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X線CT写真付き、ウルトラレア!博物館級5000万年前ドイツ・メッセル・ピット産の鳥(Bird)の化石。貴重なオールドコレクション/【ot2200】
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こちらの化石は、世界的な化石産地、メッセルピットで採集された鳥の化石です。ぜひ、すべての商品説明を最後までお読みいただき、この化石について正確にご理解をいただければ嬉しく思います。こちらの鳥の化石について説明する前に、産地、メッセル・ピットについて簡単に解説いたします。メッセル・ピットはおよそ5000万年前の生物の化石を産することで知られています。5000万年前といえば哺乳類が大繁栄を迎える少し前の時代です。6500万年前に白亜紀、すなわち中生代が終了し、陸上においては恐竜、海中においては海生爬虫類が絶滅しました。その後哺乳類と鳥類が、恐竜と翼竜に替わって、その地位を占めました。始新世の中頃(およそ4000万年前頃)には、現世の哺乳類の多くの目(もく、大まかなグループのこと)が出現しています。その時期には、まだ北米とヨーロッパは陸橋によってつながっていました。そんな中で、現在のドイツにあるグルーベ・メッセルは、当時、湖水群の一角にあったことが分かっています。メッセル・ピットでは哺乳類を中心に多数の化石が採集されています。その保存状態は驚くほど良好です。こちらの鳥の化石を御覧ください。クチバシや足、背骨などがはっきりと保存されています。頭部がはっきりと保存されている点にご注目ください。
鳥本体21センチ強、プレート全体で28センチ。立派な化石です。もう少し、メッセル・ピットについて説明を続けます。1995年に世界遺産に登録されたメッセル・ピットですが、化石の採集の歴史は古く、1875年にさかのぼります。このとき、ワニの化石が発見されたことを皮切りに、その後20世紀にたくさんの化石が発見、採集されました。メッセル・ピットはピットの名にあるように、もとは炭鉱で、赤鉄鉱を目的に採掘が開始されました。その後、オイルシェールの採掘が始められ、その活動のなかで化石が多く見つかりました。1970年代に入ると、州政府が産業廃棄物の集積場にしようと計画をしたため、多くのアマチュア化石愛好家、研究者、学者から反対の声が上がり、廃棄物で埋められてしまう前に、貴重な化石を採集、保存しようと採集熱が高まった、という経緯があります。その後、1987年にメッセル・ピットに関する国際シンポジウムが開かれ、1990年代に入ってやっと、産業廃棄物集積所になる運命を逃れることができました。そのような背景があり、現在、市場に出回っているメッセル・ピットの化石は1970年代に採集された貴重なオールドコレクションなのです。こちらの標本もその一つです。※ メッセル・ピットでは現在、新たに化石が採集されることはありません。
みなさんは、メッセル・ピットの化石を見て、一般的な化石とどこか違う印象を受けることはありませんか。メッセル・ピットの化石、特に哺乳類の化石には独特の保存方法が採用されてきました。興味深い話なので、詳しく解説を加えます。1970年代、メッセル・ピットでの主な化石の採集方法は、まず大きな石を取り出し、層理面に沿って、薄く石を剥いでいくことからはじめました。母岩が頁岩のため、薄い石が何枚も重なっているような状態です。この頁岩は瀝青質、つまりオイルを含んでいるため、乾くと、縮み、破損が起こります。そのため、研究室やクリーニング施設に運搬する間は、湿った状態に保つ必要がありました。当時は、水を通さないプラスチックなどで包んで湿度を維持したようです。
