イルカは自分の名前をもっている
野生のバンドウイルカについてのニュースです。
バンドウイルカは個体特有の音を編み出して自らを識別していることがわかりました。
我々が、個人を特定する、いわば「名前」のように音を操っているというのです。
22日、米科学アカデミー紀要
【Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS】
に掲載されました。
イルカは、生まれて数か月の間に、個体特有の音を作り出し、この音を使いながら
群れの中で互いに名前で呼び合っているというのです。
イルカの聴覚の発達は、以前から話題になっていました。
エコロケーションという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
海の中で一生を暮らすイルカは、水中では視界が悪く、
暗いため、目が退化した生き物です。
視覚が発達する代わりに、聴覚が発達したのです。
空気中より水中だと、音は遠くまで伝わり、かつ速く伝わります。
エコロケーションとは、電波や音波などを放ち、
物体に当たって反射してきた、電波、音波などを即座に分析して、
物体の位置を知る方法です。
イルカに代表されるように、目の発達していない生き物、
例えばコウモリやフクロウなどもこの特殊能力を持っているんですね。
私たちが、「○○ちゃん、○○さん」と名前で呼び合うように、
イルカたちも海の中でそれぞれの個体を識別し、
いろいろな会話をしているのだとするととても興味深いですね。
イルカの鳴き声の半分は、まだどのような意味かわかっていないそうで、
今後の研究の結果が気になる分野となりそうです。