こちらは極めて希少な、マニア向けのコレクティブアイテムです。皆さまはフィトサウルスをご存知でしょうか。おそらく、ほとんどの方はご存知ないでしょう。フィトサウルスは恐竜が地球に誕生する前に、生息していた、現世のワニに似た見た目を持つ、生物です。なんと2億数千万年前に生息していた古い生物であり、そうした古い時代の化石はなかなか見つかりにくいのが現状です。三畳紀の標本でありながら、かなり状態が良く、しかもラージサイズです。
フィトサウルスはワニに見た目が似ていますが、歯の形に関しては実は似ていない点があります。フィトサウルスの歯には、稜線(歯の側面に尖ったライン)があります。一方、ワニの歯はスピノサウルスの歯のように側面はほぼ滑らかです。つまり、歯の形においてフィトサウルスとワニは明確に異なる特徴を持っているのです。
そして、やや扁平である点も、現世のワニの歯とは異なります。どの恐竜の歯とも似ていない、不思議な形をしています。
扁平ではあるもの、こうしてボリュームがあり、稜線が存在します。歯は食性(何を食べていたか)を表すといいますが、この歯は基本的に突き刺すことに特化しつつも、「切る」こともできるフォルムをしています。
フィトサウルスという名前には、「植物を食べる爬虫類」という意味がありますが、これは発見当時、植物食だと誤って認識されたためです。実際には当時の食物連鎖の頂点に君臨していた肉食生物だったと考えられています。
成長すると4メートルに達する、非常に大きな生物でした。現世には直接の祖先はおらず、幻の生物と言って良い存在でしょう。三畳紀には世界的に繁栄していたとされていますが、三畳紀末の大絶滅に巻き込まれ地球上から姿を消しました。その後、恐竜が大地を闊歩し、現世のワニの祖先が現れます。それらワニの祖先はフィトサウルスをはじめとする植竜類から収斂進化(※)した姿だという説があります。※収斂進化とは、生物学的には異なる生物が似た外観を持つように進化する現象を指します。たとえば、魚竜とイルカ、翼竜や鳥など、全く異なる生物でありながら、外観が似ているケースが存在します。
根本から撮影。非情に分厚く頑強な歯化石です。フィトサウルス類の歯化石としてはかなり太く長い、立派な標本です。
ロングカーブ計測で26ミリ。
100円玉との比較。非常にレアといってよい、恐竜誕生前の、食物連鎖の頂点に君臨していた生物、フィトサウルス類の歯化石です。
価格:¥28,000
商品ID:ot3428
時代:中生代三畳紀(2億5100万 -- 1億9500万年前)
産地:Arizona, U.S.A.
サイズ:ロングカーブ計測2.6cm
商品説明:レア、恐竜が誕生する前の王座に君臨していた生物、フィトサウルス類(Phytosaur)の歯化石。Chinle Formation
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