5にまつわるウミユリの話
みなさま、すっかり気温が下がり、過ごしやすい季節となりました。
朝晩は寒いくらいです。
本日は数字の「5」にまつわるお話をしようと思います。
「5」という数字は、この世界に生きる私たちにとって多大な影響を与える数字のようです。
まず、人間が5つのパーツで構成されています。
指は5本であるし、顔に空いた穴も5つです。(鼻の穴は2つと数えます。)
臓器は「五臓」といわれるように5つある。
人間の感覚は「視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚」とやはり5つ。
面白いですよね。
他にも5がつく言葉は「五分五分」「五輪」「五摂家」「五大陸」「五太洋」「五穀」
など、沢山あります。
グループで活躍している人たちは、5人がとても多い。
どうやら、数を研究しているところによれば、数字には色々な意味があるようで
5という数字は安定した数字で、海や大地に関連するシンボルとされるようです。
なぜそんなに「5」という数字ばかり話題にする!?とお思いかもしれません。
それは、先日ウミユリを撮影していて、刺皮動物はすべて「5」という数字で成り立っている
な・・・という思いにふけていたからです。
ウミユリは、ユリの花のように見えることから「海のユリ」→「ウミユリ」
と名付けられたのですが、植物でなく、れっきとした動物です。
古くはカンブリア爆発のときに発生したとされているのですが、古生代オルドビス紀
以降でよく見つかり、実は現在も深海で生きている「生きた化石」といわれている
生物です。
このウミユリ、刺皮(きょくひ)動物という分類に属するのですが、これはヒトデやウニ
の仲間と同じです。
彼ら刺皮動物に共通しているのは、数字の「5」。
まず、ヒトデは見た目そのままで、5本のうでをもっていますよね。
ウニはあしやトゲを抜いて上からみると、真ん中から5本の線がでています。
そして、ウミユリ。ウミユリが食べ物をつかむ触手といわれるところの根元を
断面からのぞくと、やはり5角形の形をしているのです!
すべて5にちなんだ体の構成です。
人間の構成にまで、この5という数字がつながっているとしたら・・・
と考えるととても神秘的な感じがしたのです。
ウミユリ化石の撮影の最中、どうも5という数字が頭を離れず、思わずこちらで
紹介したくなってしまいました。
撮影したウミユリ、早速HPでもアップしています。
まれに見る大きさで、海の中を漂っている瞬間を切り取ったかのような
流れるような美しい標本です。
ご興味のある方はご覧くださいね。