ティラノサウルス、良い歯の基準とは
みなさま、歯化石の購入を検討するとき、どんなところに注目していますか?
本日は、ティラノサウルスを例にとってお話してみます。
●ティラノサウルス、良い歯が出回る頻度は?●
ティラノサウルスは、非常に発掘数の少ない恐竜でありながら、最も有名で
世界的にも人気のある恐竜のため、良質な標本は非常に流通量が少ないのが現状です。
ここ2年くらいは、ハンターの活動が減ってきて、良い歯が取れにくくなっています。
● ロングカーブが大きいと、それだけ値段も高いの●
ロングカーブとは、歯の先端部分から根元部分までをカーブ計測して出した値です。
歯の計測は、多くがロングカーブ計測によって表示されています。
この数値が大きくなるにつれ、巨大な歯となるため、
ロングカーブの数値に比例して値段が上がると思われる方も少なくないようです。
確かに、歯の大きさは、その標本の価値を決める要因の1つですが、
標本の価値は他にもさまざまな要因があるため、一概にロングカーブの大きさだけでは測れません。
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●歯の価値を決める他の要因としては長さ以外にも、大きく分けて3つあります●
1.ボリュームがあること
ティラノサウルスの歯は根元がとても太く、それが魅力になっていますので、
それを加味して、サイズを見積もる必要があります。
根元が非常に大きく、全体のボリューム感で大きく感じる標本は価値が上がります。
2.歯がどの位置についていたか
一体の恐竜の歯の形は、すべて同じではなく、生える位置によって、サイズや形が異なります。
まず上顎の歯は下顎よりも大きく、上顎の歯のなかで、
前から少しサイドに寄ったところの歯が最も太く大きくなります。
この周辺の歯を前上歯と言い、他の歯よりも価値あるものとして評価されます。
特徴としては、歯の断面が、楕円ではなく、より円に近付き、さらにはD型に見える点があります。
断面がD型をしていると、肉を掴みやすくなる効果があった、と考えられています。
このような、独特な形状をしている前上顎骨歯(ぜんじょうがっこつし)は、ティラノサウルス科の恐竜だけ
に見られる、ティラノ科の証(あかし)でもあるのです。
3.セレーションの美しさ
通常巨大歯は縁部分のセレーション(ステーキナイフのように、ギザギザになっている部分)
が無くなっているものが多いのですが、セレーションが完全に残っているものや、
状態が良いものは非常に価値が高まります。
●番外編●
歯化石がお好きなお客様のお話の中で、次のような質問が度々あります。
「博物館等で見る全身の化石を見ると、歯の化石がもっと長く、
20cmくらいあるように見えるのですが、それはどうしてでしょう?」
おっしゃいますように、ティラノサウルスの歯は歯根を含めますと、最大級で全長30cmくらいあります。
博物館の全身化石では、骨組のため、この歯根までが見えていますので、大きく見えます。
歯根については、こちらのページをご覧ください。
この歯根部分も付いた歯はほとんど見つからないため、博物館などでは、
歯根部分をレジン等で複製して、歯冠(しかん)部にくっつけるか、
そもそもすべてを複製するのが一般的です。
歯根付きの歯の状態は、こちらのレプリカで良く分かります。
通常、歯根は歯ぐきに隠れていますので、通常は短く見えます。
こちらのCG映像で確認できます。
歯化石をご検討されている方は、お気軽にご相談くださいませ。
化石セブンティラノサウルスの購入ガイド(リーフレット)をご希望の方はこちらへ!