英国研究チーム、恐竜化石で赤血球を発見か
6月9日、英国の研究チームは、恐竜化石で赤血球ならびにコラーゲン繊維の可能性がある構造体を発見したと発表しました。このニュースお聞きになったでしょうか。これは、驚くべきことですね。なんでも、脊椎動物は、血液細胞が小さいほど、代謝速度は速くなるそうなのです。今回のような血液細胞のサンプルがたくさん集められることで、恐竜が恒温動物となった時期に関して証拠が得られるかもしれない、と科学者たちは期待を寄せています。
さて現在、恐竜は、鳥類のはるか遠い祖先ではないかと考えられていますね。一体、変温動物であるは虫類から、恒温動物である鳥類は、いつどうやって生まれたのだろう・・・?大いに話題に上るこのクエスチョンについて、今回の赤血球構造体発見は、謎をとく手がかりになり得るかもしれないというのです。
有機物質発見のこのニュース、ついにジュラシックパーク(バイオテクノロジーを駆使して蘇らせた恐竜たちによる騒動を描くパニック・サスペンス映画)の実現の日は近くなるか!とわくわく驚いたのは私だけではないはず!?
さて、もう一点『うーむこれは・・・!』と感じたことがあります。それは、化石標本が100年以上も前に発見された標本であったということ。また、タンパク分子は400万年しか超えて残ることはないと考えられてきたそうなのですが、これが覆ったことです。
今回調べた標本は、数種の骨片化石だそうですが、これはカナダアルバータ州の州立恐竜自然公園にある恐竜公園層から発掘された標本とのことです。なんでも、発掘されておよそ1世紀も経っているというのです。カナダで発見された骨片化石が、ロンドンの自然史博物館にずっと収蔵されており、今回この化石標本を調べたというのです。赤血球発見の結果をつかむまでには、恐竜化石の発見、顕微鏡など機器の研究開発の発展、そして優秀な研究者、壮大な時の流れが必要でした。進化をたどる研究、スケールの大きさを感じずにはいられません。