恐竜も始祖鳥のように飛行用の脳をもっていた!?
アーケオプテリクスこと、始祖鳥についてのニュースです。
始祖鳥は、最も原始的な特徴をもつ、
最も古いとされ、鳥類の祖先型といわれる生き物です。
ジュラ紀後期、今から約1億5000万年前に地球に存在した始祖鳥は、
『鳥が恐竜から進化した』説のきっかけを生んだことで有名です。
鳥は恐竜から進化した、となぜいえるのかというと、
始祖鳥においては、鳥類の機能を備えながら、歯や前有、骨でできた長い尾
といった点で、恐竜(獣脚類)の特徴も備えていたからです。
このたび、始祖鳥の脳とほかの恐竜の脳を比べ、頭蓋骨を3Dスキャンした結果、
始祖鳥だけでなく、飛べないとされる恐竜も
飛行するための神経回路を有していたことがわかりました。
これは、始祖鳥と同時期に生息した少なくとも数種の恐竜について言えるとのこと。
研究結果を発表したのは、アメリカ自然史博物館
(American Museum of Natural History)の
エイミー・バラノフ(Amy Balanoff)氏の研究チームです。
鳥類は、飛行能力に必要な視覚、また体の運動機能を得るために
体に対して脳が大きい傾向にあるといいます。
今回、羽毛が生えた飛べない恐竜(トオロドンやオヴィラプトル)と
始祖鳥を比較した結果、数種の恐竜たちのほうが始祖鳥より体に対する
脳のサイズ大きかったことが判明しました。
飛ぶことはない恐竜たちであっても、
能力としては、飛べる力を持ち備えていたと
考えられるそうなのです。
それでは始祖鳥が特別な存在ではなくなってしまうのでしょうか?
今回の研究チームによると
「始祖鳥は、それほど特別な存在ではない可能性もあるかもしれない。」
と考えているそうです。
つい先日は、始祖鳥の全体の色がカラフルでなく
実はモノクロだったのではという研究報告がありました。
何となく、始祖鳥のイメージがどんどん地味になっていくような・・・。
しかし、始祖鳥は発見当時の19世紀から、話題の絶えない存在です。
2世紀もの間、鳥類と恐竜の進化のはざまをを模索し続けている研究者。
恐竜と鳥の間を行き来する、よくわからない生き物、始祖鳥。
これだけでも、かなり特別な存在であると思うのは、私だけでしょうか。