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部分化石ながら、両眼が保存された上質化石、珍しいウクライナ産の、ウミサソリ、ユーリプテルス(Eurypterus tetragonophthalmus)の頭部の化石/【ot2769】
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さて、皆さん、こちらは一体、何の化石かお分かりでしょうか。
アップで撮影。何やら2つの丸い物体が確認できますね。
そろそろ答えを申し上げましょう。こちらは4億年前の海中に棲息していたハンター、ウミサソリ、ユーリプテルス(Eurypterus tetragonophthalmus)の頭部の化石です。
この部分だけご覧いただくと、一体どのような生物が分かりませんよね。過去のユーリプテルスの売却標本(https://www.kaseki7.com/items_fossil/ot/2247.html)を御覧ください。このように、現世のサソリに似た鋭い尾と両の手を持った生物でした。頭部の裏側には多数の付属肢を有し、三葉虫などの獲物を掴み、捕食していたと考えられています。古生代シルル紀の食物連鎖の上位に位置していた生物の一つだったと考えられます。
こちらは裏面です。
非常にキメ細かい頁岩です。
頭部だけではありますが保存状態は極めて良好です。両眼と縁部のディティールまでしっかりと保存されています。側面から見ると立体的ですし、何と言っても珍しいウクライナ産のユーリプテルスですので、コレクション価値も十分です。米国ニューヨーク州産の標本と比較するのも一興です。
100円玉との比較。頭部の大きさから推定すると、10センチ程度の個体だったと思われます。ユーリプテルスの眼は上向きに付いているため、海底に潜り、その上を遊泳する生物を狙って捕食していたのかも知れませんね。そう考えると、この標本は頭部だけ泥底から出して獲物を狙っているようにも見えますね。
商品スペック
商品ID | ot2769 |
---|---|
年代 | 古生代シルル紀(4億4600万 -- 4億1000万年前) |
学名 | 部分化石ながら、両眼が保存された上質化石、珍しいウクライナ産の、ウミサソリ、ユーリプテルス(Eurypterus tetragonophthalmus)の頭部の化石 |
産地 | Ukraine |
サイズ | 本体直線計測2cm 母岩含め全体4.8cm×4.4cm×最厚部1.5cm |
商品解説 | 部分化石ながら、両眼が保存された上質化石、珍しいウクライナ産の、ウミサソリ、ユーリプテルス(Eurypterus tetragonophthalmus)の頭部の化石。Ustya formation |
ウミサソリとは?
こんな怪物が海にいたら、海水浴できません!
史上最大の節足動物、古生代からこんにちは、海のスコーピオンキング ”ウミサソリ”
ウミサソリとは、古生代初期の、カンブリア紀5億年前に登場し、デボン紀3億6千万年前の大量絶滅まで生き延びた、海の怪物です(ペルム紀まで生きたと言う説もあり)。もちろん現生には生きていません。
画像「ウミサソリ」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』。URL:http://ja.wikipedia.or
しかし、このウミサソリという名前から分かるように、見た目は現生のサソリにそっくりなのです。海と陸の違いはありますが。
そして、もっと大きな違いは、そのサイズ。
実は、地球史上最大の節足動物
現生のサソリはせいぜい10-20cm程度のものですが、ウミサソリは、なんとっ!最大で2.5mにもなった、というから、腰を抜かしてへたり込んじゃいます。2.5mといえば、ライオンと同じサイズですっ。ライオンならまだかわいいですが、見た目はサソリそのまんまですから、まさに恐怖を体現するような怪物です。
当時の海は怪物だらけだった
ウミサソリが存在していたオルドビス紀やデボン紀といえば、まわりは化物だらけの、パラレルワールドですから、このくらいのアンリアルな姿をしていて、やっと時代とマッチしていたといっても言い過ぎではありません。
たとえば、ご存知、三葉虫。1万種類以上のバラエティがあり、かつ、奇奇怪怪なその姿は現生ではありえません。アンリアルです。
たとえば、ダンクルオステウス
最大で10mにもなる、とんでもない化物魚です。この魚の凄みは、中世の甲冑のような装甲板で覆われたボディです。思いっきりバットで殴られてもビクともしないような強力な防御能力を持ちながら、同時に、一説によればティラノサウルスよりも強いとされる噛み力を持つ、という怪物ぶりです。史上最強の魚の一つと言われています。アンリアルです。
画像「ダンクルオステウス」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』。URL:http://ja.wikipedia.or
このようなモンスター達に囲まれていたのですから、ウミサソリのアブノーマルさも納得というものです。
5大絶滅の1つ「デボン紀の絶滅」でウミサソリも絶滅?
ちなみにデボン紀後期の水中生物の大量絶滅で、このようなモンスターたちは地球から一掃されてしまいますが、ウミサソリを現実に目にしていると、地球の懐の深さを手に取るように感じさせてくれます。
画像「ウミサソリ」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』。URL:http://ja.wikipedia.or
ウミサソリは、浅海に存在し、一部は陸に上がっていた、と言う説もあります。現生のサソリのように尾に毒を有していたのかは不明ですが、近くに寄ってきた魚などを鋭い手や尾などを駆使して、捕食していたのでしょう。2.5mともなると、どのような相手が捕食対象となったのでしょうか。浅海ともなれば、同時代に存在した三葉虫も捕食対象となっていたのかもしれませんね。
ウミサソリの子孫は?
ウミサソリの系統については、諸説あります。見た目から現生のサソリの祖先であったと言う説やカブトガニの祖先となった、と言う説があり、どちらも確定しているわけではありません。ウミサソリは300種類ほど確認されており、最も有名でよく知られているのが、ユーリプテルスです。
ユーリプテルス(広い翼)は現在のヨーロッパや北米の浅海に生息し、オスとメスが存在し、平均で20cm以下、最大で1mを超える大物がいました。広く横に伸びた翼のような手が特徴で、尾の先端のとがり具合といい、まさにウミのサソリそのままの形をしています。
スペインバルセロナの博物館 画像「ウミサソリ」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』。URL:http://ja.wikipedia.org