- 化石セブン【HOME】
- 化石販売
- その他の化石の販売
- 哺乳類
- 50年の歴史を持つスーパーコレクション!現地国立大学の著名研究者による鑑定書付き。ドイツ・メッセルピット産の哺乳類、マクロクラニオン・ツパイオドン(Macrocranion tupaiodon)のパーフェクト化石。軟組織あり
50年の歴史を持つスーパーコレクション!現地国立大学の著名研究者による鑑定書付き。ドイツ・メッセルピット産の哺乳類、マクロクラニオン・ツパイオドン(Macrocranion tupaiodon)のパーフェクト化石。軟組織あり/【ot2198】
日本全国送料0円 この商品について質問する 探して欲しい商品がある
SOLD OUT 売却済み | スマホ向けサイトのトップページはこちら
こちらは特別な化石です。説明を最後まで完読していただきますようお願いします。ドイツ・メッセルピットで採集されたマクロクラニオン・ツパイオドン(Macrocranion tupaiodon)の全身骨格化石です。欠けたところが一切存在しない、完全な標本です。マクロクラニオンといえばレプリカしか存在しないと思っていませんか。確かにそうなのですが、この標本だけは違います。正真正銘のマクロクラニオンのオリジナル化石です。詳しくは後述しますので、最後までお読みください。
この化石の凄みの説明に入る前に、メッセルピット産の化石について、簡単にご説明します。化石の名産地の一つとして多くの図鑑に掲載されているメッセルピット。なぜこんなに有名なのでしょうか。1995年に世界遺産に登録された、ということもありますが、その裏には、一般的な化石産地では考えられないほど上質な化石が採集される点があります。5000万年前のメッセルピットは鬱蒼とした森林で、大きな池があったと考えられています。その池は瀝青質で、一度、没入し抜けられなくなると、油分でコーティングされ、酸化されにくい嫌気性の環境であったと推測されています。つまり、骨はもちろんのこと、通常であれば腐ってしまう軟組織が保存されうる環境でした。
事実、後述しますが、こちらの標本にも、軟組織が保存されています。詳しい説明に入る前に、この化石の生物、マクロクラニオンについて簡単にご紹介しましょう。マクロクラニオンは、およそ5000万年前に棲息していたハリネズミに似た哺乳類でした。この写真をご覧いただくと分かりますが、非常にしっかりとした大きく長い後肢と、回転の良さそうな短い前足を持っています。これの意味するところは、マクロクラニオンは俊敏で足が速かったということ。鬱蒼とした当時の森林を、高速で駆け抜けることができたのでしょう。
そして、この写真を御覧ください。鋭い歯列が存在します。マクロクラニオンは昆虫を捕食していたハンターだと考えられています。鋭い歯を持っていたことが理由の一つですが、実際に、マクロクラニオンの胃の化石からアリが発見されています。このことから植物、昆虫ともに食べた雑食性の生物であったと考えられています。胃のような軟組織が化石として発見されるのか、という疑問を持つかもしれません。まず事実としてそのような事例があるということ、そして、前述のように、油分がコーティングされ、酸化しにくい極めて特殊な環境出会ったことを考えれば、さほど不思議なことではないようです。
そして、ご注目いただきたいのが、この体の中央部分。アバラ骨下あたりです。実はこの化石は、ドイツの有名国立大学の著名な教授による鑑定書が付属しています。その中でも触られていることですが、このアバラ骨下付近の複雑な凹凸は軟組織である可能性が高いのです。臓物の一部などですね。通常では考えられないことですが、メッセルピット産の標本ではありえないことではありません。
冒頭でこの化石は特別だと申し上げましたが、その理由の一つが、この標本には鑑定書がついているということです。メッセルピット産の化石は、1995年に世界遺産に登録されたこともあって現在では採集が禁止されていて、新たに手に入ることはありません。この化石は採集が可能だった1970年代に手に入れられ、その後、しばらくして、ドイツの国立大学で鑑定されました(今回、オーナーになられる方には、大学名や研究者の入った鑑定書のコピーをおつけします)。その後、日本に輸入され、長くコレクターのもとで眠っていた、非常に希少なオールドコレクションです。人に歴史あり、と言いますが、化石にも歴史あり。1970年代から始まった長旅を続け、現在弊社にたどり着きました。また、レントゲンによるX線透過画像もありますので、こちらもコピーをお渡しします。なぜX線透過画像を撮影したかまでは記載がありませんが、想像はできます。メッセルピット産の化石は、非常に脆い頁岩でできているため、採集は困難を極めます。