サーベルタイガー(スミロドン)の魅力
化石セブンのサーベルタイガーレプリカ標本が人気をいただいております。
本日はサーベルタイガーの魅力について。
恐竜時代のスター候補は数多く挙げられますが、新生代の代表的生物として
真っ先にあがるのが、マンモスやサーベルタイガーでしょう。
サーベルタイガーなかでも、最も有名な種は、最後期に登場したスミロドンです。
スミロドンは体長2m前後、体高1mほど、ネコ科マカイロドゥス亜科に属しています。
彼らの最も有名な化石産地は、貴重な米国カルフォルニア州ランチョラブレア
(Rancho La Brea)のタールピットから発見されたものです。
ランチョ・ラ・ブレアはロサンゼルスにある天然アスファルトが湧き出る浅い池です。
ちなみに、ブレアとはスペイン語で天然アスファルト(タール)を意味する言葉なんです。
ここから発掘されたスミロドンの化石は、現在ロサンゼルスの
自然史博物館に展示されています。
サーベルタイガーの長い犬歯は、同じ時代に生きた
マンモスやゾウ・サイの類を仕留めていたようです。
これら獲物に共通するのは、比較的ゆっくり動く動物だということです。
サーベルタイガーは、なぜ、緩慢な動きの大型動物を襲っていたのか?
それは、サーベルタイガーがもつ体型に由来していると考えられます。
彼らは現生のトラなどにくらべ、肢が短く、ずんぐりした体をしています。
サーベルタイガーの後肢の長さは意外と短く、
あまり速く走ることができなかった、といわれているのです。
発達した前肢にくらべて短い後肢は、
地面を蹴りあげる点において、少し不利にはたらいたのでしょう。
サーベルタイガーの長い犬歯は、およそ20cm以上もあるといわれています。
この長く発達した牙は、メスが、より強いオスを選択する
過程によって、進化し特殊化していったと考えられています。
サーベルタイガーの牙は、顎を閉じた状態で、口の外に出ていました。
現生のセイウチのような感じでしょうか。
少し、頭によぎるのは、彼らはうつ伏せで休むときは、牙が邪魔にならないのかということです。
だって、地面に牙が思いっきり刺さりそうではありませんか。
休むときは、もしかすると、顔を横に向けて牙を守っていたのだろうか・・・
想像は尽きません。
彼らの攻撃方法についてですが、120度に開く下顎を思いっきり開き、
相手ののど元めがけてやわらかい部分に牙を打ち込んでいたようです。
血管を切って相手を絶命させるという、すさまじい狩りの方法をとっていたようです。
特殊化した牙をもつ、サーベルタイガー。
彼らは、南北アメリカ大陸のまばらな林に生息していたのですが、
やがて、絶滅の途をたどります。
絶滅の原因は、主に3つあげられるようです。
1つ目は、気候の変化。
氷河期へと向かっていく中で、気候が寒冷化していき、彼らが捕食していた
大型動物の数が減少してしまったということです。
2つ目は、サーベルタイガー自体が、特殊化された生物個体であったため、
変わりゆく環境への適応が困難であったということ。
そして3つ目は、脳が小さくかったこと。
狼やジャガーなど、彼らのライバルとなる動物とくらべて知能が劣ったことから
だんだんと時代に合わない存在となっていったのだと推察されています。
短い尾にずんぐりした体形、異常ともいえるほど長い牙をもつ
サーベルタイガーは、そのいで立ちからどうしても
注目してしまう存在の絶滅動物です。
独自に発達した長い牙をもつことで、特殊化したサーベルタイガーですが
特殊化に振れ幅が傾きすぎたことがあだとなって
絶滅してしまったと聞くと、何ともいえない気持ちがします。
ですが、地球の生物は、気候や環境に適応した種が生き残り
進化がとげられるよう、その時そのときに適した生き物が
生まれているのだなと感じます。
すでに、地球上ではみられないサーベルタイガーの
レプリカ標本は、こちらでくわしく見られます。
化石セブンが取り扱っているサーベルタイガー標本は
ロサンゼルスの自然史博物館に展示されているものと
同じ標本のレプリカバージョンです。
つくりが本当に精巧ですので、おすすめですよ。
気になった方はこちらからどうぞ。
他、レプリカ標本も、有名博物館に所蔵されているものをかたどっております。