350万年前のラクダ化石、北極圏で見つかる
北極圏で350万年前のラクダ化石が発見されました。
発表したのは、カナダの純古生物チーム。
5日の英科学誌『ネイチャー・コミュニケーションズ』に掲載されています。
ラクダ化石は、北緯80度に位置する
エルズミア島(Ellesmere Island)という場所で見つかりました。
樹木の化石と共に見つかったラクダ化石は、脚の骨の部分。
この見つかった化石の地層、地質時代でいうと、
鮮新世(Pliocene)の中期にあたります。
鮮新世当時の地球の平均気温は
現在とくらべて2度から3度高かったようです。
それでも十分寒冷だと想像できますが、
森林が広がり、ラクダが生息する環境だったようです。
ラクダといえば、背中にあるコブの数が気になります。
背中に1つのコブがあるのが、『ヒトコブラクダ』。
そして2つのコブがあるのが、『フタコブラクダ』です。
コブの数で、原産地が異なるようで・・・。
前者は西アジア原産で、後者は中央アジア原産と考えられています。
頭数は、圧倒的にヒトコブラクダのほうが多いようですよ。
さて、ラクダの生息場所についてですが、
北アメリカ大陸をイメージすることはあまりないですよね。
どちらかというと、アフリカ大陸のサハラ砂漠や、
アジアに生息するイメージが強いと思いませんか。
ラクダは、実は200万年から300万年前に、当時陸続きであった
ベーリング海峡(アジア大陸東端と北アメリカ西端の間にある海峡)を通って
ユーラシア大陸へと移動していたのです。
ここで現在のラクダへと進化したようです。
うーん、あのゆったりした歩みで、大陸を渡り歩いていたとは・・・。
おそるべし、ラクダ!
今回の北極圏でのラクダ化石発見により、
ラクダ科の祖先が北アメリカ大陸で進化したものであるという学説に
信頼性を与える根拠になりそうです。