すぐにボロボロに崩れてしまうのです。そこで、当時の採集者たちは知恵を絞り、一つの方法を編み出します。化石が発見されたら周囲を樹脂でしっかりと固めたあと、それを裏返し、化石本体の以外の母岩を少しずつ除去していくのです。この方法だと最終的に、化石本体の部分以外は樹脂として残ることになります。他産地の標本と明らかに異なる点です。これらを確認するために、レントゲン(X線透過検査)を撮影したものと追われます。なかなか大学などの公的機関でなければ実施できない鑑定方法で感心します。X線といっても蛍光X線検査やCT検査ではありませんが、X線画像では樹脂と化石(石)部分の境界線がはっきりと判明しています。オーナーとなった方はぜひ、実物とレントゲン画像のコピーを見比べてみてください。
こちらが、前肢。いかに保存状態が良いか、一目瞭然です。感動的と言ってもよいほど。
こちらはマクロクラニオンの脚力を生み出している2本の後肢。節々が発達していていかにも強靭そう。これで足が遅かったとは考えられませんね。
尾まで完全に保存されています。レントゲンでも樹脂と本体部分の境界線が明瞭です。
樹脂部分はきれいにカットされ、スタンド置きしたときに安定します。外観も計算された見事なコレクションです。
鋭くもわずかに丸みを帯びた歯。昆虫を捕食するのにも、植物を砕くのにも適していそうです。マクロクラニオンの化石はヨーロッパの他、北米でも発見されていますが保存状態の良いものはメッセルピット産の限られます。メッセルピットでは2つの種が確認されていて、一つはこのM tupaiodon(ツパイオドン)、もう一つはM tererumです。tererumは背中にトゲが確認されていて、もう少し体躯が小さいのが特徴です。
こちらは裏面。メッセルピット産の化石がなぜこのように整然としているか、については前述の樹脂のくだりをご確認ください。当時のコレクターの努力、執念の賜物です。
中央にバランス良く鎮座するマクロクラニオン。まとまった四肢を見つめていると、うっそうとした森林地帯を駆け抜けている姿が浮かんできます。5000万年前といえば、恐竜時代が終わり、およそ1500万年が経過した頃。哺乳類が台頭してきた時代です。
100円玉との比較。レントゲン写真やドイツの国立大学の名前と鑑定主の教授の名前が記された鑑定書がついた、極めて付加価値の高い、マクロクラニオンの全身骨格標本です。しかも欠けたところのないパーフェクトな化石です。今や入手ができないメッセルピット産の化石です。採集が可能だった1970年代に見つかり、現地大学で鑑定後、日本のコレクターのもとで大切に保存されてきた希少商品です。コレクションとして半世紀近い歴史を持っています。まさにプライスレス。その価値は計測不可能と言って良いでしょう。冒頭の繰り返しになりますが、こちらは完全な本物化石です。マクロクラニオンといえばレプリカばかりですが、こちらは50年の歴史を持つ正真正銘のオリジナルの化石なのです。全世界を見渡して数点しか存在しない、極めて希少な標本です。
商品スペック
商品ID | ot2198 |
---|---|
年代 | 新生代(6600万年前 -- 現在) |
学名 | 50年の歴史を持つスーパーコレクション!現地国立大学の著名研究者による鑑定書付き。ドイツ・メッセルピット産の哺乳類、マクロクラニオン・ツパイオドン(Macrocranion tupaiodon)のパーフェクト化石。軟組織あり |
産地 | Germany |
サイズ | 本体直線計測21cm プレート全体39cm×25cm×厚0.6cm |
商品解説 | 50年の歴史を持つスーパーコレクション!現地国立大学の著名研究者による鑑定書付き。ドイツ・メッセルピット産の哺乳類、マクロクラニオン・ツパイオドン(Macrocranion tupaiodon)のパーフェクト化石。軟組織あり |
この商品を購入されたお客様のお声
貴重なメッセルピットの完璧な標本をありがとうございました。メッセルピットの標本といえば、たまに魚類が市場に出るくらいですが、こちらではヘビ、コウモリに続いて今回の第3弾、これは特にすごい標本だと思います。ヘビは迷っているうちにsold outになってしまいましたが、今回は偶然夜中にメルマガでこれを知り、すぐに購入を決めました。高価ではありましたが、二度と入手の機会が無いであろう稀少性、それに加えてこれ以上は望めない完璧な標本、さらには魅力を高める付属資料などなど、価格に見合うgood dealだったと思います。
北海道/男性
ドイツの世界的化石名産地、メッセル・ピット(Messel pit)とは?
世界的な化石の産地、メッセルピットとは?
