こちらは維管束を備えた最初の植物であるタエニオクラダの化石です。維管束とは、植物の内部にある器官の一つで、水分や栄養分を植物全体に行き渡らせる管のことです。種子植物にだけ備わっている器官です。
具体的にはどんな植物を指すのでしょうか。維管束を持つ植物として知られるのはシダ植物と種子植物(裸子植物とシ被子植物)です。このタエニオクラダはその起源とも言える存在です。
古生代デボン紀に誕生したとみられるタエニオクラダの最大の特徴は太くて硬そうな茎です。
この化石においてもその特徴が存分にあらわれています。
枝分かれした太い管を持つ多数の茎。
タエニオクラダが誕生したと見られる古生代デボン紀はいったいどんな時代だったのでしょうか。海中ではダンクルオステウスなどをはじめとする板皮類が繁栄し、硬骨(こうこつ)魚類が徐々に台頭し始めました。古型の頭足類であるゴニアタイトや初期のオウムガイが現れます。世界最古の木とされるアーケオプテリスが現れ、地球上に森林が形成され始めた時代でもあります。陸上に動物が進出しはじめますが、まだまだ海中生物が主役の時代と言えるでしょう。「魚の時代」と呼ばれることもあります。
タエニオクラダも水辺に群生していたと見られています。
この標本は全域に茎が見られる非常に状態の良いものです。
接写するとディティールが保存されていることが分かります。
100円玉との比較。維管束を持った最初の植物と目されているタエニオクラダの、非常に上質な化石です。
価格:
商品ID:ot1591
時代:古生代デボン紀(4億1000万 -- 3億6700万年前)
産地:Rhineland, Germany
サイズ:9.5cm×7.7cm×厚2.5cm
商品説明:デボン紀ドイツ産、維管束を備えた最初(最古)の植物、タエニオクラダ(Taeniocrada dubia)の化石。ディティールが残された上質品。
この商品は売却済みです。
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