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美しい金属光沢を放つ隕鉄、悠久の時を経て、あなたのもとに!880グラムのヘビー級鉄隕石、カンポ・デル・シエロ(Campo del Cielo)/【ot2716】
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こちらは、なんと880グラムに達する、ヘビー級の鉄隕石、カンポ・デル・シエロです。石のように見えて全体からギラギラと金属光沢が放たれます。それもそのはず、そのほとんどが鉄とニッケルでできている鉄隕石(隕鉄)なのですから。隕石はコレクションの観点からいうと、大きなものほど数が少なくなることから、価値が高いとされています。このような大きな団塊はめったに見られません。
隕石は写真からだけではその魅力を十分に伝えきれません。実物を手にとった瞬間の驚きは、想像を遥かに超えるものです。見た目は一見、「石」のように見えますが、手に持った時の肌を押す圧は鉄そのもの。そのギャップに脳の処理が一瞬、追いつきません。鉄の比重は石のそれのおよそ3倍ほどあります。ずしっと手に伝わる「あの瞬間」はオーナーの特権と言えるでしょう。
隕石のことをあまりご存知ない方に、少しうんちくを。隕石の”隕”の字はあまり聞き慣れません。使われている単語が隕石以外ににわかには思いつかないほどです。”隕”とは「高いところから落下する」という意味があるそうです。隕石は空(宇宙)から落下してきますから、なるほど、文字通り、ぴったりの表現です。実は、たった200年前まで、宇宙から石が落ちてくるなどとは誰も信じていませんでした。ドイツの科学者グラドニが1794年に、「流星の正体は宇宙から飛んできた石が大気圏に突入して燃えている姿だ。そしてそれが地上に落ちてきたものが隕石なのだ」と明らかにしたことで、隕石の存在が世界的に認知されるようになったのです。
ところが、このカンポ・デル・シエロにはこんな逸話があります。16世紀、つまり、前述のグラドニの発表の200年以上前から、落下場所であるアルゼンチン・チャコ州の現地の人々により、「空から巨大な石が降ってきた」という伝承が伝わっていたというのです。さらに驚くべきは、カンポ・デル・シエロの落下年は4000年前から5000年前と推測されています。まだ有史の始端と言って良い、太古の時代のできごとが、人々の伝承により伝えられてきたというのだから、驚きを超えて感動すら覚えます。
そんな伝説的な隕石、カンポ・デル・シエロですが、隕石の大分類では「鉄隕石」となります。地上に落下してくる隕石は大まかに3つに分けられます。この標本のような鉄のかたまりの「鉄隕石」、石中心でできた「石質隕石」、その中間的な組成をした「石鉄隕石」の3つです。さらに鉄隕石を詳しく解説していきます。鉄隕石は鉄とニッケルの合金で比重が大きいのが特徴です。このような組成を持つ石はもちろん自然界には存在しません。
この凸凹の表面は鉄隕石に頻繁に見られる特徴です。これは大気圏突入時に融点の低いところから優先的に溶けた結果と考えられています。また地表面との接触時の衝撃から、一箇所だけ平らになっているケースもあります。
この金属光沢を御覧ください。繰り返しますが、地球上の自然界にはこのような石は存在しません。いったい、この不思議な物体はどこからやって来たのでしょうか。実は火星と木星の間の小惑星ベルトと呼ばれる無数の小惑星が存在するゾーンから飛んできたと考えられています。鉄隕石は、ある程度の大きさを持った天体の中心部が溶解し、金属核が他の天体との衝突や分裂等により、宇宙空間に飛び出した破片と考えられています。ご存時のように、我々が住んでいるこの地球の中心にも金属核があり、そのほとんどが鉄でできています。
鉄隕石の成分を詳しく見ると、種類によってまちまちですが、一般的にはニッケルが5から15%程度、コバルトが1%未満、残りは鉄で占められています。繰り返しになりますが、地球上の自然界では、このような鉄の加工物は存在しません。
先程、隕石の大部分は小惑星ベルトより飛来したと申し上げました。しかしながら、一直線に飛んできたわけではありません。太陽を中心とする大軌道を繰り返し周回するなかで、まさに天文学的な確率により、我らの星、地球に衝突したのです。小惑星ベルトにも様々な周回軌道が存在することが明らかになっています。主要なメインベルトのほか、変則的な軌道を描くものもあります。地球に火球が侵入した角度や速度により、軌道をたどる研究が進み、様々なことが明らかになってきています。
突然ですが、皆さんは1年間にどのくらいの隕石が地球に落下しているご存知でしょうか。全ての隕石を視認することは不可能ですが、推測値になりますが、2万個もあるそうです。その60%以上は海に落下して確認できません。6000個くらいは陸地に落下しているはずですが、年間落下隕石として報告されるものは10個程度にすぎないことを考えると、そのほとんどは発見されるに至っていないことになりますね。しかしながら、今日、夜空を見上げると火球のラインが走っていたとしても全く不思議ではないのです。何しろ2万個のロマンの塊が落下し続けているのですから。