クチバシが保存された頭部。さらに、解説を続けます。室内に運搬できたら、1960年代に開発された、移し替え(Transfer)のテクニックが用いられました。化石の湿度を維持した状態で、顕微鏡等で確認しながら、骨のまわりの母岩(頁岩)を慎重に取り除いていきます。出来得る限り除去したら、なんと樹脂で全体を覆うのです。樹脂が固まると全体をひっくり返して、裏側も同様に母岩を慎重に除去していきます。そして、再び出来得る限り、骨を露出させるのです。最終的に、樹脂のなかに骨(の化石)だけが保存されることになります。樹脂で固定されているため、もう化石が傷む心配がありません。一部のメッセル・ピットの化石が樹脂のなかに浮かぶように保存されているのは、このためなのです。トランファーのテクニックとは、骨だけを残し、周囲を脆い頁岩から強固な樹脂に移し替え(Transfer)る、という意味です。脊椎動物には特に有効だったようです。こうして、瀝青質の頁岩という強敵を見事に手なづけることに成功しました。
この写真を御覧ください。黒い部分が骨の化石の部分で、薄茶の部分が樹脂になります。弊社では、その境界を正確に知るために、X線CTの撮影を専門機関に依頼しました。こちらの化石のオーナーになる方には、X線CTの写真のコピーをお付けいたします。骨の化石と樹脂の境界線がはっきりと見え、移し替えのテクニックがどのように実施されたのか、手にとるように分かります。もちろん、オリジナルの化石であることが一目瞭然です。医療用レントゲンの場合には、空洞が黒、骨などが白に見えますが、今回付属するCT写真はそれとは違い、逆の出力になっています。つまり、骨が黒で樹脂が白となります。これは単に出力の問題です。X線の透過率が低いもの(比較的硬い物質)は、黒く写り、透過率が高いもの(比較的柔らかい物質)は白っぽく写っています。濃淡は強度や厚みを表しています(今回付属するCT写真のお話)。
腕の部分。盛り上がっています。
こちらは畳まれた腕。こちらも立体的です。
脊椎と後肢の部分。
こちらは翼を備えていた腕の部分です。太くて立派。
指まで保存されています。指は細く薄いですが、X線CT写真で見ると、樹脂との境界がはっきりと分かります。
ここまで解説をお読みいただいた方なら、この薄茶色の部分が樹脂である理由をお分かりいただけたのではないでしょうか。
こちらは裏面です。
樹脂部分は半透明とまではいかないものの、光を通します。本体以外の部分で濃淡がある箇所、例えば写真右上の部分、左下の部分などは、X線CT写真でみると、ほぼ一様なので、化石ではなく、樹脂のムラだと思われます。
本体部分だけで20センチもある、非常に大きな鳥です。翼長などは分かりませんが、かなり立派な個体であることは間違いないでしょう。
100円玉との比較。これ以上、希少な化石を見つけるほうが難しいくらいでしょう。頭部、脊椎、腕、足はもちろん、腕先の指まで保存されたパーフェクトな逸品です。トランスファー法によって頁岩が樹脂に置換された様子を付属のX線CT写真のコピーでご覧いただけます。もちろん、オリジナル率が極めて高いことも一目瞭然です。
商品スペック
商品ID | ot2200 |
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年代 | 新生代第三紀(6600万--260万年前) |
学名 | X線CT写真付き、ウルトラレア!博物館級5000万年前ドイツ・メッセル・ピット産の鳥(Bird)の化石。貴重なオールドコレクション |
産地 | Germany |
サイズ | 本体直線計測21.8cm プレート全体28.3cm×20.5cm×厚0.9cm |
商品解説 | X線CT写真付き、ウルトラレア!博物館級5000万年前ドイツ・メッセル・ピット産の鳥(Bird)の化石。貴重なオールドコレクション |
ドイツの世界的化石名産地、メッセル・ピット(Messel pit)とは?
世界的な化石の産地、メッセルピットとは?
