こっちが日本初!?ニッポノサウルス
日本ではじめて恐竜の化石が発見されたのは
1978年のことと以前別のコラムで紹介しましたが、
正確にいうと「日本列島で初めて」という注釈がつきます。
実は1934年にサハリン島とよばれる、北海道より北側の
大きな島から恐竜の化石が見つかっています。
その名も「ニッポノサウルス」。
ニッポノサウルスは、鳥脚類ハドロサウルス科の仲間で、
歯はなく、クチバシと小さなトサカが特徴の恐竜です。
全長約4メートル、体重約1トンの恐竜で、
約8000万年前の白亜紀後期に生息していました。
現在ロシアが統治しているサハリン島は、樺太として、
1905年から1946年まで日本の領地でした。
この恐竜が発見されたのは1934年、つまり当時は日本領だったために、
「サハリンの日本のトカゲ」という意味の
「ニッポノサウルス・サハリネンシス」という名前がついたのです。
ニッポノサウルスは北海道帝国大学(今の北海道大学)長尾巧教授による、
初めて日本人によって研究、記載された恐竜でした。
ロシアとの領土問題をめぐり、現在ではニッポノサウルスを
「日本初の恐竜です!」と純粋に宣言するには至らない状況となっているようです。
ですが、ユーラシア大陸の東方で
約8000万年前に、恐竜が存在したという事実は確かです。