7300万年前縄文人、犬埋葬の跡発見!
本日2日、発表されたニュースによれば、
日本で、縄文人が犬を埋葬した跡が見つかり、
埋葬されたイヌの骨としては国内最古だということが分かりました。
埋葬されたイヌ遺跡を実際に発見したのは、結構前のことで、1962年のことです。
場所は、愛媛県美川村(現久万高原町)、上黒岩岩陰遺跡です。
イヌ2頭の全身骨格を年代測定した結果、約7200~7300年前
(縄文早期末~前期初頭)のものと判明したそうです。
このイヌたち、発掘されたのちに所在不明になっていたらしいのですが
昨年、慶応大にある考古資料収蔵庫で見つかったとのこと。。。
そして、今回の発表となったようです。
うーん、7300年前の日本人は、すでに犬と共に暮らしていたのか・・・。
よく考えてみると、イヌは、われわれ人間の生活に密着し、
非常に身近な存在として認識されているのに、
種として、じっくり着目したことがありませんでした。
一体、いつから人間とともに暮らし始めたのだろう・・・と思い、
少し調べてみました。
イヌ(いわゆるイエイヌ)の学名は、なかなか難しく
Canis lupus familiaris
といいます。
イヌは最も古くに家畜化された動物で、一説によると、
1万5千年以上前にオオカミから分化したと考えられています。
世界的にみると、シリアのドゥアラ洞窟というところにある
ネアンデルタール人の住居遺跡から発掘された
イヌ科の動物の骨が最も古いイエイヌだとされています。
この遺跡が、およそ3万5千年前と考えられていますから、
我々、現代人といわれる「ホモ・サピエンス」が出現し、
我々に最も近縁であるネアンデルタール人がちょうど同時に存在していた
くらいの時代に、すでにイヌを飼っていた可能性があるということですね。
その他、世界各地にイヌを埋葬した遺跡は多く見つかっているようで、
狩猟の伴に役立ったなど、生きる上で必要なパートナーとして
存在していたようです。
日本におけるイヌの歴史についてはどうでしょう。
狩猟時代であった縄文時代は、イヌは狩猟のパートナーや
おそらく住居の見張りとしても存在していたようです。
弥生時代は農耕が発展していきますから、狩猟が仕事のイヌにとって
あまり日の目を見ることがなくなったようで・・・。
いわゆる、食用として用いられていたようです。
うーん、むごい!と思われる方が多いかもしれません。
イヌを食す文化は、現代日本にはほぼないですよね。
しかし、世界各国でかなり見られたようですね。
日本人が現代においてイヌを食用対象としなくなったのには、
江戸時代の、あの有名な法律が
大きくかかわっているとも言われています。
そう、5代将軍綱吉が発布した「生類憐みの令」です。
「犬公方(いぬくぼう)」とあだ名がついた、綱吉は、
戌の年に生まれ、自ら狆(チン)を飼っていた犬好きでした。
生類憐みの令は、特にイヌに対しての保護に関して厳しく、
イヌを殺めた町人に、獄門の刑に処したことはあまりにも有名です。
彼がこの法律を定めたことで、それまでのイヌ(やネコ)を
食すという食文化が、だんだん廃れていった模様です。
生類憐みの令は、家宣の代で廃止されたのですが、
この食文化は、明治、大正、昭和という流れまで影響を与え、
現代では、食材という考えは次第になくなっていったようです。
現代では、ペットとして、あるいはペット以上の家族として
親しまれているイヌですが、時代とともに
いろいろな待遇を受けていたんだな、と感じた次第です。
ちなみに、イヌの祖先であるとされるオオカミ、
ニホンオオカミは、その昔、日本中で見られましたが
1905年に絶滅しています。
その理由は、家畜を襲ったり、狂犬病をうつしたりする
ということで、人間によって狩りが行われたためです。
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