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恐ろしい原始クジラ「ドルドン」の前歯の化石。古代にはこんな怖いクジラがいた!/【ot870】
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古代クジラ、ドルドンの歯化石です。現世のクジラの祖先と言われています。古代クジラはドルドンのほかバシロサウルスがよく知られており、現世のクジラとは似ても似つかぬ、おろそしい顔面をしています。ドルドンも、当時の食物連鎖の頂点に君臨していたと考えられており、この歯化石の鋭さがそれを表しています。
ドルドンを始めとして、バシロサウルス科の古代クジラの歯化石には、恐竜や中生代の巨大な海棲爬虫類にはない特徴があります。それは異歯性(いばいせい)です。ドルドンの場合には、奥歯と前歯の形が異なります。異歯性とはその言葉通り、一つの生物で、異なった形をした歯が生えていることを指しています。バシロサウルス科の大きな特徴の一つと言えるでしょう。
こちらは前歯。奥歯は鋭いトゲの付いたおにぎりのような形状をしているのに対して、前歯はご覧の通り、湾曲を持った鋭い槍のような形をしています。ドルドンの名前は、槍のような歯の意です。この特徴的な前歯が名前の由来になったと考えられますね。
白い部分が歯根で、色の濃い部分が歯冠です。歯根とは歯茎のなかに埋まっていた部分を指します。歯冠は、外に出ていた部分、つまり噛みつく部分になります。
先端が少し欠損しています。
長い辺に沿って13cmを超える大物です。
100円玉との比較。当時の海の食物連鎖の覇者とされる古代クジラ「ドルドン」の顎先の歯化石です。奥歯とは全く異なる形状にご注目ください。奥歯といっしょにコレクションされることをお勧めいたします。
商品スペック
商品ID | ot870 |
---|---|
年代 | 新生代(6600万年前 -- 現在) |
学名 | 恐ろしい原始クジラ「ドルドン」の前歯の化石。古代にはこんな怖いクジラがいた! |
産地 | Morocco |
サイズ | 長い辺に沿って13.3cm |
商品解説 | 恐ろしい原始クジラ「ドルドン」の前歯の化石。古代にはこんな怖いクジラがいた! |
バシロサウルスとは?
バシロサウルスは、現在からおよそ4千万年前に実在していた原始的なクジラである(現在は絶滅)。
現世のクジラとは明らかに異なる体躯を持っている。すなわち、蛇のような長い体に、モササウルスのような恐ろしい顔つき、鋭い歯。
事実、当時の食物連鎖の頂点に君臨していた、海のハンターであった。
古代クジラの最大の種であり、成体では最大18mに達したとされる。
遠洋能力は低く、主に浅海に生息していたとされる。
現世のクジラとは異なり、脳の容積は小さく、社会性を有してはいなかったと考えられる。
中生代の捕食者モササウルスのような長いあごを持ち、鋭い歯を何本を持っていた。
バシロサウルスの名称は、王様のトカゲの意味を持っているが、実際にはトカゲではなく、哺乳類である。これは、化石の発見当時は、モササウルスのような爬虫類であると考えられた名残である。
バシロサウルスの最大の特徴の一つ、異歯性とは?
このように多くの共通点を持つ両者ですが、バシロサウルス科にしかない特徴があります。
それは異歯性(いばせい)です。
異歯性とは、文字通り、一個体の生物において、異なった形の歯を持っていること、を言います。
そんなに珍しいことなのか?
と思うかもしれません。
結論からいうと、ありそうで無い、かなり珍しいことなのです。
下のイラストはバシロサウルス科の生物の下顎のシルエットです。
前歯、ミドルセクションの歯、奥歯によって、歯の形が異なることがお分かりでしょうか?
前歯は、比較的直線的で、ギザギザした(鋸の歯)部分がありません。
一方で、ミドルセクションの歯は、ギザギザしており、かつ三角状のおにぎりのような形をしています。
奥歯は、ギザギザしており、かつ三角ではなく、一方向に向いた独特の形をしています。
繰り返しになりますが、このように、一つの生物でも、違う形をした歯を持っていることを「異歯性」と言い、バシロサウルス科の生物はその典型と言えます。
このような特徴は爬虫類ではあまり観察されません。
コラム:「新生代の海の支配者、バシロサウルス科(古代クジラ)の生物は、前時代の支配者と何がちがうのか?」も合わせてお読みください。