こちらは約1億年前の琥珀、バーマイトです。ここ数ヶ月、特にバーマイトの仕入れに力を入れています。バーマイトの内包物は、他産地のそれと比べると非常に多様で見ていて飽きません。今回の標本はこれまでにない不思議な産状が見られます。こちらの写真では、どうやら虫が自然に分解しているようです。
こちらの標本は非常に薄く、扁平な形状をしています。これまで扱ったどの標本よりも扁平で、基本的にとてもクリアなので、内部が見やすく、内包物がよく確認できます。薄くカットされたのではなく、もともと薄い琥珀だったと考えられます。おそらく、圧力によって時間をかけて扁平になり、先ほど紹介した虫のように崩れて分解したのではないかと思われます。
写真上側が頭部で触角が見られます。胸部、腹部があり、それぞれから脚が見られます。
こちらには、有機物の一部と思われる物体が保存されています。注意深く見ると、非常に細かい雄しべのような物体が多数見られます。バーマイトは約1億年前の樹液が化石化したもので、周辺の植物片などを巻き込んでいます。特に黒い内包物が多いのは焼け焦げた植物片だとされ、これらから自然火災が頻繁に起きていた地域だったという説もあります。ときに100年前の缶詰や缶タバコ、ワインなど、信じられないほど古い有機物が見事な状態で保存されることがありますね。これは酸素や水分を取り除くことで酸化や風化を防いだ結果によるものですが、琥珀は自然にその状態を作り上げているのです。重合によって硬く封印された琥珀の内部は、外部環境から遮断され、酸化や風化とはほぼ無縁の世界です。本来なら簡単に失われてしまうはずの虫や植物片が、数千万年経っても当時の状態を維持していることがあります。そのような特性から琥珀が「古代からのタイムカプセル」と呼ばれます。
ロンドン自然史博物館の研究により、バーマイトの内包物に白亜紀の物体が含まれていることが分かり、恐竜時代に起源を持つことが判明しました。こちらは光を後ろから当てて撮影したものです。
バックライトを当てずとも、内部を見通せます。
左右23ミリほどあります。
100円玉との比較。約1億年前の樹液が化石化した、ビルマ産の琥珀、バーマイトです。
価格:¥3,200
商品ID:ot3814
時代:中生代白亜紀(1億3500万 -- 6600万年前)
産地:Myanmar
サイズ:2.3cm×1cm×厚0.1cm
商品説明:厚み1ミリ!それでも虫を内包!約1億年前の樹液が化石化した、ビルマ産の琥珀、バーマイト(Burmite)
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