太陽系脱出していた!ボイジャー1号
みなさん、ボイジャー1号という名前をご存知でしょうか。
今から35年も前、1977年にNASAによって打ち上げられた無人の宇宙探査機の名前です。
1970年代、太陽系の外惑星や太陽系外の探査しようという計画が上がり
ボイジャー計画と名付けられ(Voyager program)、2機の無人惑星探査機
ボイジャー(Voyager)をNASAが打ち上げたのです。
この頃、惑星配置がちょうどよく、木星・土星・天王星・海王星を
続けて調べることができたので、この機会を利用して計画は実行されたのでした。
実は機械は2機あり、ボイジャー1号、2号と名付けられました。
1号、2号とも、外惑星の鮮明な映像撮影に成功し、新衛星などの発見に貢献していました。
さて、今回の発表はボイジャー1号に関してです。
ボイジャー1号は、現在太陽から約187億km付近を時速約6万キロの速度で飛んでいるとのことです。
う~ん、あまりにケタが大きすぎでわかりませんが、
どうやら、人工物体としては、初めて太陽系を完全に出たということが分かったのです。
太陽系とは?
太陽系(英語でいうと、solar system)とは、太陽や太陽の周囲を公転する
天体と微粒子、そして太陽活動がその環境を決める主な要因となる
空間からつくられているエリアをさしていいます。
主要な天体といえば、みなさんご存知、『すいきんちかもくどってんかい(めい)』ですね!
学生の頃、こんな風に語録でおぼえなかったでしょうか?
そうです、主要天体は『水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・(冥王星)』
2006年までは太陽系第9惑星とされていた冥王星ですが、
現在は、主要天体から外れ、準惑星となってしましましたので
実際には主要天体に入りません。
どうやって太陽系の外に出たとわかった!?
ボイジャーが太陽系の外に出れば、宇宙を飛び交っている宇宙線に由来する電子などの
密度が急上昇すると考えられるといいます。
実は、ボイジャーは機械の故障により1980年代から情報がほとんど得られなかったようですが、
昨年の秋と今年の春、計2回にわたりデータが送られてきたのだといいます。
打ち上げ後30数年経過してはっきりしたデータが送られてきたというのはすごいことです!
これらのデータを基に電子の密度を分析した結果、
2012年の8月25日ごろに太陽系の末端を通過していたらしいとのこと。
ボイジャーはすでに太陽の重力圏から出ていて、
太陽からの陽子なども劇的に減り、太陽風の届く範囲を超えたというのです。
これは、『歴史的発表』だと、40年間計画に携わっている
エドワード・ストーン米カリフォルニア工科大教授は述べています。
それにしても、35年も長い年月を飛行し続けて、データが送られてきたとは、
ボイジャー1号の生命力といいましょうか、打ち上げに携わった人々の叡智が
どれほどすごいものだったのかと、感嘆します。