ドイツ・メッセルピットで採集されたマクロクラニオン・ツパイオドン(Macrocranion tupaiodon)の全身骨格化石。弊社売却化石。
メッセル・ピットはおよそ5000万年前の生物の化石を産することで知られています。5000万年前といえば哺乳類が大繁栄を迎える少し前の時代です。6500万年前に白亜紀、すなわち中生代が終了し、陸上においては恐竜、海中においては海生爬虫類が絶滅しました。その後哺乳類と鳥類が、恐竜と翼竜に替わって、その地位を占めました。始新世の中頃(およそ4000万年前頃)には、現世の哺乳類の多くの目(もく、大まかなグループのこと)が出現しています。
その時期には、まだ北米とヨーロッパは陸橋によってつながっていました。そんな中で、現在のドイツにあるグルーベ・メッセルは、当時、湖水群の一角にあったことが分かっています。
メッセル・ピットでは哺乳類を中心に多数の化石が採集されています。その保存状態は驚くほど良好です。
もともと、メッセルピットは炭鉱だった。
ドイツ・メッセルピットで採集された鳥の全身骨格化石。弊社販売化石。
1995年に世界遺産に登録されたメッセル・ピットですが、化石の採集の歴史は古く、1875年にさかのぼります。このとき、ワニの化石が発見されたことを皮切りに、その後20世紀にたくさんの化石が発見、採集されました。
メッセル・ピットはピットの名にあるように、もとは炭鉱で、赤鉄鉱を目的に採掘が開始されました。その後、オイルシェールの採掘が始められ、その活動のなかで化石が多く見つかりました。
1970年代に入ると、州政府が産業廃棄物の集積場にしようと計画をしたため、多くのアマチュア化石愛好家、研究者、学者から反対の声が上がり、廃棄物で埋められてしまう前に、貴重な化石を採集、保存しようと採集熱が高まった、という経緯があります。
その後、1987年にメッセル・ピットに関する国際シンポジウムが開かれ、1990年代に入ってやっと、産業廃棄物集積所になる運命を逃れることができました。
脆弱な岩質のため、特別な化石の保存方法、トランスファー法が開発された。
ドイツ・メッセルピットで採集されたヘビの全身骨格化石。弊社売却化石。
メッセル・ピットの化石、特に哺乳類の化石には独特の保存方法が採用されてきました。
1970年代、メッセル・ピットでの主な化石の採集方法は、まず大きな石を取り出し、層理面に沿って、薄く石を剥いでいくことからはじめました。母岩が頁岩のため、薄い石が何枚も重なっているような状態です。
この頁岩は瀝青質、つまりオイルを含んでいるため、乾くと、縮み、破損が起こります。そのため、研究室やクリーニング施設に運搬する間は、湿った状態に保つ必要がありました。当時は、水を通さないプラスチックなどで包んで湿度を維持したようです。
室内に運搬できたら、1960年代に開発された、移し替え(Transfer)のテクニックが用いられました。
化石の湿度を維持した状態で、顕微鏡等で確認しながら、骨のまわりの母岩(頁岩)を慎重に取り除いていきます。出来得る限り除去したら、なんと樹脂で全体を覆うのです。
樹脂が固まると全体をひっくり返して、裏側も同様に母岩を慎重に除去していきます。そして、再び出来得る限り、骨を露出させるのです。
最終的に、樹脂のなかに骨(の化石)だけが保存されることになります。樹脂で固定されているため、もう化石が傷む心配がありません。
一部のメッセル・ピットの化石が樹脂のなかに浮かぶように保存されているのは、このためなのです。
トランファーのテクニックとは、骨だけを残し、周囲を脆い頁岩から強固な樹脂に移し替え(Transfer)る、という意味です。脊椎動物には特に有効だったようです。こうして、瀝青質の頁岩という強敵を見事に手なづけることに成功しました。
メッセル・ピットから産する化石の保存状態が良い理由
ドイツ・メッセルピットで採集されたコウモリの全身骨格化石。弊社販売品。
メッセル・ピットから産する化石のなかには、軟体部が保存されているものも存在します。
通常、骨以外は化石として残りません。
ところが、メッセル・ピットの地層のある特徴が、これを可能にしているのです。
メッセル・ピットはオイル・シェールが採れることで有名です。15%のケロジェン(石油)が含まれていて、これは石油の原料として価値が高く、ゆえに開発の対象となったのです。
普通の堆積環境では、オイルを含め有機物はバクテリアに分解されますが、なぜかメッセル・ピットでは、それが起こりませんでした。一説によれば、5000万年前の当時、亜熱帯雨林で、湖底には大量の藻が集まっていたとされています。すると、湖底には酸素が不足し、有機物が分解されなかった可能性があります。
有機物が分解されないままでいると、ケロジェン、すなわち石油に変わります。生物の遺骸も分解が進まず、極めて保存状態の良い化石になった可能性は十分に考えられます。
メッセル・ピットから比較的大きな哺乳類の化石が見つかる理由
メッセル・ピットから、コウモリ、ネズミ、鳥、ウマなど比較的大きな哺乳類の化石が採集されます。
一方で、昆虫類の化石は比較的少ない、という特徴があります。
これは、ある程度の体重がなければ、湖底に沈まず、湖面に浮いてしまい、化石にならないから、という説が有力です。