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非常に珍しい!まだ使用される前のケナガマンモス(Woolly Mammoth)の巨大な臼歯。/【ot1195】
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御覧ください、この堂々たる様。こちらはケナガマンモス(Woolly Mammoth)の臼歯の化石です。こちらの歯化石には他のものにはない、ある大きな特徴があります。
こちらの写真をご覧ください。これは、歯が植物をすり合わせる側面です。マンモスの臼歯の歯化石を見慣れている人なら、もうお気づきのことでしょう。答えは少し後で。
ところで、この歯化石の素晴らしい点を一つ。まず、とても大きい。横幅25cm近くあり、重さにして3.5kgに達しようかという、まさに”マンモス”サイズの化石だ、ということ。
そして、歯根(歯茎に収まっている根本の部分)から、植物を擦り合わせる部分まで欠損なく、残っている、という点。
そして、一番の驚きは、最初の質問の答えでもあります。擦り合わせの面が未使用であるという点です。普通、擦り合わせの面は、研ぎ石で問いたように真っ平らになっています。ところが、この歯化石は、この写真のように、まだ研がれていないのです。なぜこんなことが起こるのでしょうか?この歯の主はなぜこの歯を使わなかったのでしょう?
研がれていない面。
その面を拡大。ほとんど磨耗していない”未使用”状態であることが一目瞭然ですね。
こちらは根本に近い部分。
さて、この立派な臼歯がなぜ”未使用”状態であったか。その謎を解くには、マンモスの歯について深く知る必要がありそうです。マンモスと現世のゾウ、とくにアジアゾウは非常に近い関係にあります。ゾウの歯は、上下に1対ずつ、つまり、4つの臼歯が存在します。これはマンモスも同じです(臼歯とは、この写真のような一個体を指します)。
この臼歯を上下から擦り合わせて、硬い植物を食べます。恐竜などと違い、ゾウの臼歯は無限に生えて来ることはないのですが、一生のうち、数度、生え変わります。人間の歯の生え変わりと違い、ゾウの場合は、口奥から前に歯がスライドします。生え変わりというより、歯のベルトコンベア式に移動すると言ったほうが正確かもしれません。現世のゾウは、6度、歯が入れ替わるのだそう。
マンモスも現世のゾウと同様に、歯が後ろから前にベルトコンベア式で移動してきたと考えられます。この”未使用”の歯はまさにその証拠。この歯化石はメインで使用している歯の後方に控えて待っていたのでしょう。
したがって、このように、まだ全くすり減っていない、というわけです。マンモスの歯化石は、洗濯板に例えられることからも分かるように、すり減って平になっているのが普通です。弊社で過去に販売した高品位標本を御覧ください。摩耗の状態がよく解ります。https://www.kaseki7.com/items_fossil/ot/981.html
本歯として使用される前に、何らかの原因で主が死亡してしまい、未使用のまま化石になったと考えられるのです。人間やサーベルタイガー等の強力なハンターに襲われたか、定かではありませんが・・・。
こちらは根本の部分。臼歯の構造が鮮やかに残っています。
横面のしわしわの箇所。
これだけ大きな臼歯ですので、主は成体であったと考えるのが普通です。
赤いマークは10cm間隔です。レプリカと見間違うほどの保存状態の良さ。
100円玉と比較すると、そのサイズが際立ちます。非常に珍しいマンモスの臼歯の”未使用”品です。これから使用することもできませんが・・・。いずれにしましても、大変珍しい標本です。
商品スペック
商品ID | ot1195 |
---|---|
年代 | 新生代第四紀(260万年前 -- 現在) |
学名 | 非常に珍しい!まだ使用される前のケナガマンモス(Woolly Mammoth)の巨大な臼歯。 |
産地 | Russia |
サイズ | 24.3cm×17cm×8.6cm 3475g |
商品解説 | 非常に珍しい!まだ使用される前のケナガマンモス(Woolly Mammoth)の巨大な臼歯。 |
マンモスとは?
人類 VS マンモス
先史時代の人類とマンモスとの関わりを示す様々な遺跡が見つかっている。ヨーロッパの洞窟では、旧石器時代に描かれたとされるマンモスの洞窟壁画が残されている。古代人は集団でマンモスの狩を行っていたと考えられているが、あの巨大なキバでの攻撃には相当てこずったであろう。
マンモスは長鼻目ゾウ科マンモス属に属する大型の哺乳類の総称である。現生のゾウの類縁にあたるが、直接の祖先ではない。
画像「マンモス」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』。URL:http://ja.wikipedia.org
時代と生息地域
約400万年前から1万年前頃(絶滅時期は諸説ある)まで。日本、シベリア以外のユーラシア大陸はもとより、アフリカ大陸・アメリカ大陸にも広く生息していた。特に南北アメリカ大陸に生息していたコロンビアマンモスは、大型・短毛で且つ最後まで生存していたマンモスとして有名である。現在は全種が絶滅している。
マンモスの巨大な牙
全長3.2mに達することもある巨大な牙が特徴である。これは現生の象からは考えられないほど巨大である。
画像「マンモス」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』。URL:http://ja.wikipedia.org
最も古いマンモス
最古のマンモスは、約500万~400万年前、北アフリカにおいて生まれたと考えられている。これはちょうど人類が祖先が発生したのと同じ時代。
マンモスの絶滅
更新世末期にあたる約4万~数千年前に、多くの大型哺乳類と共にマンモスは絶滅した。原因は未確定であるが、氷河期末期の気候変動に伴う植生の変化を原因とする説がある。その他の仮説としては、ヒトの狩猟の対象になったことを原因とするものがある。また、アメリカ大陸のコロンビアマンモスの化石の検証から、伝染病説が最近の有力な仮説として提唱されている。
ユタ州先史博物館 画像「マンモス」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』。URL:http://ja.wikipedia.org
今でも生きている?
最後のマンモスは、紀元前1700年頃に、東シベリアの沖合にある北極海(チュクチ海)上のウランゲリ島で狩猟されたという説が提起されている。また、1600年前後に、シベリアで山賊退治の騎士達が毛の生えた大きな象の目撃情報があるが、定かではない。まだまだロマンのつきない伝説の哺乳類であることは間違いなさそうだ。
パリ国立博物館 画像「マンモス」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』。URL:http://ja.wikipedia.org