最大部およそ9センチの実に立派な鉄隕石です。小標本とは全く異なる重さ、迫力、存在感をお楽しみください。小惑星同士の衝突がいったいいつ起こったのか。それを考えるだけでワクワクしますね。恐竜を絶滅に追いやったユカタン半島に落下したあの隕石は1億年近い旅をして地球に落下したそうです。ほとんど隕石は、少なくとも数百万年単位の途方も無い期間を経て、地球に落下したことでしょう。このカンポ・デル・シエロまだ類人猿さえも誕生していなかったかもしれない、そんな時代に衝突し旅を始めた隕石だったかもしれません。そして少なくとも分かっているのは、4000年から5000年前にアルゼンチン・チャコ州に落下したということ。一人の人間が理解するには、あまりにも長いタイムスケールです。
10何光年もの距離を旅してきた地球外物質です。ぜひ、悠久の時に思いを馳せてください。
商品スペック
商品ID | ot2716 |
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学名 | 美しい金属光沢を放つ隕鉄、悠久の時を経て、あなたのもとに!880グラムのヘビー級鉄隕石、カンポ・デル・シエロ(Campo del Cielo) |
産地 | Argentina |
サイズ | 9cm×5.5cm×5cm 880g |
商品解説 | 美しい金属光沢を放つ隕鉄、悠久の時を経て、あなたのもとに!880グラムのヘビー級鉄隕石、カンポ・デル・シエロ(Campo del Cielo) |
隕石とは?
隕石(meteorite)はギリシャ語のmeteoron(空中のもの、天上のもの)に由来します。
また、隕石の「隕」は「高いところ(空)から 落ちてくる」という意味で 「隕石=高いところから落ちてくる石」です。
では隕石は何処からやってくるのでしょう?
端的にいえば、隕石は地球以外の天体のかけらなので宇宙空間から落ちてきますが、映画にもなったあの「はやぶさ」(宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機 )が小惑星「イトカワ」で採取した微粒子を調べた結果、隕石の起源が小惑星であることが判明しました。
小惑星は、多くが火星と木星の軌道の間にあって太陽のまわりを公転しているたくさんの小さな天体です。この小さな天体は45?46億年前の太陽系の誕生時に残った岩の残骸とされています。その為、小惑星を起源とする隕石は、惑星の誕生や進化などの貴重な情報源といわれています。
隕石は主に金属鉄(Fe)と珪酸塩鉱物からなり、 その比率で大きく3つに分類されます。
- 石質隕石(stony meteorite)全隕石の約90%にあたる。主要鉱物は「かんらん石(olivine)」「輝石(pyroxene)」「ニッケルと鉄の合金」で、「かんらん石」と「輝石」は地球の岩石にもみられる鉱物ですが、「ニッケルと鉄の合金」は地球の岩石にはみられない鉱物です。
- 鉄隕石(iron meteorite) 全員石の約5%にあたるのが鉄隕石(iron meteorite)で別名、隕鉄ともよばれています。主成分はニッケルと鉄の合金で、結晶構造の異なるカマサイトとテーナイトという鉱物を含みます。構造的分類では、ニッケルの含有量よりの3種類に分けられます。
- 石鉄隕石(stony-iron meteorite) 全隕石の約1%とたいへん少なく貴重な石鉄隕石(stony-iron meteorite)は、ほぼ同じ量の鉄ーニッケルの合金と珪酸塩鉱物からなり主にパラサイト(pallasite)とメソシデライト(mesosiderite)に分類されます。
石質隕石(stony meteorite)
その1つが、全隕石の約90%にあたる石質隕石(stony meteorite)です。 石質隕石の主要鉱物は「かんらん石(olivine)」「輝石(pyroxene)」「ニッケルと鉄の合金」で、「かんらん石」と「輝石」は地球の岩石にもみられる鉱物ですが、「ニッケルと鉄の合金」は地球の岩石にはみられない鉱物です。
この「ニッケルと鉄の合金」は、内部に金属の粒があるため磁石にくっつきます。
石質隕石は、丸い小さな粒(コンドリュール)を含む「コンドライト」と含まない「エイコンドライト」に分類されるのですが、「エイコンドライト」は「ニッケルと鉄の合金」の割合は少なく含まないものもあり、磁石にくっつかないものもあるようです。
丸い小さな粒のコンドリュール(chondrule)はギリシャ語の『粒』を意味するコンドロス(chondoros)に由来し、太陽系形成時に溶融状態で宇宙空間を漂いながら固まった球状の粒子で、かんらん石と輝石を主成分としています。このコンドリュールを含むコンドライトは太陽系の形成を調べる上でとても重要な隕石になります。
