こちらは、ベレムナイトのロストラム(やじり)の化石です。ベレムナイトはジュラ紀から白亜紀にかけて繁栄した頭足類で、アンモナイトやイカ、タコなどと広義では同じグループに分類されます。その特徴は、まっすぐに伸びた長い殻で、化石として残るのはその先端部分、いわゆる鏃(やじり)の部分です。この部分が「ロストラム」と呼ばれています。ベレムナイトの存在は知られているものの、その全体の形が残った化石はなかなか目にすることが少ないため、貴重なものです。ラゴニベラス・ヴォルゲンシス(Lagonibelus volgensis)と同定されています。
このロストラムが浮袋の役割を果たしていたという説が有力です。この比較的軽いロストラムを持つことで、浮力を得ていたのではないかと考えられています。ベレムナイトは現世のイカのような姿に復元されますが、イカにはロストラムはありません。代わりに、空気を溜めることができる部屋を持っており、水中で浮力を調整することができます。ベレムナイトのロストラムが、イカの空気室に進化したのかもしれませんね。
鏃(やじり)とは矢の先端部分を指しますが、たしかに、そっくりですね。
先端から根本まで立体的で、圧縮などを受けていない状態の標本は珍しいです。
ロストラムはベレムナイトの胴体の約1/3を占めるとされていますので、標本が6センチ強であることを考えると、この個体の胴体はおおよそ20センチ弱だったと推定できます。
断面は筒のように空洞になっており、内部には空間が広がっています。断面のみが残された化石もありますが、その場合、内部に堆積物が充填されていることがあります。
左右61ミリほどあります。
100円玉との比較。ベレムナイトのロストラムの全形が立体的に保存された標本です。
価格:
商品ID:an2546
時代:中生代ジュラ紀(1億9500万 -- 1億3500万年前)
産地:Moscow, Russia
サイズ:本体直線距離6.1cm
商品説明:全形が立体的に保存された珍しい標本、ロシア・モスクワ産のベレムナイト、ラゴニベラス・ヴォルゲンシス(Lagonibelus volgensis)のロストラムの化石
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