大発見は偶然に・・・
先日話題にのぼりました、カナダアルバータ州でコハクの中に羽毛が見つかった件のお話です。
着々とその後研究は進んでいるようで、コハクの中に閉じ込められた羽毛の中には
細かく縮れた羽毛があったようです。
縮れた毛は水面下で活動するのに適したいて毛の構造が潜水鳥に似ているとのこと。
今回の発見は、コハクの中から原始的な鳥の羽毛も見つけ、また飛翔のした証しがある羽毛まで
一度に見つけるという、まさに快挙の発見であったようです。
化石発掘の面白いところは、全く想像していないところから大発見を生み出すということです。
アルバータ大学の博士課程に在籍する、発見者ライアン・マッケラー氏は、
当初コハクの中に閉じ込められたカメムシが目当てだったらしいのですが、
カメムシと一緒に閉じ込められた羽毛を偶然発見するわけです。
羽毛の存在は、あとからついてきた話というではありませんか。
面白いものですね。
大発見をする人は、往々にして別のものを探していたらこっちも見つかった、
というケースがけっこうあるようです。
歴史に残る発見は、そういった偶然の産物であるのかもしれません。
似たような例があります。
皆様、アメリカ人のロイ・チャップマン・アンドリュースという人物をご存知でしょうか。
彼は、博物学者であり、アメリカ自然博物館の館長を務めた人物なのですが、
1922~1930年のうちに5回、モンゴルのゴビ砂漠へ向かい、たくさんの恐竜の卵を
見つけた探検家として有名です。
彼は子供の頃から自然と生き物を愛していて、大人になってからは
探検隊を率いてアラスカや中国へ出かけて化石を集めていたようです。
彼を含む探検隊が発見したものの中には、モンゴルでのオビラプトルの卵があります。
また、プロトケラトプス(名前の由来は“最初の角竜”という意味)やヴェロキラプトル
(名前の由来は“すばやいどろぼう”という意味)は、彼らによって発見された恐竜です。
旅の途中ではヘビやクジラ、サメ、オオカミや盗賊など、あらゆる困難に遭遇した探検隊でしたが
なんとか危機一髪、命を落とさず帰還したのです。
この話、何かに似ていると思われませんか?
そう、あの有名な映画「インディー・ジョーンズ」のストーリーです。
アンドリュースは、インディー・ジョーンズのモデルになった人物と言われているんです。
インディ・ジョーンズを地でいくような人が、恐竜を次々と発見していたのですね。
話が面白いのはここからです。
彼を率いる探検隊の当初の目的は、何と恐竜の発見ではなかったのです!
探検隊のもともとの目的は、人類と哺乳類の起源を調べることだったようです。
その過程で、たまたま恐竜の卵や新たな恐竜を発掘してしまったというのです。
偶然というわけです。
ゴビ砂漠へ向かったのはなぜかというと、当時の進化の説で、人類はアフリカで生まれた
という説と、アジアで生まれたという2つの説があり、アンドリュース率いる探検隊の中の
一人がアジア説を有力視したため、モンゴルへ行こうということになったらしいのです。
ひょうたんからコマとはこのことでしょうか。
人類の歴史を調べに行ったら、恐竜の卵が出てきた。
面白いですよね。
日本でも、小学生が恐竜の骨を次々発見するなど、びっくりするようなニュースが
時おり報道されます。
偶然とがそうさせるのか、欲のない純粋な気持ちが大発見を生み出すのかはわかりません。
世紀の大発見というのは、いつ誰が経験してもおかしくないのかもしれません。