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ポリプチコドンの歯化石(プリオサウルス類)/【di402】
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海生爬虫類プリオサウルスの一種、ポリプチコドンの歯化石の登場です!
プリオサウルスは、ジュラ紀から白亜紀の海に生息した、肉食の海生爬虫類で、とてもユニークな特徴を併せ持つ海の怪物君です。
まず、この名付け親がすごい人です。リチャード・オーエン氏というイギリス人の古生物学者なのですが、彼は「恐竜(英語でダイノサウリア)」という造語をつくった、イギリス科学界の重鎮です。恐竜という言葉は、約150年前に彼によって命名されたのです。彼は、プリオサウルスを研究したのち、プレシオサウルス類とワニ類をつなげる、重要な存在として認識しています。
この溝の深さ、筋の数をご覧ください。2.2cmの円錐状の歯に、これだけの筋が歯の表面に刻まれています。1本の歯でこれですから、大きな顎にずらーっと並んだ歯は、恐ろしさこの上ない感じです。一旦つかまったら敵も抵抗不可なのではないかと思われる凶暴すぎる歯です!
素晴らしい歯です。歯根の奥は円錐状の空洞になっています。プリオサウルスのもっとも大きな特徴としては、①首長竜なのに首が短い②頭骨が異常にデカい③歯がワニのように鋭い、という3つが挙げられます。首が短いので、海中でくねくねとする必要はなく、大きな巨体を自由に操って獰猛なハンティングを繰り返していたのです。彼らの歯は、ワニの歯にそっくりなんです。本標本では、一旦捕まえた獲物が離れないように、いくつもの筋が縦に走っているのがわかります。この表面にある溝で、食いついたものを離さない構造を可能にしていました。
これほどの線状跡が鮮明かつきれいに保存されている標本はめずらしいです。保存状態が素晴らしいといえます。
プレオサウルスは、首長竜の仲間です。首長竜の代表格として、プレシオサウルスがよく比較にされますが、名前は似ているくせに、ぜんぜん違うんです。まず、プレシオサウルスは首が長く、頭骨のサイズも約50cmくらいですが、プレオサウルスは、首が短く、頭骨も1mを超える巨大さ。モササウルス類のプログナトドンのような巨大な頭骨です。近年、最も大きい頭骨のサイズとしては、2009年に発表された2.4mというものがあります。あまりに大きすぎて信じられませんが、プリオサウルスのものだそうで・・・。頭骨だけで大人一人がすっぽり埋まります。海の怪物君といわれる所以です。ちなみに推測ですが、体長は16mとされていて2002年にメキシコで見つかったプレオサウルスのものよりも大きいようです。
どの角度から見ても美しいので、文句のつけようがありません。エナメル質もとてもよい状態を保っています。
歯冠部分と歯根部分の堺です。表面の筋の出方が180°違っていて、とても面白いですよね。水生爬虫類で有名でもあり、一番よく見るのは、モササウルス・プラてカルパスの歯です。モササウルス・プログナトドンなどはかなりのレアものですが、さらにプリオサウルス類となれば、海生爬虫類の化石の中でもかなりの個性派となります。ほとんど市場に出回らないレア種といっていいと思います。
本標本が届きましたら、まずはその線状痕に触っていただきたいと思います。0コンマ何ミリの世界で、おびただしい筋が通っています。海生爬虫類ファンにはたまらない逸品です。大切にしたくなる標本の一つとなるでしょう。
商品スペック
商品ID | di402 |
---|---|
年代 | 中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前) |
学名 | ポリプチコドンの歯化石(プリオサウルス類) |
産地 | Cambridegshire, England |
サイズ | 2.2cm(ロングカーブ) |
商品解説 | 巨大かつ獰猛なプリオサウルスの一種として知られているポリプチコドンの歯化石です。 プリオサウルスはジュラ紀から白亜紀にかけて海に生息した海生爬虫類です。 海の怪物といわれるほど、獰猛な顎と歯を持っていたことで知られています。 魚色性のプリオサウルス類に特有の線状痕もはっきり残っと美しい標本です。 本標本は先端までつづく溝が大変美しく、エナメル質の保存状態もよい歯化石です。 海の怪物といわれたプリオサウルス。 最大の特徴はワニの形をした歯です。 この種が市場にでるのは稀です。 水生爬虫類のレアな歯をお求めの方に。 |
プリオサウルスとは?
プリオサウルス(Pliosaurus)とは?
あまり聞きなれないプリオサウルスという名称。どことなく、美味しそうな名前ですが、実際には、そんな可愛いものではありません。
プリオサウルスはジュラ紀から白亜紀に生息した水生爬虫類です。
現代のトカゲの遠縁にあたります。
プリオサウルスの名前の由来はギリシャ語からきています。「よりトカゲに近い生き物」という意味です。
プリオサウルスの名付け親はリチャード・オーエンという、イギリスの古生物学者であり、生物学者です。
彼は、「恐竜」という言葉そのものを作った人物として有名で、英国古生物学会の重鎮でした。
プリオサウルスは、プレシオサウルス類とワニ類をつなげる、進化上重要な存在として位置づけられています。
特に、プリオサウルスの歯の形がワニに近いことから、プレシオサウルスに比べて、よりトカゲに近い存在なのです。
そこから名前が付けられた、というわけですね。
首が長くないのに首長竜??
