エチオピアで初期人類の新種化石発見!
米クリーブランド自然史博物館などのチームが29日、英科学誌ネイチャーに
初期人類の新種化石について重要な発表をしました。
それによると、アフリカ東部・エチオピアにある約340万年前の地層から、
初期人類の足の化石を発見したようで、これらは新種とみられています。
エチオピアというと、化石セブンでも取り扱っていますが、
「ルーシー」の愛称で知られる最初期のヒトが有名です。
一般的には、アウストラロピテクス・アファレンシス(アファール猿人)とよばれています。
注目すべきは、今回の新種は、アウストラロピテクスとは足の骨の構造が異なっている点です。
今回発掘された足の骨には、直立二足歩行に適した土踏まずを形成する
弓形の構造が見られませんでした。
どうやら、足の指で物をつかめた構造になっていたようです。
このことから、アウストラロピテクスのほうが、より現生人類の祖先に近いと推察されています。
先日も、中国で未知の人類が発見されたと報道されたように、
人類の進化に関する発見と議論は、近年非常に活発ですね。
アウストラロピテクスについて少しお話を。
彼らは1924年、南アフリカに住んでいた解剖学者レイモンド・ダートが
現在の世界遺産であるスタークフォンテイン洞窟で頭蓋骨を発見したことから端を発します。
南アフリカ共和国で発見されたことから、「南の(Australo-)猿(pithecus)」と彼が名付け、
これが、「アウストラロピテクス」といわれる所以です。
レイモンド・ダートが翌年、ネイチャー誌に最初期のヒト、アウストラロピテクスの存在を
発表するや否や、人類の祖先が人間とサルの中間であるという主張に、当時の
創造論者たちが大反対します。
彼の元には怖ろしい脅迫文がくるほどだったといわれています。
今から88年前という時代、チンパンジーやサルと、人類進化の関係についての話題は
それほど衝撃的だったようです。
現在は、チンパンジーとの共通の祖先から分かれて進化したとされる初期人類ですが、
研究者の議論の対象となっているのは、300万~400万年前は、アウストラロピテクスの
仲間だけ存在したのか、あるいは様々な種類が存在したのかということです。
このたびの発見から、自然史博物館などのチームの見解は、様々な系統が存在していた
としています。
この地球上に、まだどれだけの未知の古代人が眠っているのだろうか、と想像させる話題でした。
今後の解明に期待。