ドイツ・メッセルピットで採集されたマクロクラニオン・ツパイオドン(Macrocranion tupaiodon)の全身骨格化石。弊社売却化石。
メッセル・ピットはおよそ5000万年前の生物の化石を産することで知られています。5000万年前といえば哺乳類が大繁栄を迎える少し前の時代です。6500万年前に白亜紀、すなわち中生代が終了し、陸上においては恐竜、海中においては海生爬虫類が絶滅しました。その後哺乳類と鳥類が、恐竜と翼竜に替わって、その地位を占めました。始新世の中頃(およそ4000万年前頃)には、現世の哺乳類の多くの目(もく、大まかなグループのこと)が出現しています。
その時期には、まだ北米とヨーロッパは陸橋によってつながっていました。そんな中で、現在のドイツにあるグルーベ・メッセルは、当時、湖水群の一角にあったことが分かっています。
メッセル・ピットでは哺乳類を中心に多数の化石が採集されています。その保存状態は驚くほど良好です。
もともと、メッセルピットは炭鉱だった。
ドイツ・メッセルピットで採集された鳥の全身骨格化石。弊社販売化石。
1995年に世界遺産に登録されたメッセル・ピットですが、化石の採集の歴史は古く、1875年にさかのぼります。このとき、ワニの化石が発見されたことを皮切りに、その後20世紀にたくさんの化石が発見、採集されました。
メッセル・ピットはピットの名にあるように、もとは炭鉱で、赤鉄鉱を目的に採掘が開始されました。その後、オイルシェールの採掘が始められ、その活動のなかで化石が多く見つかりました。
1970年代に入ると、州政府が産業廃棄物の集積場にしようと計画をしたため、多くのアマチュア化石愛好家、研究者、学者から反対の声が上がり、廃棄物で埋められてしまう前に、貴重な化石を採集、保存しようと採集熱が高まった、という経緯があります。
その後、1987年にメッセル・ピットに関する国際シンポジウムが開かれ、1990年代に入ってやっと、産業廃棄物集積所になる運命を逃れることができました。
脆弱な岩質のため、特別な化石の保存方法、トランスファー法が開発された。
ドイツ・メッセルピットで採集されたヘビの全身骨格化石。弊社売却化石。
メッセル・ピットの化石、特に哺乳類の化石には独特の保存方法が採用されてきました。
1970年代、メッセル・ピットでの主な化石の採集方法は、まず大きな石を取り出し、層理面に沿って、薄く石を剥いでいくことからはじめました。母岩が頁岩のため、薄い石が何枚も重なっているような状態です。
この頁岩は瀝青質、つまりオイルを含んでいるため、乾くと、縮み、破損が起こります。そのため、研究室やクリーニング施設に運搬する間は、湿った状態に保つ必要がありました。当時は、水を通さないプラスチックなどで包んで湿度を維持したようです。
室内に運搬できたら、1960年代に開発された、移し替え(Transfer)のテクニックが用いられました。
化石の湿度を維持した状態で、顕微鏡等で確認しながら、骨のまわりの母岩(頁岩)を慎重に取り除いていきます。出来得る限り除去したら、なんと樹脂で全体を覆うのです。
樹脂が固まると全体をひっくり返して、裏側も同様に母岩を慎重に除去していきます。そして、再び出来得る限り、骨を露出させるのです。
最終的に、樹脂のなかに骨(の化石)だけが保存されることになります。樹脂で固定されているため、もう化石が傷む心配がありません。
一部のメッセル・ピットの化石が樹脂のなかに浮かぶように保存されているのは、このためなのです。
トランファーのテクニックとは、骨だけを残し、周囲を脆い頁岩から強固な樹脂に移し替え(Transfer)る、という意味です。脊椎動物には特に有効だったようです。こうして、瀝青質の頁岩という強敵を見事に手なづけることに成功しました。
メッセル・ピットから産する化石の保存状態が良い理由
ドイツ・メッセルピットで採集されたコウモリの全身骨格化石。弊社販売品。
メッセル・ピットから産する化石のなかには、軟体部が保存されているものも存在します。
通常、骨以外は化石として残りません。
ところが、メッセル・ピットの地層のある特徴が、これを可能にしているのです。
メッセル・ピットはオイル・シェールが採れることで有名です。15%のケロジェン(石油)が含まれていて、これは石油の原料として価値が高く、ゆえに開発の対象となったのです。
普通の堆積環境では、オイルを含め有機物はバクテリアに分解されますが、なぜかメッセル・ピットでは、それが起こりませんでした。一説によれば、5000万年前の当時、亜熱帯雨林で、湖底には大量の藻が集まっていたとされています。すると、湖底には酸素が不足し、有機物が分解されなかった可能性があります。
有機物が分解されないままでいると、ケロジェン、すなわち石油に変わります。生物の遺骸も分解が進まず、極めて保存状態の良い化石になった可能性は十分に考えられます。
メッセル・ピットから比較的大きな哺乳類の化石が見つかる理由
メッセル・ピットから、コウモリ、ネズミ、鳥、ウマなど比較的大きな哺乳類の化石が採集されます。
一方で、昆虫類の化石は比較的少ない、という特徴があります。
これは、ある程度の体重がなければ、湖底に沈まず、湖面に浮いてしまい、化石にならないから、という説が有力です。