なぜ三葉虫はこんなにも人気があるのか?

投稿日:
 カテゴリ:化石ニュース 作者:

みなさま、こんにちは。

 

今日は昨日に引き続き三葉虫のお話です。

 

三葉虫の代表選手!エラルシアキンギ

 

 

三葉虫は、なぜこんなにも人気があるのか?これについて迫ってみたいと思います。

 

ロシアンキング三葉虫ホプロリカス

 

 

 

 

それはずばり、「三葉虫が魅力的な動物だからである。」

一言で言ってしまえばそうなのですが・・・

 

 

 

 

 

 

 

一体三葉虫の何が人間の興味を掻き立てるのでしょうか?

 

サハラ砂漠からこんにちは!三葉虫リードップス

 

 

 

私が注目したのは、三葉虫がいかに弱者として大グループを形成し、

賢く生き抜いてきたかということです。

 

 

 

 

三葉虫は、とにかく多くの種類がいたと言われていますよね。

その数、実は三葉虫にかなり詳しい研究者でも正確な数は把握できていないとか。。。

とにかく、分かっている限りで数万種だそうです!

 

三葉虫のグループは何と数万種!

 

 

数十種ではないですよ。数“万”種です!

 

 

 

これほど大グループを形成する動物は、化石で見つかった古生物の中で群を抜いています。

ということでまずは第一に、

 

 

「多様でバリエーション豊かな種があるから」

 

 

 

 

これが、人間が三葉虫に魅せられる理由の一つかなと感じました。

数万種も種類があれば、コレクションもしがいがあるというものですよね!

 

三葉虫コレクターなら手にしたい!アサフス・コワレフスキー

 

 

 

第2の魅力は、やはり生命力の強さでしょう。

 

 

 

さきほど、三葉虫は『弱者として』賢く生き抜いたと記したのですが、

三葉虫は出現した当時から、大型の動物によって襲われていたようです。

三葉虫の出現時期は今からおよそ5億4200万年前、そして絶滅時期は2億5100万年前です。

彼らは、ざっと計算して3億年ともいう気の遠くなるような時間を生き延びた動物なんです。

 

このトゲを武器に生き延びた種、ホプロリカス

 

 

よく考えてみると3億年の時間を生き抜いたってすごいですよね!

分類レベルが違うので一概には言えないものの、恐竜と比べたとしても

種として約2倍は長生きしています。

 

 

 

カンブリア爆発で出現した、節足動物として分類される三葉虫。

その間、魚類や両生類の出現を見届けています。

常に強者の捕食対象にされるという立場だった三葉虫は3億年もの間、

体にありとあらゆる装飾を施して生き延びるためにもがいています。

 

それが「体の武装」であり「複眼の多様な機能」であったりします。

発達した複眼をもつ三葉虫

 

面白いですよね。

敵に襲われないようにするための殻を身に付けたり、エンロールして

完全に防御体制に入ったりと、工夫が絶えなかったんですよね。

 

哺乳類の我々からすると、現在までの進化の流れを、絶やさず繋いでくれた

大大先輩にあたります。

 

 

そんな尊敬の念もありつつ、彼らの生命力に対する貪欲さや環境適応能力の高さが、

いっそう彼らの魅力を引き立てるんだろうなぁ。

 

 

そんな風に思った次第です。

防御体制に入ったドロトプス・メガロマニクス

 

 

最後になりますが、3つ目の魅力はずばり

「まだ解明されてない種が多いこと。」

 

 

 

だってそうじゃありませんか。

数万種もいるといわれている三葉虫。

今後、誰がどこで新種を発見するかもわかりません。

 

これこそロマンです!

 

 

しかも、可能性のあるのは、全世界の地層です。

いつ、どこで世紀の発見ともなる三葉虫の種が現れるかもわからない。

そういった、未開拓の分野に関するワクワク感は言いようがないほど魅力的です。

 

マニア垂涎もののクアドロプス

 

 

 

 

 

形も格好良い、種類も多い、そしてまだわからない点が多いという

すべての魅力的コンテンツが備わっている三葉虫。

 

三葉虫の魅力を少し解明でき、一人納得しつつある今日このごろです。