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Pick up!! パーフェクト!原始クジラ「ドルドン」のミドルセクションの歯化石。/【ot869】
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原始クジラ「ドルドン」のミドルセクションの、ほぼパーフェクトと言って良い歯化石です。ドルドンを含むバシロサウルス科の生物は異歯性と呼ばれる特徴を持っています。詳しくは、ページ下部のウンチクを御覧ください。異歯性とは、歯の部位によって形状が変わる、特徴を言います。
本標本は、顎のミドルセクションあたりに位置する歯化石と考えられます。ミドルセクションの歯は、左右ほぼ対称の山型をしています。
それにしても奇妙な形をしています。鋸状の突起は、セレーションというにはあまりにも巨大で大胆な造りをしています。
謎の多い形ですが、一つだけ確からしいのは、強力なハンターの歯であろう、ということです。
事実、ドルドンは、新生代に入ってしばらくして、食物連鎖の頂点に君臨していたと推察されています。中生代の終焉を迎え、それまで海の王者として君臨していた巨大な海棲爬虫類(モササウルス等)が姿を消し、哺乳類でありながら、似通った形状をしたバシロサウルス科が台頭し始めます(このような進化を収斂進化と言います)。
恐竜の歯化石は、歯根が1本のみですが、バシロサウルス科は2本あります。
同じ哺乳類である人間の歯も枝分かれした2本の歯根があります。バシロサウルス科との共通点の一つですね。
鋭い山型のピーク。保存状態は大変良好です。ここまで山型が綺麗に残ることは稀です。
長い方の辺にそって9cm。ドルドンの歯化石としては比較的大きな標本です。
素晴らしい全体フォルム。
何度見ても素晴らしい、この山型の保存状態。
100円玉との比較。素晴らしい保存状態を保った、バシロサウルス科ドルドンの歯化石です。ドルドンは歯の生える場所によって、形が変わる異歯性という特徴を持っています。本標本は、中腹部に生えていたと思われる、山型の歯化石です。ほぼパーフェクトと言って良い、素晴らしい保存状態を保っています。
商品スペック
商品ID | ot869 |
---|---|
年代 | 新生代(6600万年前 -- 現在) |
学名 | Pick up!! パーフェクト!原始クジラ「ドルドン」のミドルセクションの歯化石。 |
産地 | Morocco |
サイズ | 長い辺に沿って9cm |
商品解説 | ほぼパーフェクト!原始クジラ「ドルドン」のミドルセクションの歯化石。 |
バシロサウルスとは?
バシロサウルスは、現在からおよそ4千万年前に実在していた原始的なクジラである(現在は絶滅)。
現世のクジラとは明らかに異なる体躯を持っている。すなわち、蛇のような長い体に、モササウルスのような恐ろしい顔つき、鋭い歯。
事実、当時の食物連鎖の頂点に君臨していた、海のハンターであった。
古代クジラの最大の種であり、成体では最大18mに達したとされる。
遠洋能力は低く、主に浅海に生息していたとされる。
現世のクジラとは異なり、脳の容積は小さく、社会性を有してはいなかったと考えられる。
中生代の捕食者モササウルスのような長いあごを持ち、鋭い歯を何本を持っていた。
バシロサウルスの名称は、王様のトカゲの意味を持っているが、実際にはトカゲではなく、哺乳類である。これは、化石の発見当時は、モササウルスのような爬虫類であると考えられた名残である。
バシロサウルスの最大の特徴の一つ、異歯性とは?
このように多くの共通点を持つ両者ですが、バシロサウルス科にしかない特徴があります。
それは異歯性(いばせい)です。
異歯性とは、文字通り、一個体の生物において、異なった形の歯を持っていること、を言います。
そんなに珍しいことなのか?
と思うかもしれません。
結論からいうと、ありそうで無い、かなり珍しいことなのです。
下のイラストはバシロサウルス科の生物の下顎のシルエットです。
前歯、ミドルセクションの歯、奥歯によって、歯の形が異なることがお分かりでしょうか?
前歯は、比較的直線的で、ギザギザした(鋸の歯)部分がありません。
一方で、ミドルセクションの歯は、ギザギザしており、かつ三角状のおにぎりのような形をしています。
奥歯は、ギザギザしており、かつ三角ではなく、一方向に向いた独特の形をしています。
繰り返しになりますが、このように、一つの生物でも、違う形をした歯を持っていることを「異歯性」と言い、バシロサウルス科の生物はその典型と言えます。
このような特徴は爬虫類ではあまり観察されません。
コラム:「新生代の海の支配者、バシロサウルス科(古代クジラ)の生物は、前時代の支配者と何がちがうのか?」も合わせてお読みください。