700光年先で発見された惑星とハビタブル・ゾーン
米航空宇宙局(NASA)のケプラー宇宙望遠鏡で最初に発見された「ケプラー78b」が話題になっています。
ケプラー78bは、地球からはくちょう座の方向におよそ700光年ほどいった場所にある惑星です。ケプラー78bの大きさは地球の1.2倍ほど、質量は1.7~1.9倍程度ということで、主に岩石と鉄でできているとのことです。この惑星はは地球に性質が似ているということですが、太陽に当たる恒星にあまりに近いので、生命が存在する可能性が低いと考えられています。
ケプラー78bは、表面温度が3000度近い熱さと推測されています。いくら地球に似ているとはいえ、液体があったとしてもすぐ蒸発してしまうようです。地球の平均気温は、ざっくりで15℃、水分も豊富です。こうしてみると、地球は生命が存在するという点において、惑星としてのサイズが適切で、太陽からの距離が絶妙だったといえます。
液体の水が存在するか否かは、生命が存在するという点で非常に重要な条件になるようで、少なくとも、地球の生命にとっては液体の水があることが大事です。水は液体の状態でいられる温度、要は個体から気体になるまでの間の温度の幅が広い物質です。温度の幅が広いということは、さまざまな環境下でも生きられる可能性があるということですね。すぐに蒸発したり固体になると、生命活動していく上で困るわけですから、水は生命活動の条件が幅広い、お役立ち物質であるようです。
また、生命の体を作る元となる細胞の細胞膜は、水分を必要としています。
さて、水分は安定的にあるということが生命存在条件として大事だと仮定して『液体の水が存在する惑星が地球以外にもあるのか?』という点について、考えてみたいと思います。
我々の住む地球を含む太陽系では、地球以外に液体の水が存在しうるところがあるのでしょうか。ここで、「ハビタブル・ゾーン(habitable zone)」という言葉がでてきます。ハビタブル・ゾーンは『生命生存可能領域』といいますが、耳にしたことがあるでしょうか。ハビタブル・ゾ-ンは、宇宙の中で生命が誕生するのに適した環境とされる、天文学上の領域をさしています。太陽系のハビタブル・ゾーンは、金星のやや内側から火星のやや外側まで、と考えられてきたようですが、最近では火星より外側も範囲に入ってきたようです。近年、火星に探査機が入り調査が頻繁に行われているのも、火星がハビタブルゾーンに入っていて、生命存在が見込まれるかもしれない、と考えられてのことです。