珪化木と石炭の違い
昨日に引き続き、木の化石珪化木(ケイカボク)について。
珪化木と石炭の違いは何でしょう?
両者はどちらも植物化石なのですが、
用途と最終形態があまりに異なります。
シンプルに言うと、木の細胞の中に主にケイ素が満たされたら珪化木、
主に炭素が満たされたら石炭ということになります。
厄介なのは、半々くらいで化石化した半人前もいるということです。
要は、石炭になりそうだったのに、
ケイ素も多く、結晶化が進んでカチカチに硬くなってしまった…。
そんな植物化石が多く存在するということです。
石炭を発掘する現場で、珪化木が相当数見つかるのはよくあることのようで、
珪化木は硬いことから発掘のさまたげになり、
炭鉱者を悩ます原因になっているようです。
そのような理由から、珪化木のことを、「石炭に成り損ねた木」なんて呼ばれることもあります。
明日は、鑑賞用のケイカボクについての話。
珪化木からすると、何ともショックなネーミングです。
産業的価値からすると、石炭のほうが優位なのかもしれませんが。
炭鉱所の傍らには、鑑賞用には適さず、
石炭になることも許されなかった珪化木のかけらたちが
積まれている現実もあるようです。
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