バルト海産の琥珀について~その2~
さて、先日に引き続き、バルト海産の琥珀について、少しお話を。
バルト海周辺で採れるバルティック琥珀は、
他の産地と異なる特徴がいくつかあることをお話しました。
まだ続きがあるんですね~。
それは、特徴のひとつに、割れ目がたくさんあることです。
また、黄鉄鉱という鉱物が結晶化しているという点も特徴的です。
他の産地の琥珀では、こういった標本はほとんど見つかっていないそうですよ。
もし、バルティック琥珀をお持ちの方で、中に虫が内包されていたら、
虫の周りに白く濁った部分がないか確認してみてくださいね。
これも、バルティック琥珀に特有です。
樹脂に閉じこめられた虫たちは、時間を追って腐敗していきますね。
そのとき、虫の体の中から外に出たものが、樹脂と混じり合うんです。
樹脂と排出物が混ざった結果、樹脂が白く濁るという現象が起こるのですね。
バルト海産の多くの琥珀は、コハク酸とよばれる成分を含んでいるんです。
コハク酸といえば、貝類に含まれる旨み物質で有名ですが、
名前の由来のとおり、元は琥珀を熱分解して得た成分なのですね。
あの旨み成分が!?と驚きです。
琥珀を食べたら旨いのだろうか・・・?と一瞬考えてしまいました。
さて、コハク酸はカルボン酸の一種で、英語ではsuccinic acidとよばれています。
「sccinic」という言葉は、ラテン語で「琥珀」という意味にあたるそうです。
だいたい、バルティック琥珀はコハク酸を3%から8%程度含んでいるといわれています。
やはり美味しいのか!?琥珀化石。