三葉虫は弱い生き物!?
種によりますが、三葉虫には体や眼にトゲを
たくさん生やして武装したものがいます。
他にもちょうどかたつむりのような形をした、
長く伸びた眼をもった三葉虫がいます。
海の底の泥に体を潜めながら眼だけ飛び出させて
敵を観察できる潜望鏡のような機能をもっているというわけです。
このように、簡単に襲われないようにするため、
三葉虫は体にあらゆる工夫を施しています。
最も代表的なのは「エンロール」といって、
ダンゴムシのように丸まって体を守る防御体制です。
背側は硬い殻で覆われている三葉虫ですが、
その背側を外側に体をぐるっと丸めることで、
内蔵などの柔らかい内側部分が攻撃されないよう守っていました。
捕食されるという、立場の弱い生き物だったからこそ、
三葉虫はその体に工夫をこらしながら進化し、
多様化して大グループを形成しました。
三葉虫は約3億年もの時間を、
賢く生き抜いてきた賢者の生き物群とも言えます。