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少なくとも採集から40年以上経過しているオールドコレクション。超希少、博物館級、ドイツ・メッセルピット(およそ5000万年前の地層)から採集されたボア科のヘビの化石/【ot2199】
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こちらは一体、何の化石だと思いますか?驚くべきことに、ヘビの化石です。しかも、今や新たに入手することは叶わない、あのメッセルピットの化石です。こちらがいかにレアなのか、お分かりでしょう。メッセルピットは1995年に世界遺産に登録され、新たに化石が採集されることはありません。こちらの化石は、まだ世界遺産に登録される前、ドイツが統一される以前の西ドイツ時代に採集されたものです。それが数十年前に日本国内に入り、コレクターのもとで長く眠っていた、希少なオールドコレクションです。
メッセルピットは世界的な化石産地として知られています。メッセルピットのピットとは採掘場の意味。メッセル採掘場では長い間、オイルが採掘されてきました。この黒っぽい瀝青質の母岩を見ても、それが分かりますね。
その地層から非常に保存状態の良い、およそ5000万年前の生物の化石が採集されました。その種類の豊富さから、世界的な化石産地として知られています。1995年に世界遺産に登録されるなどし、今や化石の採集は禁止されていますが、それ以前の一時期はアマチュアの化石愛好家による化石採集が出来た時代があり、こちらはそのコレクションの一つとなります。紙の傷みに年代を感じさせる化石のラベルには、Original fossilというテキストのほか、West Germanyというテキストが残されています。つまり、まだ東西ドイツが統一される(1990年10月2日)前にラベルが制作されたことを意味しています。化石が採集できた年代を考えると、おそらくは40年以上前、あるいはもっと前に採集されたと推察されます。いずれにしましても、極めてレアというほかない、大変貴重な化石です。化石を保存する上でラベルがいかに大切か、ということを改めて感じさせてくれる標本でもあります。
ちなみに、ラベルには、Boidaeつまり、ボア科の仲間であることが記載されています。メッセルピットからはボア化のヘビの化石が採集されることは明らかになっていて、こちらはその一つと考えられます。脊椎骨から左右に伸びた細かな肋骨などがはっきりと保存されています。
メッセルピットの化石は瀝青質で比較的脆いため、独特の保存方法が用いられています。標本の周囲を樹脂で固めるという独特のやり方で、これも、化石のアマチュア愛好家たちが開発したものと言われています。いつの時代も化石コレクター(愛好家)はその保存方法、移動方法に苦慮してきたことが伺えて、親近感を感じざるを得ません。
ラベルによれば、「length 1.78m」とあります。つまり全長178センチのヘビであるとのこと。紐を沿わせて計測したのでしょうか。弊社でも測定してみましたが、はっきりと、その数値とは合いませんでした。計測の方法にもよるのかもしれません。化石の産状からもヘビが体を巻いているのがよく分かります。しかし、よく堆積段階で骨が散乱しなかったな、と感心します。連続する脊椎骨が保存されているのにも驚きますが、それ以上に細かなアバラ骨の殆どが保存されているのは、驚愕の一言に尽きます。
こちらの化石は採集されてから、少なくとも40年以上は経過していると思われますが、ドイツではもちろん、日本国内に入ってからも、最新の注意を払って保存されてきたおかげで、傷みらしい傷みはありません。
本体は立体的で膨らみがあり、瀝青質の黒い母岩とは異なるブラウンを呈します。
プレートの横幅は21センチです。
母岩は樹脂で固められて安定しています。裏面はきれいにカットされています。
100円玉との比較。スタンド置き。採集から40年以上経過していながら、素晴らしい状態を維持しているメッセルピット産のボア科のヘビの化石です。大変僭越ながら、こちらの化石の価値がお分かりになるコレクターの方で、今後もずっと大切にしてくださる方に限定して販売をさせていただきたいと存じます。それまで、弊社で責任を持って保管していきます。
商品スペック
商品ID | ot2199 |
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年代 | 新生代(6600万年前 -- 現在) |
学名 | 少なくとも採集から40年以上経過しているオールドコレクション。超希少、博物館級、ドイツ・メッセルピット(およそ5000万年前の地層)から採集されたボア科のヘビの化石 |
産地 | Germany |
サイズ | 本体直線計測10.6cm プレート全体21cm×15.6cm×厚1.2cm |
商品解説 | 少なくとも採集から40年以上経過しているオールドコレクション。超希少、博物館級、ドイツ・メッセルピット(およそ5000万年前の地層)から採集されたボア科のヘビの化石 |
ドイツの世界的化石名産地、メッセル・ピット(Messel pit)とは?
世界的な化石の産地、メッセルピットとは?
