀の一風変わった生物、三葉虫であって三葉虫ではない?異質の存在、ペロノプシス(Peronopsis interstrictus)の上質化石 |
三葉虫とは?
世界の三葉虫カタログ
名前の由来(ゆらい)
三枚の葉の石
たんてきに言うと?
世界中の海に住む節足動物
どうして三葉虫は三葉虫っていうの?
三葉虫の名前の由来は、体が3つの部分に分かれていることから付けられました。背中側から見てみると、真ん中、右側、左側というふうに、3つのパーツに分かれているのです。英名のTrilobite(トリロバイト)は、『tri(三つの)+lob(葉,房)+ite(石)』という意味で、一つの言葉にすると、『三つの葉の石』となります。
どうやって身を守る?
三葉虫は敵から身を守るために体を丸めて防御していました。ちょうど現生のダンゴムシのような格好です。他には、砂から眼だけを出して様子を伺ったり、毒を出すものもいました。魚類が出現してからは、全身に鋭いトゲをもつものまで現れました。
何と種類は1万種!
三葉虫は、古生代の前半に繁栄して、古生代の終わりに絶滅しました。約3億年に渡って栄えたのです。ですから次々と形を変えていて、進化した三葉虫の種類は1万種にも及ぶといわれています。その種類の多さから日本でも大変人気の高い化石の種類の一つです。アンモナイトでにぎわう古代の海の中、覗いてみたくなりますね!
三葉虫は示準化石(しじゅんかせき)
三葉虫は、世界中の海で繁栄していて、種類も多いことから、代表的な化石として「示準化石」とされています。示準化石とは、その化石を調べれば、その地層の時代がおのずと分かるというような化石のことです。示準化石の他の例として、中生代のアンモナイトや石炭紀~ペルム紀のフズリナ、新生代代四紀のマンモスなどがあります。どれも名が知れた人気の化石ですね!
食性
ほとんど泥食性だが、捕食性や腐肉食性もいた。
生態
敵から逃れるため丸まって防御体制をとったり、砂の中から目だけ出して様子を伺ったり、毒を出して防御した種もいたと考えられる。魚類などが台頭し始めると身を守るため、全身にするどいトゲをもつ種も現われた。
種類と産地
1500属以上約1万種(0.5~70cm)があり、多くはモロッコ・ロシア・アメリカ産。日本でも産出。
眼
方解石で出来たレンズ状の複眼は様々な生息環境に応じて形状を変えてきた。カタツムリの様な長く伸びた眼、大きくなり過ぎた眼、一つ眼、無眼。