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恐竜を追った人びと―ダーウィンへの道を開いた化石研究者たち
恐竜については誰でも知っているが、その発見の過程とダーウィンの進化論の誕生とが絡み合っていたことはほとんど知られていない。それを解き明かした本書には、神秘のベールに包まれていた太古の世界の動物について、しばしば断片化していた化石を集めて理解するために苦闘した、並はずれた化石研究者たちが登場する。オックスフォード大学の地質学の初代教授だったバックランド、その親友の聖職者であり古生物学者のコニベア、探索に明け暮れた女性の化石販売業者アニング、化石に憑かれた医者で古生物学者のマンテル、化石修復に異能を発揮した奇人の収集家ホーキンズ、フランスのキュヴィエに並ぶ名声を博した解剖学者であり、「恐竜」の名づけ親オーウェン、バックランドの弟子で弁護士だったライエル、そのライエルの『地質学原理』を抱えてビーグル号の航海に出たダーウィンなど、19世紀の英国に生きたこれら個性的な人たちが、互いに絡んで、次々と繰り広げた化石の発見からその売買にいたるまでの事件や行動が活写される。まさに科学とは無味乾燥で退屈であってはならないことを示した、ノンフィクション・ドラマと言えるだろう。
目次
海辺の竜
聖書と岩石
チョーク採石場と蛭
暗黒の世界
意外な新事実
イグアナの歯
もっともな原因
もっとたくさんの巨獣
自然を改良する
コーニグ氏遺憾とする
教授と博物学者
地すべり、氷河そして暴動
恐竜と種について
衰退と死
海のほとり