ドイツ・メッセルピットで採集されたマクロクラニオン・ツパイオドン(Macrocranion tupaiodon)の全身骨格化石。弊社売却化石。
メッセル・ピットはおよそ5000万年前の生物の化石を産することで知られています。5000万年前といえば哺乳類が大繁栄を迎える少し前の時代です。6500万年前に白亜紀、すなわち中生代が終了し、陸上においては恐竜、海中においては海生爬虫類が絶滅しました。その後哺乳類と鳥類が、恐竜と翼竜に替わって、その地位を占めました。始新世の中頃(およそ4000万年前頃)には、現世の哺乳類の多くの目(もく、大まかなグループのこと)が出現しています。
その時期には、まだ北米とヨーロッパは陸橋によってつながっていました。そんな中で、現在のドイツにあるグルーベ・メッセルは、当時、湖水群の一角にあったことが分かっています。
メッセル・ピットでは哺乳類を中心に多数の化石が採集されています。その保存状態は驚くほど良好です。
もともと、メッセルピットは炭鉱だった。
ドイツ・メッセルピットで採集された鳥の全身骨格化石。弊社販売化石。
1995年に世界遺産に登録されたメッセル・ピットですが、化石の採集の歴史は古く、1875年にさかのぼります。このとき、ワニの化石が発見されたことを皮切りに、その後20世紀にたくさんの化石が発見、採集されました。
メッセル・ピットはピットの名にあるように、もとは炭鉱で、赤鉄鉱を目的に採掘が開始されました。その後、オイルシェールの採掘が始められ、その活動のなかで化石が多く見つかりました。
1970年代に入ると、州政府が産業廃棄物の集積場にしようと計画をしたため、多くのアマチュア化石愛好家、研究者、学者から反対の声が上がり、廃棄物で埋められてしまう前に、貴重な化石を採集、保存しようと採集熱が高まった、という経緯があります。
その後、1987年にメッセル・ピットに関する国際シンポジウムが開かれ、1990年代に入ってやっと、産業廃棄物集積所になる運命を逃れることができました。
脆弱な岩質のため、特別な化石の保存方法、トランスファー法が開発された。
ドイツ・メッセルピットで採集されたヘビの全身骨格化石。弊社売却化石。
メッセル・ピットの化石、特に哺乳類の化石には独特の保存方法が採用されてきました。
1970年代、メッセル・ピットでの主な化石の採集方法は、まず大きな石を取り出し、層理面に沿って、薄く石を剥いでいくことからはじめました。母岩が頁岩のため、薄い石が何枚も重なっているような状態です。
この頁岩は瀝青質、つまりオイルを含んでいるため、乾くと、縮み、破損が起こります。そのため、研究室やクリーニング施設に運搬する間は、湿った状態に保つ必要がありました。当時は、水を通さないプラスチックなどで包んで湿度を維持したようです。
室内に運搬できたら、1960年代に開発された、移し替え(Transfer)のテクニックが用いられました。
化石の湿度を維持した状態で、顕微鏡等で確認しながら、骨のまわりの母岩(頁岩)を慎重に取り除いていきます。出来得る限り除去したら、なんと樹脂で全体を覆うのです。
樹脂が固まると全体をひっくり返して、裏側も同様に母岩を慎重に除去していきます。そして、再び出来得る限り、骨を露出させるのです。
最終的に、樹脂のなかに骨(の化石)だけが保存されることになります。樹脂で固定されているため、もう化石が傷む心配がありません。
一部のメッセル・ピットの化石が樹脂のなかに浮かぶように保存されているのは、このためなのです。
トランファーのテクニックとは、骨だけを残し、周囲を脆い頁岩から強固な樹脂に移し替え(Transfer)る、という意味です。脊椎動物には特に有効だったようです。こうして、瀝青質の頁岩という強敵を見事に手なづけることに成功しました。
メッセル・ピットから産する化石の保存状態が良い理由
ドイツ・メッセルピットで採集されたコウモリの全身骨格化石。弊社販売品。
メッセル・ピットから産する化石のなかには、軟体部が保存されているものも存在します。
通常、骨以外は化石として残りません。
ところが、メッセル・ピットの地層のある特徴が、これを可能にしているのです。
メッセル・ピットはオイル・シェールが採れることで有名です。15%のケロジェン(石油)が含まれていて、これは石油の原料として価値が高く、ゆえに開発の対象となったのです。
普通の堆積環境では、オイルを含め有機物はバクテリアに分解されますが、なぜかメッセル・ピットでは、それが起こりませんでした。一説によれば、5000万年前の当時、亜熱帯雨林で、湖底には大量の藻が集まっていたとされています。すると、湖底には酸素が不足し、有機物が分解されなかった可能性があります。
有機物が分解されないままでいると、ケロジェン、すなわち石油に変わります。生物の遺骸も分解が進まず、極めて保存状態の良い化石になった可能性は十分に考えられます。
メッセル・ピットから比較的大きな哺乳類の化石が見つかる理由
メッセル・ピットから、コウモリ、ネズミ、鳥、ウマなど比較的大きな哺乳類の化石が採集されます。
一方で、昆虫類の化石は比較的少ない、という特徴があります。
これは、ある程度の体重がなければ、湖底に沈まず、湖面に浮いてしまい、化石にならないから、という説が有力です。