ブラックホールから記録的放出現象観測
29日付、米バージニア工科大学(VirginiaTechUniversity)
天文学チームいよって発表された報告によると、
超大質量ブラックホールで、記録的なガスと塵の
放出現象が観測されたということです。
このブラックホール、何と115億光年以上の彼方にあります。
(※光年【英語で light-year】は、銀河や恒星などの
天体までの距離を表するのによく用いられる距離(長さ)の単位です。
「年」とついているので、時間の単位と間違えやすいようですが、
距離の単位なんですね。
光(電磁波)が1年間に進む距離と定義づけられています。)
そして、質量は太陽の10億~30億倍というのですから、
想像の域をこえています。
このブラックホールがどこに位置するかというと、
「SDSSJ1106+1939」と呼ばれる
高エネルギー銀河の中心部に存在するというのです。
この、非常に高いエネルギーをもった銀河は
『クエーサー』とよばれています。
この観測、チリにあるヨーロッパ南天天文台の
高性能望遠鏡を使って観測された放出エネルギーですが、
全てがケタはずれで、エネルギーの大きさが太陽の2超倍、
質量は400倍にも達するといわれているそうです。
クエーサーとよばれる、非常に明るく輝く天体は、
新しく生まれた銀河の中心に存在する巨大ブラックホールを
エネルギー源としているのではないか、と研究者は考えています。
地球からの距離が115億光年という、遠い距離にある
今回のエネルギー放出は、数十億年前のものと考えられることから
原始期の宇宙を謎解くヒントとなると期待されています。