恐竜の怪獣の尾についての話②
さて、昨日の続きです。
ティラノサウルスなどの恐竜、
テタヌラ類の尾は、地面と平行を保っていたという事実は、
今ではどの図鑑にも載っているほど常識とされています。
でもこれは化石の発見と研究によって明らかになった大発見でした。
もし恐竜の尾が地面を引きずる形をとると、
体の重心が足の付け根よりも上になるため、
歩幅を狭くして歩かないと前に進めません。
まるで舞妓さんのように、おしとやかにちょちょちょっと歩くのです。
そんなティラノサウルスを想像してみてください。
ちょっと面白いですね。
尾を引きずる形だと前足を大きく一歩出せないので、
スピードも出なければ、獲物に追いつけそうもありません。
ダイナミックな狩りを可能にするには、
足を一歩前に大きく出す必要があります。
でもこの動きをすると、体を保つためのバランスが
くずれやすくなるという問題が出てきます。
体のバランスを保ちつつ大きな一歩を出すためには、
尾が重要になったのです。
長い尾を振りながら頭部との揺れ具合を調整すれば、
体全体はバランスが保てます。
頭と尾が地面に対して平行の歩き方だと、体の重心は前方向に傾きます
体が前に傾くと、自ずと前へ歩みを進める一歩が大きくなるのです。
尾はまっすぐにしてバランスを微妙にとっていますから、
あまりぶれることなく、安定した歩きが実現できたという訳です。
これも貴重な化石がある程度の個数発見されたことと、
研究者たちのたゆまぬ研究心、
そして科学技術の進歩のおかげで分かったことです。