プリオサウルスは首長竜の仲間ですが、その代表格である、エラスモサウルスと、頭骨の大きさが全く違うことが分かります。エラスモサウルスは、最大も個体でも50cm前後の頭骨の長さですが、プリオサウルスは、まるでモササウルス・プログナトドンのように1mを超える巨大な頭骨を持っています。
なんと!!頭骨の長さだけでも2.4m
2009年に発掘されたプリオサウルスは、分析の結果、頭骨の長さだけで2.4mもあったようです。 そして体長は何と16mにも及んだようです。 まさに海の怪物で、海の生態系の頂点として君臨していました。
プリオサウルスは一方で、首長竜の仲間でありながら、首が比較的短い、という特徴があります。もし首が長ければ、首を自由自在にひねり、比較的小さな魚やアンモナイトを採って食べることになったのでしょう。
むしろモササウルスに似ていた?
がしかし、首が短く頭骨が大きい、歯が非常に鋭いといった点から、捕食スタイルとしては、自在に巨体を操り、獲物に一気に噛む付くような、獰猛なハンティングスタイルを採っていたと考えられています。モササウウルスのなかでも大型種であるプログナトドンのように、捕食対象として、魚、アンモナイトは、もちろん大型のイカや他の肉食性の海性爬虫類も候補に挙がった事でしょう。
プレオサウルスの面白い特徴として、後ろビレが前ビレに比べて大きいことが挙げられます。
これは、前ビレのほうが大きいプレシオサウルスとは逆になります。
いつの時代に生きた?
恐竜の最期の時代、つまり、白亜紀後期(6750から6550万年前)の世界中の海に存在していました。
どんな風に進化した?
このプリオサウルスの不思議なところは、なんといっても、その進化の過程にあります。
そもそも、このシェイプを見て、誰が首長竜の仲間と思うでしょう。
海生爬虫類に少し明るい人であっても、きっと、モササウルスの仲間であろうと直感したことでしょう。
しかし、実際には、首長竜の仲間なのです。
プリオサウルスの祖先は、首長竜の古い種から派生しています。
分類でいえば、プレシオサウルス目までさかのぼります。 プレシオサウルス目の特徴は、"長い首"ではなく、実は、平べったいボディと短い尾、それに、カメのような4本のヒレです。必ずしも長い首を持っているわけではありません。事実、プレシオサウルスの大元の祖先は、ノトサウルスで、この種は、決して長い首を持っていませんでした。どちらかといえば、ワニのような形ですね。
それが長い年月をかけ、徐々に分岐していきます。
代表的なものは、クリプトクレイドゥスやエラスモサウルスといった、一般的によく知られている、首のながーい、首長竜です。プレシオサウルスも、もちろん同じタイプですね。これらは、浅海に生息し、海底のエサをあさったり、ときには海面に首をのばし、小型の翼竜を狙ったのかもしれません。
もうひとつの主流の枝が、プリオサウルス類なのです。短い首に巨大な頭部を持ち、深い海で大型の獲物を狙っていました。
プリオサウルス類とモササウルスの違いは何?
ここで一つの疑問が生まれます。プリオサウルス類は、短い首に巨大な頭部を持っていて、深い海で、大型の獲物を狙っていた。この特徴は、そのままモササウルス・プログナトドンにも当てはまります。
一つの大きな違いはヒレの形状、それにともなう遊泳方法にあったと考えられています。 すなわち、プリオサウルスは首以外は、プレシオサウルスらと同じ特徴を持っていました。その独特のヒレの形状や体への付き方から、相当素早く泳ぐことができた、と考えられています。一方、プログナトドンはモササウルスの仲間であり、その泳ぎ方は、プリオサウルスとは違ったと考えられています。それほど高速に泳ぎ回ることはできなかったのかもしれません。
化石標本としての価値
いずれにせよ、このプリオサウルス。海生爬虫類の中でも、大変な個性派で、化石の入手も困難です。
海生爬虫類の定番の標本といえばモササウルス・プラテカルパスの歯ですが、実はそれ以外の標本はなかなか手に入りにくいのが事実です。 プログナトドンとなれば、さらに数は少ないですし、プリオサウルス類となれば、さらにレアと言ってよいでしょう。
海生爬虫類と一口にいっても、恐竜以上に奥の深い世界が広がっています。まさに海のように深いコレクションワールドなのです。
画像「Pliosaurus」『フリー百科事典ウィキペディア』。URL:http://ja.wikipedia.org