長崎で発見されたよろい竜とよろい竜小話
七夕の日、長崎半島で国内5例目とされるよろい竜化石が見つかったという報道はお聞きになりましたでしょうか。福井県立恐竜博物館と長崎市教育委員が発表したもので、長崎半島西岸の「三ツ瀬層」という地層からよろい竜の歯化石を見つけたとのことです。この地層は、地質時代でいうと約8100万年前の白亜紀後期の時代のものです。
よろい竜といえば、硬い骨のよろいを身にまとった横幅のある体が特徴的ですね。最も有名でおなじみの1種は、アンキロサウルスでしょうか。ハンマー恐竜ともよばれるアンキロサウルスは、やや進化したよろい竜で、尾の先にあるハンマーを振り振りしながら、敵と戦ったといわれています。また、背中に携えたよろい(骨の板)もインパクト大で、見た目からして何ともイカツイ恐竜です。
このよろいについてすこし小話を。骨のよろいは意外にも軽かったと考えられています。よろいの中は空洞で、見かけより軽量設計だったそうなのです。確かに、あんなにゴツゴツしていてかつ重かったら、自由に動くことが難しいですよね。防御に特化しつつ移動も素早く!生き残るため、骨格の軽量化は必須条件だったのでしょう。
肉食恐竜のように、攻撃に特化した恐竜もいれば、よろい竜のように完全防備で防御性に優れた恐竜もいて、進化の仕方が恐竜のタイプによって全く異なるのが面白い点ですね。ちなみに、よろい竜のおなかの下は無防備で、よろいでは覆われていなかったと考えられています。このため、研究者によっては、敵にやられそうになるとお腹を守るため丸まったりうずくまったりした、という考え方もあります。