石炭紀の巨大植物レピドデンドロンの正体
皆様、巨大植物レピドデンドロンをご存知でしょうか?
レピドデンドロンは、別名鱗木(りんぼく=うろこの木)ともいい、幹の模様が
ひし形のユニークな模様をしていることで有名です。
今回は面白いレピドデンドロンのお話を。
緑色のうろこの木!?
レピドデンドロンという面白い名前は、我々が恩恵をうけている石炭のもとができた時代、
石炭紀に栄えた植物です。別名を鱗木(りんぼく)と言い、「鱗」は訓読みで「うろこ」と読みます。
うろこというと、魚のうろこを想像しますが、何とこの木の幹の表面には、うろこ状の模様が見られるのです。
この模様の正体は葉っぱのあとです。葉っぱはひし形のかたちをしていました。
レピドデンドロンは生育するにしたがって、下のほうから葉が落ちていきます。
葉の落ちたあとが、幹と茎に残されたのです。
ですから、このユニークな幹の模様は葉痕ということになります。
ちなみに、葉痕は気孔(きこう:水蒸気の通路)があることから、
緑色の光合成組織から作られていたようです。
現生では、幹の色は「茶色」と決まっていますが、何とレピドデンドロンの場合は
幹の色が「緑色」だったということになります!
どうしてそんなに巨大なの?
レピドデンドロンは何と高さが40mもある巨大な木です。
この木が栄えた頃の地球は、年間を通してあまり気候の変化はなく、
一年中熱帯気候であったといわれています。
そうすると、森林もたくさん増え、大気の中の酸素濃度も上がりました。
現在は21%といわれる酸素濃度が、当時は35%もあったそうです。
植物や動物が大きくなる環境が整ったのが、石炭紀でした。
これらの環境が整って、高さ40mにもなる木が存在できたのでした。
二股に分かれる木レピドデンドロンは二股に分かれる木として有名です。
どういうことかというと、枝も根も、先端が2またに分かれて成長するのです。
茎の端には胞子穂があり、胞子で繁殖していました。
ちなみに、レピドデンドロンは木質の部分がほとんどありません。
どちらかといえば、巨大な木というより巨大な草という表現が適切かもしれません。
どこまでも不思議な植物ですね!
近々、この珍しいレピドデンドロンの大きな化石をアップいたしますのでお楽しみに。。。