エイコンドライトは、一度融けて分化した天体の石質のみが残ったもので『分化した隕石』や『惑星の地殻』とよばれ、地球の火山岩で最も多い玄武岩に組織や構造などが似ているといわれています。
鉄隕石(iron meteorite)
全員石の約5%にあたるのが鉄隕石(iron meteorite)で別名、隕鉄ともよばれています。主成分はニッケルと鉄の合金で、結晶構造の異なるカマサイトとテーナイトという鉱物を含みます。構造的分類では、ニッケルの含有量よりの3種類に分けられます。
「ヘキサヘドライト(hexahedrite)」「オクタヘドライト(octahedrite)」「アタキサイト(ataxite)」です。
鉄隕石のなかで最も一般的なのが「オクタヘドライト」です。ニッケルの含有量が6.5?13%で、とても長い時間(約100万年)かけて冷却されて出来た特徴的な模様のウィドマンシュテッテン構造がみられます。※ウィドマンシュテッテン構造はエッチング処理をしないとみれません。)
ヘキサヘドライトはニッケル含有量が4.5?6.5%でノイマラインという細い平行線がみられます。アタキサイトはニッケル含有量が13%以上で明確な内部構造をもたない隕石といわれています。60tもある世界最大のナミビアのボバ隕石が、このアタキサイトです。
これまでに発見された巨大隕石は全てこの鉄隕石で、どの隕石よりも大きく重く、また丈夫で風化や破砕に強い隕石です。地球の核の成分と似ているため他の星の核が壊れた破片と考えられています。
約5000年前、空から落ちて来た鉄隕石を発見した古代エジプト人は鉄は宇宙からくると考えていたようです。そして農機具を作る材料などに加工して利用していたと思われます。
石鉄隕石(stony-iron meteorite)
全隕石の約1%とたいへん少なく貴重な石鉄隕石(stony-iron meteorite)は、ほぼ同じ量の鉄ーニッケルの合金と珪酸塩鉱物からなり主にパラサイト(pallasite)とメソシデライト(mesosiderite)に分類されます。
パラサイトは、かんらん石(珪酸塩鉱物)と鉄ーニッケルの合金からなります。1772年、ドイツの博物学者ペーター・ジーモン・パラス(Peter Simon Pallas)が珍しい石(当時は隕石とは知られていなかった石=パラサイト)を採取しました。その後、同じ組成構造の岩石がみつかり始め、その石はパラスの名前をとってパラサイトと名付けられました。
メソシデライトは、輝石・斜長石など異なる鉱物(珪酸塩鉱物)と鉄ーニッケルの合金からなり、語源は、古代ギリシャ語の「中間」を意味するmesoに「隕鉄」を意味するsideriteにつけられたものです。
石鉄隕石は、太陽形成後にできた惑星が衝突などで破壊されたものと考えられています。
流れ星と隕石
空から降ってくる流れ星と隕石の違い、分かりますか?流れ星、正式には「流星」といいます。
流星は、宇宙の小さなチリが大気の摩擦によって燃えたものです。この小さなチリは主に彗星から生まれたものです。
この流星のなかで最も明るいものを「火球」といいます。そして、この火球の中で大気中で燃えきらず地上に落ちていくのが「隕石」です。
簡単にいえば、流星は彗星を起源としていて、隕石は小惑星を起源としています。
(※でも中に小惑星を起源とした流星があるともいわれています)
テクタイト(tektite)
テクタイトは隕石の衝突いよって作られる天然ガラスで語源はギリシャ語の「溶けた」を意味するketosからきています。
成分は地球の岩石と同じで隕石ではありません。 形状は円形や卵形など様々で色も黄白色から黒色までと様々です。 隕石が燃えながら大気中に突入してくると、衝突したところは一気に高温となり近くにあった岩石などが溶け飛び散ります。飛んでる間に溶けた岩石などが冷え、ガラス質になって固まり再び地上に落ちたものがテクタイトと考えられています。テクタイトは衝突クレーターの位置に関連して広く分布しています。
クレーター(crater)
クレーターは、円形の凹んだ地形でギリシャ語のボウル、椀、コップなどを意味するkraterに由来し
1609年、ガリレオ・ガリレイが月面の多数の凹みを発見し名付けました。確認されている最初のクレーターはアメリカのアリゾナ砂漠にある「メテオクレーター」です。
「バリンジャー・クレーター」や「バリンジャー隕石孔」などとも呼ばれています。
直径約1.2?1.5㎞、深さ約170mの大きさのクレーターで、約5万年前に30万t以上の隕石が時速約72万kmで衝突して出来た跡です。この様な隕石の衝突が確認された場所は大きなものだけでも世界中に160ヶ所以上もあるといわれています。日本で初めて確認された唯一の隕石クレーターは「御池山(おいけやま)クレーター」です。長野県の南アルプス南部の御池山付近に位置しています。
約2?3万年前に直径約45mの隕石が衝突したと推測され、大きさは直径約900mで現在残っているのは全体の40%です。
米国アリゾナ州のRoute66付近の隕石クレーター