こちらはフランス・アヴェロンで採集された黄鉄鉱化アンモナイトです。黄鉄鉱化アンモナイトとはなんぞ?と思うかもしれません。アンモナイトの殻が海底深くに埋まり、長い時間をかけて水に含まれる鉄と硫黄によって置き換わり、黄鉄鉱という鉱物に変わったものです。面白いのは全体的な形状や縫合線といった特徴はそのままに、成分だけが入れ替わっているところです。
アンモナイトの殻は主に炭酸カルシウムやアラゴナイト(霰石)でできていたと考えられています。現代の巻き貝なども同様に炭酸カルシウムでできています。これらが、少しずつ黄鉄鉱へと変化していったのでしょう。
フランスのアヴェロンからは、こうした黄鉄鉱アンモナイトがよく見つかります。しかも保存状態が大変良好です。発見されるのはほぼジュラ紀の標本に限られます。
殻に細かな引っかき傷のようなものがたくさん見えますね。これを縫合線と言います。縫合線とは文字通り、縫い合わせたような痕に見えますが、当然、縫ったわけではなく、殻にもともと備わっていた構造が露出したものです。殻の内部は詰まっていたわけではなく、網目構造のように入り組んでいました。これはできるだけ軽量化しつつ、強さを保てるように進化した結果だと考えられています。古い時代のアンモナイトほど、この縫合線はシンプルなんですね。古生代から中生代、中生代のなかでもジュラ紀、白亜紀と時代が進むごとに、より複雑化していく傾向にあります。より強力な天敵に対応するためだったのかもしれませんね。
黄鉄鉱化アンモナイトは、崩れていることが多いのですが、この標本は非常に均整が取れており、美しい個体です。
側面から撮影しました。縁部は少し尖っており、ラインがあります。
直径最大部21ミリほどあります。
100円玉とほぼ同じ大きさです。ちなみに100円玉の直径は22ミリから23ミリ前後となっています。
価格:¥6,200
商品ID:an2537
時代:中生代ジュラ紀(1億9500万 -- 1億3500万年前)
産地:Aveyron, France
サイズ:本体直径2.1cm
商品説明:均整の取れた非常に美しい標本、フランス産黄鉄鉱化アンモナイト(Ammonite)
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